詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩「遠近法」

2009年09月08日 | 
ぼくが生まれて初めて描いた絵は
タンポポの野原を
どこまでも平行な二本の線路の絵

そのぼくの絵を覗きこんだ
ヒゲモジャで独身で
「寅さん」シリーズのさくらさんが
大好きなんだと言ってた先生がつぶやく

「線路をよく見てごらん」
「こんな風に何処までも平行になってるかな?」
それで ぼくも
この世には
遠近法があるんだと初めて知ったんだ

機嫌がいい時には
バイオリンを持ち出して
あちこち黒光りした教室で
素敵なバリトンで歌いだすヒゲモジャ先生

「タンポポ タンポポ
 黄色いタンポポ
 タンポポの花は 太陽の花
 タンポポは花は 平和の花」

タンポポの首飾りをそっと差し出した
君の真上を
ふんわり ふわふわ
大空へと旅立っていった
タンポポの綿毛たちの後の夕暮れ

北海道はいまやもう
全体が夕張市化しているという
廃線化や 
閉鎖した郵便局や
耕作放棄地だらけで
喜んでる熊さんや野生動物たちの天国も
またいいのかもしれないけど・・

まだ タンポポは
野原一面を埋め尽くして
咲いてるんだろか
あの頃たいに
微笑みあう子供たちや 
腰をさする老人たちの
笑いさざめき合う背景を
黄金色に染めて
タンポポはまだ廃線沿いに咲いてるんだろうか

乱鬼龍川柳

2009年09月08日 | 
午前五時苦役のドラマ今朝も明け 
充電もしない戦いなら負ける 
生きてゆく矛盾と死んでゆく矛盾 
生きるだけ生きてみようという夕日 
日本を棄てよと天の声がする 
明けましてただ悪政の山があり
戦いを自分を変える年が明け
亡国を知らぬテレビがはしゃぎあい
戦後史という敗戦が視えないか
建設へひとつひとつを破壊する
反米と嫌米で塗る世界地図
炭疽菌どこかで誰かほくそえむ
亡びへの道が派兵の先にある
マスコミという大本営は今も生き
戦争を煽る走狗のしたり顔

八月の空日本を許さない
  ーまたあの日が来た。私たちは決して忘れない…。(2009/08/27)
刑務所に資本の矛盾ふきだまり
  ー制度も経済も政治も、あらゆるものが行き詰まり、断末魔の悲鳴が聞こえる・・・(2009/07/12)
絶望の深さへ希望降りてゆく
  ー働いて、働いて、たったひとりの酒の向こうに明日を視る・・・(2009/07/05)
政治史に名前を残す愚者の群れ
  ー右往左往の自民党。本人も何をやっているのか、わからないのでは・・・(2009/06/28)
迷言と迷走でゆく政治劇
ーこの政治、なんとかならないか・・・(2009/06/21)
冤罪という字覚えてからの道
ーわが身と重ねて、あらためて冤罪の怖さを知る…(2009/06/11)
貧乏人貧乏だけは世襲する
  ー世襲という格差が、格差を拡大する。自民党の誰が、金王朝を非難できるのか・・・(2009/06/07)
裁判員死刑のロープ持たされる
  ー裁判員制度が始まった。あまりの矛盾に裁く側も裁かれる側も・・・(2009/06/02)
どうやって食うかと小銭握り締め
  ー昼も夜の働かねば食えない時代。新宿・歌舞伎町のバーで深夜勤務バーテンを1人募集したら150人が集まった。知り合いの若い衆に聞いた話。(2009/05/24)
疲れてる朝と疲れきる夜と
  ー自殺が、鬱が、殺しが、増え続ける列島に生きて…(2009/05/20)
矢面に立って風さえ真正面
  ー朝日歌壇、ホームレス歌人の心、思いつつ…(2009/05/08)
二転三転四転五転それが人生だと思う
  ー年度末の派遣村。それぞれの人生が集まる・・・(2009/04/05)
与野党というこの程度あの程度
  ーいったい何をやってんだか・・・(2009/03/22)
戦いに伏兵がいるややこしさ
  ー永田町の闇深し、特捜が「国家」の名において何を裁くのか・・・(2009/03/08)
日本を捨てて在日日本人
  ーこの世に疲れ果て、さりとてこの世を捨てられない、ならば世直しか・・・(2009/03/01)
公園の鳩すら生活難を知る
  ー職を追われ、住まいを追われ、腹をすかせて、公園のベンチで頭を抱える日々。鳩とも顔なじみに・・・(2009/02/22)
かんぽの宿カンパの宿と読めてくる
  ーこの十数年、権力からのカンパで肥え太った政商たちの群れ。腐臭ただようこの列島をどうする・・・。(2009/02/15)
オバマから視えるオバカなかの首相
  ーもうすぐ春です。なにかいいことありませんかネェ・・・(2009/02/01)
日本に生きる不幸に満ちて初春
年ー明け派遣村にも正月が来て…(2009/01/18)
良い年が来る訳もなく年の暮れ
  ー今年もひどかったが、来年はもっとひどいそうな・・・(2008/12/28)
倒産へすでに傾く日本国
  ー明日はいったいどうなるのだろう・・・(2008/12/21)
倒産へすでに傾く日本国
  ーこれがこの国の形…(2008/12/07)
生から視える日本のこの程度
  ー権力は踏襲(フシュウと呼んだ権力者がいた)され、フシュウ(腐臭)する・・・(2008/11/30)
秋灯心の傷の幾山河
  ー秋が終わり木枯らしが吹く、わが心に列島に日本に・・・(2008/11/23)
踏襲をふしゅうと読んで腐臭する
  ーこの人、英語は得意なんだそうだけど・・・(2008/11/17)
カップめんそはいくらかと首相聞き
  ー政治の軽さが言葉の軽さと重なって…(2008/11/09)
秋深し危機も破局もより深し
  ー世界大乱!この先に私たちは何を見るのか・・・(2008/11/02)
資本主義の終わりを告げて資本主義
  ー今になって市場主義や規制緩和は間違っていましたといわれても・・・(2008/10/26)
疲れ果て必死の明日を紡ぎ出す
  ー社会が壊れ、人が壊れいくなかで・・・(2008/10/19)
資本主義超えよと資本の世が悶え
  ーいま問われているのは資本主義そのものかもしれない、政治も人も世のなかも壊れゆく・・・(2008/10/12)
人権という語空々しく政治
  ー政治に絶望し、生きることに疲れ、それでもー(2008/10/05)
政治家の軽さにツケの重い国
  ー自民党総裁選の空騒ぎにうんざりして-(2008/09/18)
器ではない器ばかりの永田町
  ー福田首相の突然の辞任表明に―(2008/09/05)
この世こそ地獄と蟹工船が売れ

 川柳作家にして中高年ワーキングプアー、乱鬼龍の折々の作品から何首かを選び、お送りする。政治、社会の風刺にとどまらず、現代社会の中で不安にさいなまれ、揺れ動く個人の内面に分け入った作品は、読むものの心に迫るものがある。(大野和興)(2008/08/26)ー後半の部分はー