詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩  可憐な花梨 (推敲形)

2011年09月17日 | 
まん丸い梨より
でこぼこでざらざらで
ひとつとして同じものがない
西洋梨の方がずっと大好き

中学校からの帰りには
道にはみ出した梨をもいで
皮ごと齧りつくのが毎日の日課

ある日の午後
「こら!」と追いかけられて
もう大丈夫だろと後ろを振り向いたら
目を吊り上げたおっさんの顔がすぐ後ろに
それに懲りて盗み食いは止めてしまった

「お前もなまら垢抜けてしまったな・・」と
店先の洒落たラ・フランスを見つめては
ふっと呟いているのに気づく

昨日の森の奥から採ってきて
部屋中に置いた花梨は
馥郁とふるさとの夕べの香り
色も不ぞろいで
虫に食われて泣きはらしたような奴さえいる

天国のきみにも
この香りが届くようにと
きみが微笑んでる写真の前にも可憐な花梨をひとつ

そろそろ
落ち葉に埋もれた原野の片隅の
きみのお墓の天辺にも
まっさらな雪が ふわふわ
舞いはじめる季節がやってくる

 注:香りがよく消臭剤代わりになると聞いて山から採ってきた後、ネット検索したら・・風邪や喉にも良いと言うので、花梨の焼酎漬け酒を一度作ったことがある。◆『カリン酒の作り方』はー「ここ」

古い詩 「この国はとっくに死んでいる」「国民葬送国家日本」

2011年09月17日 | 
    この国はとっくに死んでいる

いつの間にか
現実のがどんどん悪夢を追い抜いてゆく

誰もが玉突きの玉みたいに
あっちこっちへ小突き回される
怪我や病気や災害にでも遭遇した日には
暗い暗い隅の穴倉へと
放りこまれてしまって1巻の終り

大企業では
社員に断りなく掛けた団体生命保険で
過労死や自殺や事故死へと追い込まれる社員たち
その後に濡れ手で粟の数億円の保険金を手にした企業幹部たちが
ドンチャン騒ぎでの高笑い
「とうとうあの馬鹿野郎もくたばりやがったか!」

世界一の債権を持つ大金持ちのこの国が
先進国の中では最も自殺者の多い国となり
もう十数年間もの間
毎年ひとつの市の住民が命を絶ってゆくというとんでもない国
もうじきアメリカを追い越して
世界一の貧富差の多い国になるのも真近かだ

世界一働くのが好きだった優しい羊のような国民が
こつこつと額に汗して貯めた財産が
官僚やその天下り先の外資系が七割の企業官僚のポケットマネーと化し
世界中を侵略戦争で破壊途上の米国へと貢ぐために
日々刻々奪われつづける
彼らのしもべの政治屋とマスコミの援護射撃によって

国民共有財産のほとんどは いまや
国鉄も電電公社も煙草も郵便局も高速道路も
国立大学や年金・医療制度や国有地さえもがいまや
天下り官僚や大企業や政治屋たちに強奪
世界一貧弱になってしまった社会福祉や教育や医療
公的インフラやセイフテイヘットは残骸だらけとなり
年金保険運用や外国為替は知るのが恐ろしくなるほどの株運用等での膨大な赤字
(それを株等の博打で運用する官僚は絶対にその総額を発表しない)

さらにぼくらをもっともっと
貧しくするための陰謀をめぐらす
米国や官僚や経団連や政治屋たち
農薬や毒物だらけの学校給食では
管理教育やゆとり教育に隠れた人体実験と列島国民の劣等化
内部留保と高額役員報酬と株主優待しか考えない
大企業の非正規化や突然の解雇で
若者たちはますます心身ともに破壊されてゆく
その最後に待っているのは
環境破壊と安全な食料破壊の原発事故

属国属領の実験動物にされてゆく哀れな日本人よ
権力の犬のマスコミが日々垂れ流す
奴隷の教えに耳をかすのはもう止めるべき時代だ

一流大学出の若者たちでさえも
その半分以上が正社員になれずに
なったとしてもいつ解雇されるかもしれないという
人権など無視された理不尽な労働が待っている社会
(一年間のセクハラ相談だけでも一万数千件)
若者の大半がいずれは非正規社員にならざる得ないという社会で
いったいどこの誰が どのように
正気で生きてゆくことができるのか

この国はとっくに死んでいる
新しく作り直すためには
日本社会に網の目よりも密に張りめぐらされた利権や特権
政官財の閨閥化で腐りきった世界を破壊するしかない
そこからしか新しい未来は一歩も始まらない


    国民葬送国家日本

国民の税金や共有財産を
掠め取ることや
アメリカに貢ぐことしか頭になかった
この国の政官財の壮大なバベルの塔も
いよいよ完成の時を迎えつつある

狡猾な奴らのやり口はいつも同じ
特別予算ではせっせと各省庁が税金を隠匿し
「国民」の借金が多いので消費税や税的負担増が必要だという厚かましさ
「国民」の借金ではなく
「政府」を傘に着てお前たちが懐に入れた借金にすぎない

大企業にいたっては
社員に断りなく団体生命保険をかけて
サービス残業やストレスを与えての過労死や過労自殺
数千万円の臨時収入でいつも高笑いの接待宴会に接待ゴルフ

かなり前に読んだSF「斎藤家の核弾頭」(篠田節子)にも
そう遠くないこの国の
似たような未来の話があって
ランク付けされた国民背番号の下位の人間から
臓器移植や人体実験や食料へと
順番に抹殺されてゆく
まるで映画の「ソイレントグリーン」みたいな未来社会

そこでは 俺みたいに
学歴も社会に役立つ才能もないという烙印を押された自称詩人の類の人間が
反社会的という烙印を押されて
データー収集や管理用のマイクロチップを
体内に埋め込まれて 監視カメラだらけの
原発跡地や公害跡地・災害跡地へと追いやられる

そこで
遺伝子変異等の実験データーを十分に採取された後は
めでたく勤めを終えて
臓器移植や食料のために抹殺される
めでたし めでたし
その場所の放射能やらの安全値が確認された後に
税金ネコババに目の血走った政官財支配層の
日本低国株式会社の偉いさんたちの
豪邸がにょきにょきと建ち並ぶ」