
『たんぽぽ舎 : 地震と原発事故情報186~原因者負担の原則により原発を撲滅しよう!』は読み応えのある記事満載。
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★3.原因者負担の原則により原発を撲滅しよう!―9.19の感想と今後の方向( 中村泰子)
3.11以後、人々の意識は、「原発いらない」「政府に騙された」「私たちはバカにされている」と気付き、自ら声をあげ、共同して行動しようと変化してきた。明治公園で行われた9.19「さよなら原発1000万人アクション」集会とデモへの6万人の結集は、その表れだと思う。原水禁系と原水協系が、積年の対立を超えて初めて「脱原発」で合流したことを、今後の共闘の第一歩としてほしい。変わらないのは、政府・財界の意識だ。事故によって原発のウソがこれほど実証されても、平気で開き直り、新たなごまかしで押し通してくる。国庫と情報を握っているので、これまでどおり、いかようにも操作できると踏んでいるのだろう。
例えば、政府は4月13日に電源三法交付金の交付規則をこっそり変えていた(東京新聞8.17)。
(1)今後原発の新設・増設を受け入れた自治体への交付金増額
(2)既設の原発では、発電実績に応じた交付金とする。発電しなければ交付しない(これまでは発電ゼロでも交付金がもらえた)。つまり、定期検査後再稼働しないと交付金が出ない。露骨なアメとムチ政策だ。また、原子力損害賠償支援機構法という東電利害関係者救済のための悪法が8月3日に成立した。
被害者への損害賠償資金という名目で、支援機構が東電に資金援助する(すなわち東電は延命する)。そのお金は電気料金に上乗せして徴収する、必要に応じて税金も投入できるというものだ。福島第一原発事故の賠償は、まず東電が全有価資産を売却して、原子力損害賠償法が定める「無限責任」を果たすべきだ。また、国は原発推進政策の責任をとって、謝罪の上、危険・有害・金食い虫ですでに破綻している原発・核燃料サイクル政策をさっさと撤回すべきだ。そして、そのための予算、積立金をすべて吐き出し、原子力関連天下り機構を解体して資金を作り、賠償原資とすべきである(数十兆円になるはず)。原発利権関係者のための国策だから、利権関係者が負担すべきで、税金や電力料金という形で国民に負担を課すのは、筋違いもはなはだしい。聖域化されている原子力関連予算・積立金を賠償、事故収束のための原資とさせることが、原発の資金源を断つことであり、廃絶につながる。原因者負担の原則を徹底して守らせる運動を強めよう!
★5.福島原発 遮水璧をまず原発陸側に、一刻も早く造れ 地下水流入、海への汚染を元から絶て―海洋汚染で提言
○福島第一原発から汚染水が海に流出している問題で、地下水などの専門家が「原発周辺の陸上部分に、一刻も早く地下水の流入をせき止める壁を造ることが先決」と緊急提言している。海側に遮水璧を設置するより低コストで、時間もかからないという。「海への汚染を元から絶つ」提言とは―。
○「台風などで雨の多い季節。対策は待ったなしだ」と話すのは、雨水利用に詳しい東邦大客員教授の村瀬誠氏(62)と、土壌や地下水の汚染対策の会社を経営する鈴木喜計氏(60)。かつて二人はともに自治体職員として、工場の有害物質による土壌・地下水汚染問題に取り組む中で知り合った。(中略)
○東京電力も事故収束に向けた工程表の中で、地下水流入と汚染水流出対策として年内にも「鋼管(鋼矢板)を打ち込んで、原発周辺をぐるりと囲う遮水璧」を造る工事を始めるとしている。しかし、両氏は「工事の難しい海側まで囲わなくても、まずは原発周辺の内陸側をコの字形に三方を囲む壁を造るだけで応急処置になる」と提案する。具体的には、水を通しにくい泥の層までは五メートル程度とされる。その下の深さまで鋼矢板を一キロ弱の壁状に打ち込む。「海側にまで壁を造るより、はるかに安くあがる。予算は一千億円ともされるが、半分程度で済む」と研究に参加する土木の専門家は指摘する。(中略)
○鈴木、村瀬の両氏は「放射性物質は海で薄まっても、食物連鎖で魚介類に濃縮され、人の口に入る」とし、こう訴えた。「汚染水をタンクに貯蔵するなどのやり方で、年間一五00ミリにもなる福島の降雨と闘うのは荒唐無稽。それより内陸側からの地下水を元から遮断すべきだ」(2011.0927.東京新聞より)
★6.海水汚染 東電推定より早い日時に海へ放射能電力中央研解析 3月26日から、と発表流出量も3倍以上。またも東電の過小・ウソ発表が明らかに 東京電力福島第一原発事故で発生したセシウム137などの放射性物質を含む汚染水は、三月二十六日に海への流出が始まり、四月中旬ごろまで原発近くの沿岸に高濃度でとどまった後、海の渦に流されて拡散したとの解析結果を、電力中央研究所の津旨大輔上席研究員らが二十五日までにまとめた。 東電は「流出は四月一日から」としているが、もっと早い段階から汚染水が漏れていた可能性が出てきた。また津旨研究員らは海への流出量を三五00テラベクレル(テラは一兆)と推計、東電発表の三倍以上となった。(中略)
解析結果は二十六日から福岡県春日市で開かれる日本海洋学会で発表する。※汚染水 3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発事故で、原子炉へ注入した水が漏れるなどし、建屋や立て坑にたまった放射性物質を含む水。
4~5月に高濃度汚染水の海への流出が2回見つかったほか、移送先確保のため比較的低濃度を1回、意図的に放出した。電力中央研究所の津旨大輔上席研究員らは、これまでに海に流出した汚染水中のセシウム137の総量は3500テラベクレル(テラは一兆)に上ると推計。この数値は過去の大気圏核実験で海に降下した総量よりは少ない。(2011.0926. 東京新聞より抜粋)。