詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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底割れ安倍政権に立ち向かう言葉を探せ~高村薫さん、青木理さん

2020年03月17日 | 犯罪
底割れ安倍政権に立ち向かう言葉を探せ~高村薫さん、青木理さん
     林田英明

 すべてを言い表している集会タイトルである。「モリ・カケ・サクラ…政治の〝底割れ〟と社会の〝劣化〟」。森友学園、加計学園、桜を見る会と、安倍晋三首相が深く関与しているとしか思えない疑獄がもたらす政治腐敗は底が抜けている。2月22日、大阪府豊中市立芸術センター中ホールには定員500人を超える参加者であふれ、作家の高村薫さん、ジャーナリストの青木理さんの話に聴き入った。森友学園問題を考える会主催。

●「声が届かなくなった」慨嘆

 司会は「新聞うずみ火」の矢野宏さん。いつもの軽妙な語りで2人から日本社会の矛盾点を次々と引き出していく。

 高村さんの第一声は「声が届かなくなった」との慨嘆である。以前は漠然とながら自分は平均的な思考の持ち主だと思っていたのに、気がつくと少数派になっていたという驚きだ。21世紀に入っての小泉政権から、その思いは強くなっている。安倍政権に至って、それは決定的なのだろう、こう表現する。「私自身の言葉が宙に浮く。着地する場所がない」。以前なら社会の反応が強く得られたが、今や「モリカケ」問題にしても世の中の半数は「それがどうした」と空転する。この現実を冷静に眺める必要を高村さんは痛感する。非難や攻撃に終わるだけでは解決しない。価値観の違いを腹に収め、無視するのではなく受け止めたうえで疑問を発し続ける意義をとつとつと説く。

 青木さんは、大勢の前で話すのは苦手と言いながら言葉は流れるように止まらない。いびつなナショナリズムが強まったのが森友問題と捉え、安倍政権の本質であるネポティズム(縁故主義)をヤリ玉に挙げた。2000年代の日朝首脳会談時には韓国にいた青木さんは、拉致被害者の一部が帰国した事実を「日本外交の一つの大きな成果」と評価する。ところが「被害者全員が帰らなければダメだ」といきり立つ世論を背景に、対話路線が国賊扱いされ圧力一辺倒になっていく過程で一気に階段を駆け上がっていったのが安倍首相だと青木さんは見る。ところがどうだ。第2次以降の安倍政権7年間で動きは1ミリでもあったか。逆に青木さんが懸念するのは、戦後それまであった日本人のアジアに対する贖罪意識が拉致問題発覚で「被害者」に逆転し、鬱屈した差別主義や自国礼賛主義が噴き出した点である。それは北朝鮮にとどまらず嫌韓嫌中へと一気に加速し、青木さんは怖さを覚える。キャスターとして冷静に韓国を語ろうとしても「韓国擁護が許せない」と過熱する視聴者も少なくなく、青木さんは今やネット社会では「反日極左」に分類されていると苦笑した。「ネトウヨの連中」と口を滑らせると抗議が来るので局から「ネトウヨの皆さん」と言うように求められているといって会場の爆笑を呼んだが、単純に笑うわけにはいかない気もした。

●「法治」の崩壊は独裁へ向かう

 集会の3日前に森友学園を巡る補助金詐欺事件の判決が大阪地裁であり、前学園理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告に有罪判決が下された。だが、事の本質は小学校建設を巡る不透明な国有地取引。それは何ら解明されていない。小学校の名誉校長に一時就いていた安倍首相の妻昭恵氏の関与はどうだったのか。「気持ち悪さだけ残った」と高村さんは言う。

 森友問題を取材していない青木さんは印象論として断りつつ、国有地売却に関連して学園との取引に関する交渉記録が廃棄されたり決裁文書が改ざんされたりした実態を「政治主導で根腐れ」と表現した。黒川弘務・東京高検検事長の〝定年延長〟を1月31日に閣議決定し、つじつまが合わなくなると法解釈を変える露骨なトップ人事介入も含め「法治」の崩壊を青木さんは強く警告する。そして、官僚機構が修復不可能になって後悔する日がくるだろうと予見する。

 高村さんも呼応した。「新聞を読んで目が点になった」と黒川氏の人事にあきれつつも、常識と非常識が逆転した世の中で今は阻止する力がなく「絶望的な状況の中に私たちは立っている」と率直に語った。

 青木さんは同意を示したうえで、検察イコール正義という図式にも疑問を呈する。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で秋元司衆院議員は昨年末逮捕されたが、建設会社からの金銭授受疑惑の甘利明衆院議員は経済再生担当相を辞任するだけで4年前に逃げ切っている。それ以上の言及はなかったが、青木さんには恣意的な判断を感じるのだろう。人間というものは不完全な生き物ゆえ、権力という悪を互いに牽制し合う三権分立の意義を再確認するのも危機感の裏返しである。このまま行政府の長が立法も司法も完全に手に入れれば独裁だ。

●「警察は権力好きの奇妙な組織」

 矢部さんが警察人事についても話題に上せた。中村格(いたる)氏である。山口敬之氏の伊藤詩織さんに対する準強姦容疑の逮捕状を握りつぶしたとされる当時の警視庁刑事部長。1月の人事で警察庁次長に昇進、トップの警察庁長官も目前である。菅義偉官房長官の秘書官も経験している人物だ。山口氏は元TBSの報道記者で『総理』といった著書もある安倍首相に極めて近いジャーナリストである。どうせ読むなら一部始終をつづった伊藤さんの『ブラックボックス』のほうが山口、中村両氏を知るうえで非常に興味深く、真実に近いように私は思う。

 高村さんは一度だけ警察庁に入ったことがある。当時の刑事局長に会って「権力大好きの、とても奇妙な組織」だと悟った。上意下達だから、自分の頭で考え、判断しないように感じたのだろうか、エリート意識が透けて見え、安倍政権に重用されることを喜んでいるように映った。だから「与えられる権力を使うことに特化している彼らに正義を期待するのは無理」と言い切る。現場で汗をかく市民警察官と、警察幹部は乖離した存在なのかもしれないと、高村さんの感想を聞いて思った。

 青木さんは1990年代に警察を取材しているが、『日本の公安警察』などの著書もあるように内部を暴いたために〝追放〟されたと軽く笑う。同じジャーナリストを名乗っていても山口氏とは全く違う道を歩んでいる。警察は機動隊も有する30万人近い組織であり、逮捕もできる「暴力装置」の側面を青木さんは押さえつつ、それよりも怖いのは全国津々浦々張り巡らされた情報網だと言う。だからこそ、そこに政治が手を突っ込むのは危険だと繰り返すのだった。

●「おかしいことはおかしい」と

 メディアの状況はどうなのだろう。高村さんは、政権の応援団と、それに反対するメディアの両翼とも言葉が社会に届いていないと見る。新聞も読まず、人の話も聞かない、国会にも無関心な層は言葉を聞き流す。だが、日本がこのまま安泰であるはずはなく、想起される経済破綻が訪れれば「いやが応でも納得する言葉を探しに行く。そこまで行かないと言葉を取り戻せない」と先を見つめる。絶望の果てに光を求めようとしているのだろうか。

 青木さんは、メディア批判をすれば自分に降りかかることを理解したうえで、それでも「大事にしているのは国益です」と言い切るメディアの人間にはあきれ果てる。社会益や公益なら理解できるが、国益を持ち出せばメディアは死ぬと考える。「調査・情報収集」目的で海上自衛隊の護衛艦が2月に中東に派遣された際、PKO(国連平和維持活動)を初めて派遣するに当たっての大議論など全くの昔話で〝スムーズ〟に進んだ。青木さんは「半ばイヤミ、半ば本気」と言いながら安倍首相の続投を願う。アベノミクス、少子化、男女不平等など数々の失敗の責任を取らないまま退場する理不尽に怒りが収まらないようだ。「半分ぐらいケツを拭いてから消えてくれ」と少々下品な表現を用いた。

 2人は「カタストロフィー(大惨事)」を危惧している。到来すれば、社会的に弱い層へシワ寄せが行くことが目に見えている。いま生きている世代は戦争や大震災を体験しているだけに切実だ。『サンデー毎日』でそれぞれ連載を持つ2人の時評は、この日の話同様、時にニヒリズムに襲われながら、しかしカタストロフィーが来ないよう「おかしいことはおかしい」と述べる点で一貫している。口調の強さで国語力の乏しさを覆い隠す安倍首相とは異なり、時に言いよどみながら言葉を選び抜くしんどい作業を逃げずに続ける表現者の姿勢は、聞く者に勇気を与えてくれる。

9条改憲阻止の会 : 新型コロナウイルスはどう落ち着くのか? 加藤茂孝

2020年03月17日 | 犯罪
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9条改憲阻止の会 メール通信 20200315
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<特集>新感染症対策からはじまるファシズム
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 3月14日午後6時半からアカデミー文京において新幹線賞口実の非常時体
制を問う緊急討論集会と題して、緊急事態条項を含む新インフルエンザ特別措
置法の検討を軸に、新コロナウィルスの現状とその対策と政府による対応につ
いて批判を加えました。メール通信の特集として、この緊急討論会で配布され
た資料を紹介していきます。
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新型コロナウイルスはどう落ち着くのか? 加藤 茂孝
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加藤 茂孝さんのプロフィール
1942年生まれ、三重県出身。東京大学理学部卒業、理学博士。国立感染症
研究所室長、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員、理化学研究所チー
ムリーダーを歴任。専門はウイルス学、特に風疹ウイルス、麻疹・風疹ワクチ
ン。妊娠中の胎児の風疹感染を風疹ウイルス遺伝子で検査する方法を開発。主
要著書:『人類と感染症の歴史』(2013年・丸善出版)『続・人類と感染症の
歴史』(2018年・丸善出版)

 2019年12月に中国湖北省武漢から始まった新型コロナウイルス感染症は、
2020年2月10日段階で、感染者が4万人を超え、911人の死亡者が出ており、まだ
終息の気配が見えない。
 2002年に発生し、2003年に世界に拡散し世界経済にも大きな影響を与えた
SARSに比べても感染者数、死亡者数は多くなった。
 早い段階でウイルスが分離され、それはコロナウイルスであり遺伝子配列か
らSARSウイルスに近く、コウモリ由来であろうと推測された。臨床像以外にウ
イルス遺伝子を検出するPCRで確定診断が行われている。2003年に比べて技術的
進歩は画期的である。
 コロナウイルスというのは、電子顕微鏡で見たウイルスの形が、太陽のコロ
ナに似ているから付いた名前である。
 今後の感染拡大の帰結が分からないので決定的なことは言えないが、いくつ
か分かっていることがある。

(1)ヒト・コロナウイルスの中での位置付け

人に感染するコロナウイルスとしては7番目の発見であり、その内1-4番は通
常の風邪症状を示すウイルスに過ぎない。その後、SARSとMERSが見つかり病原
性の高いヒト・コロナウイルスがあることが分かった。今回の新型は、病原性
で言えば、両者の中間であろうと思われ、極めて楽観的に推測すれば、来年以
降は通常の風邪コロナウイルスの5番目として落ち着くかもしれない。河北省
以外の中国内での死亡率は、今のところ0.2%と低いのがその一つの根拠である。

(2)なぜ、武漢市では死亡率が高いのか?

これは初期対応の失敗が一つの原因と思われる。感染症対策は、偏に「早期発
見・早期対処」に尽きる。12月時点で、通常の肺炎とは違うので、要注意とい
う指摘をした医師の発言を、市・省・国家のいずれかが経済的な損失などをお
それて抑えた事が被害を拡大させた。SARSの場合と同じことが起きた。しかも、
人口の増大や、人の移動の規模がわずか17年で各段に大きくなっている。

(3)第二の原因は、大量の患者が一度に発生した時の医療インフラが追い付
かなかった事

 非流行時にこそ医療インフラの整備、医療従事者の訓練、備品
の補充システムなどの確立をしておかないと、流行時では時間的に間に合わな
い。初期に正確な情報発信をして早期に対処しておけば、患者の殺到をもっと
緩やかにできたはずであり、患者への適切な医療措置ができ、救命率も上がっ
たと思われる。患者の殺到ピークをなだらかにする対策こそが重要になってく
る。

(4)死亡者の特徴

多くは、高齢者で且つ基礎疾患(糖尿病、高血圧、肝臓疾患、腎臓疾患など)
のある人である。加齢と基礎疾患は、免疫力を低下させる大きな原因である。
免疫力低下者が感染症で死亡しやすいのは、インフルエンザなど他の感染症で
も同じである。インフルエンザは、推計では0.1%程度が死亡する。つまり
1000万人の患者が出ると1万人の死亡者が出ている。実際にそのほとんどは、
免疫低下した高齢者である。まだ予断を許さないが、新型コロナウイルスは通
常のインフルエンザによる健康被害よりも低い可能性がある。

(5)武漢隔離の効果

中国政府は武漢を隔離した。WHOがSARS発生の場合に不急の人の渡航自粛勧告で
抑えた教訓に則っている。これはSARSのみならず、ペスト流行以来の感染症に
対する古典的で基本的な対策である。ただ、隔離実施が、遅かったのではない
かという疑問が残る。隔離実施前に半数が武漢を後にしているという報道があ
るからである。

(6)人類と感染症

新型コロナウイルスが一段落した後も、人類の生存が続く限り新興感染症は出
てくる。人類と動物とは人類の発生以来共存しているが、資源開発、人口の増
加、航空機の発達、経済活動の増加など動物居住地域と人との接触機会がます
ます高まり、新興感染症出現の可能性は消えない。つまり、「常に備えよ」で
ある。人類のリスクマネイジメントとして、温暖化防止、核兵器根絶と同じよ
うに、感染症対策は極めて重要である。その意味からも、新型コロナウイルス
へ賢く、冷静に対応しなくてはならない。

(7)不安感情の最小化

人間の行動の基盤は、理性ではなく感情であり、その中でも不安感情に動かさ
れやすく、そのコントロールは大変難しい。感染症対策も、過去の歴史に学び、
知識を積み上げてうまく備えて対応し、不安感情を減らす以外に成功し得ない。
そのためには正確で信頼すべき情報を発信し続けて行くことが基本であり大切
である。情報不足こそが人々の不安を掻き立てるからである。

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次回以降掲載予定 
 ・今はどんな段階なのか?新型コロナウイルスについて(加藤 茂孝)
 ・コロナ危機に便乗、改革に布石
   安倍政権の新型インフルエンザ特別措置法「改正」(酒井 雅已)
 ・新型コロナウイルス・その現状と対策(大賀 英二)
 ・新コロナウィルス対策口実の非常時体制を許さない (原 秀介)
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日本でも医療崩壊が始まっている - トリアージを静かに示唆する愛知県 世に倦む日日

2020年03月17日 | 犯罪
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先週、毎日のように愛知県で新型コロナウィルスによる死亡者の発表が相次いだ。10日に2人、11日に2人、12日に3人、13日に2人、14日に1人、15日に1人。愛知県の死者は全国で最も多い12人となり、国内の死者数31人のうち4割弱を占める結果となっている。

愛知県の感染者数は121人(3/15)なので、致死率9.9%という驚異的な高さとなる。この数字はイタリアの致死率7.3%を上回る。この恐るべき現実に焦点を当てるマスコミ報道がなく、なぜ愛知県がかくも致死率が高いのか議論が起きない。不思議なことだ。誰も言わないから先に指摘しておこう。愛知県は真面目に正直に対処しているのだ。全国に先駆けてトリアージを行っているのである。非情なトリアージを粛々と断行し、別の重症者の治療のために順番にICUを空けている。そこまで事態は過酷に追い詰められているのだ。日本は検査してないから可視化されないだけで、状況の深刻度はイタリアと変わらない。


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愛知県・名古屋市は言挙げせず、トリアージをトリアージと言わず、冷徹に、救命余地のない重患高齢者への治療を断念しているのである。少しでも救命確率の高い者を集中治療室に入れるため、名古屋市周辺の病院の医療崩壊を防ぐため。われわれは、物言わぬ愛知県のメッセージを厳粛に受け止めるべきだろう。

愛知県の死亡者の急増は決して偶然ではなく、全国の感染症指定医療機関がキャパオーバーの状態にあり、ICUの資源を確保するためトリアージ発動の段階に至っていることを、愛知県は暗黙裏に行動で示唆しているのである。おそらく、和歌山県の野尻孝子のような実務のリーダーがいて、現場(健康福祉局・保健医療局)で采配しているのだろう。無論、人の命に関わることだから、一人一人の判断について最高責任者である河村たかし・大村秀章の承認プロセスが入っていることは疑えない。和歌山も、愛知も、知事が政府から相対的に独立した権力位置にあるため、かく独自の保健行政が推進できるのだろう。


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愛知県では死者12人が出て、日本国内の死者の4割を占めたが、この「異常」についてマスコミは騒がない。知らんぷりしている。意味を説明しない。見て見ぬふりをし、私のような無名の評論家に提起させ、それに対してランサーズ右翼工作員に「デマだ、陰謀論だあ」と攻撃を浴びせさせ、そうした底辺の匿名ネット言論の悶着を通じて、大衆に薄々の事情察知を浸透させ、既成事実化させている。日本らしい。日本らしい説明と納得の政治図だ。

だが、いずれにしても、先週からの愛知県での異常な死亡者急増について、科学的で合理的な理由を探索するならば、日本でのトリアージの開始という厳しい結論と推理を仮説として考えるしかない。では、それでは、東京や神奈川はなぜ死亡者が少ないのか。その真相についても見当をつける必要がある。仮説を与えないといけない。それは、おそらく「ただの肺炎死」として処理されているということだ。検査しなければ、コロナに感染した死亡者とは認定されず、数に計上されない。


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先週13日の報ステに出演した横浜市立病院の立川夏夫は、PCR検査を「帰国者・接触者外来」が増やせないのは、入院患者のキャパの問題があり、収容できる病床数に限界があるからだと解説していた。この説明づけは納得できるものだ。立川夏夫には御用医師の影や臭いがなく、臨床医師として言葉が信用できる。

クルーズ船から予定外の大量の感染者を受け入れてしまった首都圏の病院は、病床が満杯で、重症化した患者がICUを埋めている現状にある。その中には人工呼吸器を装着した外国人が多数いる。ここから先は私見による推測だが、クルーズ船から運び込まれた米国人重症者は、愛知県のように冷徹にトリアージの対象にすることができないのである。国際問題になる可能性がある。米国のマスコミが騒ぐし、微妙になっている東京五輪開催の世論に影響する。現時点(3/16)で、トランプはまだ日本からの入国に禁止措置を発令していない。しかし、米国人の乗船客から死者続出となると、米国内の世論の波紋は小さく収まることはあるまい。


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誰よりも東京五輪開催に執着している小池百合子は、頑としてPCR検査の拡充は阻止するのであり、東京でのPCR検査数を増やさず、東京での感染者を出さず、東京での重症者と死者を出さないと決意している。そのため、隠蔽に徹している。だから、東京都の感染者は愛知県の4分の3の81人(3/15)しかなく、東京都の「相談センター」に電話した者の99%が検査を拒絶されているのだ。

都に住む庶民は検査から隔絶され、病院をたらい回しされている。検査をしなければ感染者は増えない。死者も増えない。当然のことだ。注目すべきは、愛知県の死者12人(3/15)のうち、8日の1人、10日の1人、11日の1人の3人が、死後の検査と診断でウィルス感染が確認されている事実である。愛知県は、肺炎以外の死亡者でもコロナ感染を疑って検査している点が特徴であり、感染実態の正確な把握に前向きだ。死亡者を隠さず出すリアリズムと相俟って、他の都府県と比較して透明性の高い対応が窺える。科学的態度が看取され、隠蔽しない姿勢に好感が持てる。


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東京都では、2月1日から3月10までの間に、1万9496件の電話相談を受け、その中で僅か216件だけがPCR検査に繋げられている。1%だけが検査に拾われ、99%が門前払いで切り捨てられた。告発がありながらも、ずっとそれが続いている。

この問題は、和歌山県の25条の理念に即した検査実施行政と比較され、先週のマスコミ報道の最大の関心事となり話題となったが、マスコミは和歌山県を評価したけれど、東京都の人権蹂躙を批判することはやらない。何より重要な問題として考えなければいけないのは、電話相談で保健所にガチャ切りされた99%、1万9280人の中にどれほど本当の感染者がいるかという点である。「相談センター」に電話が繋がるまで2時間を要する。そこまで苦労して電話するのは、よほど症状に自覚があり不安があるからだ。冷やかしではできない。東京都は99%を拒否し、大阪府は98%を拒否してきた。これらの市民については検査対象とせず、市中を自由に行動させている。当然、この中に含まれているはずの相当数の感染者が、街の密閉空間でウィルスを拡散しているだろう。


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政府と専門家会議は、絞った検査体制での感染者数を実数として捉え、それを前提にして現状を判断し対策を考えている。欧州諸国と比べても、とにかく圧倒的に検査数が少ない。したがって、日本の感染者数は客観的に信用できるデータではなく、検査から漏れた感染者が数多く市中にいて、半ば自然治癒し、半ば感染を連鎖拡大して現在に至っている

愛知県の数はある程度信用できるが、東京都と首都圏各県と大阪府の数は全く信用できない。東京都の実際の感染者は10倍いるだろうし、日本全体での感染者数も発表値の10倍はいるだろう。問題は、こうして隠蔽され無視された感染者が後々どう影響するかということである。ランサーズ右翼工作員によれば、別に構わないじゃないかという意見になり、その方がイタリアのような医療崩壊を引き起こさず、社会経済活動をフリーズさせず、国民全体が自然に感染しながら抗体を作って凌いで行けるではないかという見方になる。そういう無検査・無医療を積極容認する放置主義の考え方もあるだろう。だが、その政策は、内実としては貧困な途上国の現実と同じだ。


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結局、呼吸困難に陥った重症者が次々と救急病院に運び込まれ、呼吸器不足で治療もされないまま死体となるだけだ。果たして、それでいいのだろうか。それを日本の対策として認め選ぶべきだろうか。ウィルスはヒトを選ばない。国を選ばず、民族を選ばない。日本が韓国の10分の1の感染者数などあり得ない。実際のところ、事実として、日本政府は無検査・無医療の自然放置を「対策」に選んで進めている。

安倍政権は、国民の自助(自己責任)を「対策」の主軸に据えている。他の諸国のようにPCR検査体制を拡充せず、ドライブスルー検査方式を実施しない。病床や隔離施設を増やして手を尽くそうとしていない。愛知県が静かに可視化した日本の「対策」の姿は、重症高齢者がICUに入って数日でトリアージされて死体になる図である。日本は韓国とは真逆の中身空っぽで臨んでいる。こんな「対策」で収束ができるわけがない。政府が「終息」を宣言しても、呼吸不全となる感染者は絶えず、静かに増え続け、患者は「ただの肺炎」か別の病名で死亡診断され、闇から闇へ処理されるだけなのだ。

私は、近日中に日本でも、欧州と同じく、必ずマスコミ関係者や政治家の周辺から感染者が出ると予想する。

世に倦む日日 @yoniumuhibi 感染症は早期検査が基本だ。早ければ早いほどいい。

2020年03月17日 | 犯罪
「だからぁ、私はいつも言っているように、重症化になる前の患者さんに検査して」というのが岡田晴恵の口癖だが、誰がいつ重症になるか、どこからが重症かなんて誰が分かるんだ。基準でもあるのか。若者でも発症からすぐに重症になった例もあるぞ。感染症は早期検査が基本だ。早ければ早いほどいい。

米国の対策方針、いい感じだ。大人のプライベートな飲み会(パーティ)は禁止にして、学校はそのまま続けるとしている。子どものことを考え、リスクのバランスを考えた上で教育重視の姿勢で臨んでいる。日本は逆だよね。暇になった子どもまで盛り場のカラオケに繰り出している。わけが分からない国だ。

検査を惜しむ必要はない。「検査の資源が限られているから」とか、全く無意味な議論だ。増やしゃいいだけだ。米国じゃすぐに1日10万人、20万人の検査体制を敷き、ドライブスルーで大量にさばき始めた。それが最も効果的な感染阻止の対策だから、すぐに立ち上げた。論争なんかしていない。

PCR検査論争が終わらない理由は、岡田晴恵と玉川徹に責任がある。あの番組に原因がある。「重症者を出さないための検査」だとか、曖昧なことを言っているから、いつまで経っても決着しない。軽症か重症かは医師が判断することで、検査するかどうかは本人が決めることだ。検査すりゃいいんだよ。

米国、よくやっている。危機感が強く、対策も素早い。日本とは違う。トランプやペンスは何も分かってないが、下のスタッフがよく動いている。有能だ。日本では、1か月半経ってもマスコミとネットでPCR検査論争をやっている。緊張感ゼロ。スタッフは全員、安倍晋三の方を向いて顔を見ながら仕事。

トランプの発表。「新型コロナの米国での最悪期が7月もしくは8月、さらにそれよりも遅い時期になる可能性があるとの見方を示した」。https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-guidelines-idJPKBN2133QS … 重要なニュースですね。米国は最悪期を7-8月と想定している。シビアな見方で臨んでいる。日本はどうなんだということだ。

岡田晴恵も間違ったことを言っている。自宅で隔離なんてできるわけがない。家族に感染する。越谷の6人家族が典型例だ。注意していても必ず感染する。夏になれば、窓を開けて換気なんてできない。陽性反応が出た時点で、即、施設に隔離しなきゃいけないんだよ。そのための施設を用意すればいいことだ。

安倍晋三も田村憲久も厚労省も専門家会議も、まともに検査を拡充しようなんて、これっぽっちも思ってはいない。検査をなるべく抑えて、感染者数の公表値を抑え込むのが方針だ。だから、神戸市北区の保健所が、あのクリニックの医師の検査を拒否するわけだよ。政府の方針に従って、粛々と。

玉川徹、また間違ったことを言っている。PCR検査の論争はまだ決着していない。日本ではまだ終わっていない。テレビでもネットでも、検査不要論ばかりが溢れている。安倍晋三や田村憲久の「検査を拡充する必要」は口先だけの出鱈目だ。本心じゃない。真っ赤な嘘だ。玉川徹が騙されていてどうする。

「検査は必要ない」だの「検査しすぎると有害」だの、そういう悪質なデマを飛ばす奴は逮捕しろと、そうWHOは言うべきだ。検査不要論を貫徹する日本の政府とマスコミは人類の敵だ。このままだと、世界でウィルスを駆除できても日本で残って増殖してしまう。WHOは日本を名指しで糾弾しろ。

WHO事務局長「検査、検査、検査。疑いのある患者全員を検査するよう」勧告。https://www.afpbb.com/articles/-/3273689?act=all … どうするんだよ、日本は。安倍忖度しか能のない日本のテレビ局、この記者会見は放送するんだろうな。

またも過去最大の下げ幅。NY株大暴落。2997ドルの下落。G7テレコンファレンスを嘲笑う市場の暴走自壊と垂直滑降。資本主義の最期を告げる鐘が鳴り続ける。歴史的な一日一日を目撃している。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56873660X10C20A3000000/ …

世に倦む日日 @yoniumuhibi またも過去最大の下げ幅。NY株大暴落2997ドル下落

2020年03月17日 | 犯罪
「検査は必要ない」だの「検査しすぎると有害」だの、そういう悪質なデマを飛ばす奴は逮捕しろと、そうWHOは言うべきだ。検査不要論を貫徹する日本の政府とマスコミは人類の敵だ。このままだと、世界でウィルスを駆除できても日本で残って増殖してしまう。WHOは日本を名指しで糾弾しろ。

WHO事務局長「検査、検査、検査。疑いのある患者全員を検査するよう」勧告。https://www.afpbb.com/articles/-/3273689?act=all … どうするんだよ、日本は。安倍忖度しか能のない日本のテレビ局、この記者会見は放送するんだろうな。

またも過去最大の下げ幅。NY株大暴落。2997ドルの下落。G7テレコンファレンスを嘲笑う市場の暴走自壊と垂直滑降。資本主義の最期を告げる鐘が鳴り続ける。歴史的な一日一日を目撃している。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56873660X10C20A3000000/ …

うわ、今日もまた2名の高齢者が死亡。名古屋市、よっぽど集中治療室の余裕がないんだ。あまりにキャパが無さ過ぎる。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200316/amp/k10012334341000.html … 減税日本の市長になって10年。ネオリベ政策(=聖域なき構造改革)やりまくって、市内の病院を片っ端からリストラしたんだろうか。イタリアみたいに。

「日本でも医療崩壊が始まっている - トリアージを静かに示唆する愛知県」をアップしました。https://critic20.exblog.jp/30849576/