宇宙というくくりの中で、階層があって、超銀河団・銀河団・銀河群・銀河・惑星系・恒星・惑星・惑星系内小天体のようにさまざまなスケールの天体が存在することが知られている。その中で昨年暮れにハイぺリオンという超銀河が発見され、宇宙の謎は深まるばかし!
われわれの天の川銀河系は,アンドロメダ銀河や大小のマゼラン銀河など約20個の銀河で小さな集団をつくっており,われわれにもっとも近いおとめ座銀河団は約2500個の銀河で構成されている。銀河団の大きさは数百万光年から数千万光年であるが,銀河団より上位の階層として,銀河や銀河団の集団として超銀河団の存在が確かであるらしい。
その中で、超銀河団は、ペルセウス‐うお座超銀河団,やまねこ‐おおぐま座超銀河団などいくつかの超銀河団の存在が提唱されているが,いずれも長さが数億光年の細長いチェーン状をしており,それらが銀河をほとんど含まない空虚な領域を取り囲んで,細胞(セル)あるいはハチの巣構造を示しているとされている。
長径約1億光年の扁平(へんぺい)な円盤形に多くの銀河群や銀河団が集まっている。わが銀河系を含む局部銀河群はこの超銀河団の周辺部に位置しており、その中核部には、おとめ座銀河団が存在する。その後も多数の超銀河団がみいだされる一方、銀河がほとんどない空洞領域(ボイド)の存在も知られるようになり、宇宙の泡モデル(銀河は泡の表面に分布し、泡同士のくっつきあったところが超銀河団、内部の空洞がボイドに相当する)が提唱されている。
銀河団より一回り大規模な銀河の集団体系。1950年代初期から提唱されていたその存在は、1970年代末には宇宙全域にみられる一般的構造であることが明らかにされ、超銀河団と名づけられた。
身近な例は局部超銀河団で、わが銀河系を含む局部銀河群はこの超銀河団の周辺部に位置しており、その中核部には、おとめ座銀河団が存在する。長径約1億光年の扁平(へんぺい)な円盤形に多くの銀河群や銀河団が集まっている。その後も多数の超銀河団がみいだされる一方、銀河がほとんどない空洞領域(ボイド)の存在も知られるようになり、宇宙の泡モデル(銀河は泡の表面に分布し、泡同士のくっつきあったところが超銀河団、内部の空洞がボイドに相当する)が提唱されている。
その中で、直径が2億光年、高さが10億光年という桁外れの巨大さ持つ「超銀河団」を発見され、しかも、140億年前に誕生したと言われた宇宙の誕生直後20億年に形成されたという不思議な超銀河で、研究者はハイぺリオンとなずけている
ビッグバン以降、非常に早い時期に形成された巨大な「超銀河団」を発見/Courtesy L. Calçada & Olga Cucciati/European Southern Observatory
(CNN) 国際的な天文学者のチームがこのほど、誕生からわずか20億年後の宇宙に無数の銀河が集まった「超銀河団」と呼ばれる巨大な構造が存在していたことがわかったと発表した。
これまでも地球からより近い距離では、いくつかの超銀河団が発見されていた。ただ、宇宙誕生後の非常に早い時期にこれほどの規模で形成されていた点が特異的で、宇宙がたどってきた膨大な時間を探る手掛かりとなる可能性があるという。
この超銀河団は、そのあまりの巨大さからギリシャ神話に登場する巨人にちなんで「ハイペリオン」と名付けられた。質量は太陽系を含む天の川銀河の約5000倍。構造の形状を円筒に置き換えると、底面の円の直径がおよそ2億光年、高さがおよそ5億光年の距離と、とてつもない大きさになる。
これに対し約2000億個の星で構成される天の川銀河の直径は、10万光年ほどしかない。
大きさもさることながら、ハイペリオンで特筆するべきはその古さだ。宇宙の誕生はおよそ140億年前とされるが、ハイペリオンの形成はそれから20億年後。宇宙の時間軸では、ほんの一瞬が経過したに過ぎない。
宇宙誕生から間もないころはごく小さなサイズだった個々の銀河が、その後衝突や合体を繰り返してより大きな銀河へと成長していく。それらの銀河が互いの重力で引っ張り合った結果集団を形成したのが、銀河団や超銀河団と呼ばれる構造だ。
専門家らは、ハイペリオンが宇宙誕生からわずか20億年でこれほどの大きさに成長したことに驚きを隠さない。たとえるなら、よちよち歩きの2歳の赤ん坊がいると思って保育園をのぞいたら、すでに成長した大人がそこにいたようなものだという。