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貸し出しは伸び縮小、大企業は一部で借り入れ返済の動き
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中小・零細企業は実質無利子融資などの増加が継続
日本銀行が12日に発表した9月の「貸し出し・預金動向」によると、都銀と地銀・第二地銀を合わせた預金残高の伸び率が前年比9.0%増と過去最高を更新した。日銀によると、新型コロナウイルス感染症への影響に対応した特別定額給付金の滞留と消費活動の抑制で個人預金の伸びが高まっている。
3業態を合わせた預金残高(月中平残)は793兆3629億円と過去最高。個人預金が伸びる一方、法人預金は貸し出しの増加率の鈍化を反映して伸びが一服しているという。
貸し出しも残高が過去最高を更新したが、都銀、地銀・第二地銀、信金を合わせた伸び率は同6.4%増と、前月の同6.7%増から縮小した。都銀で取引の多い大企業の一部ではコロナ対応で予防的に増やしていた借り入れを返済する動きがみられる一方、信金の取引が多い中小・零細企業では実質無利子融資などが引き続き増加していると、日銀は説明している。