ワシントン(CNN) スーパーのレジに並ぶ時間の無駄をなくすため、人工知能(AI)使ったショッピングカートの開発に、複数の米ベンチャー企業が取り組んでいる。
「スマートカート」に商品を入れると、それをカメラとセンサーがとらえ、AIが識別する。量り売りの食品などのために、カートにははかりも内蔵されている。支払いはクレジットカードを通すか、アップルペイ、グーグルペイで済ませることができる。
店を出る時に支払いが済んでいれば、カートは緑色に光る。そうでない場合は赤い光を発し、店員を呼び出す仕掛けになっている。
スマートカートを開発している企業の例として、「ビーブ」と「ケーパー」が挙げられる。
ビーブは現在、シアトル市内の店舗に数台のカートを導入して実験中。全米の大型スーパー10社のうち、2社との契約に向けて話が進んでいるという。
ケーパーはカナダとニューヨーク市内で小規模な実証実験を行っている。現時点ではAIに商品を覚えさせるために、カートにスキャナーを取り付け、買い物客が自分で商品のバーコードをかざす方式をとっている。
レジ待ち解消のアイデアとしては、米アマゾンの無人決済店舗「アマゾン・ゴー」のシステムが知られている。店舗内に設置したカメラや棚のセンサーを通してAIが買い物の内容を把握し、自動的に決済を完了する。
ケーパーのアハメド・ベシュリー共同設立者は、アマゾン・ゴー型のシステムを大型スーパーに導入するのは費用がかかりすぎると指摘する。
店内での撮影にはプライバシー侵害の懸念もつきまとうが、ベシュリー氏によればスマートカートで映るのは買い物客の手元だけなので、その心配もないという。