先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

ウィグル弾圧は、中国建国以来の漢人化政策である!?

2019年12月29日 20時32分43秒 | 日記

 

ニューズウィークの記事、『ウィグル弾圧は習近平だけの過ちではない。水谷尚子(明治大学准教授、中国現代史研究者)』によると、共産党による新疆「一体化」は今に始まったことではなく、1949年の中華人民共和国成立後、人民解放軍の新疆進攻、生産建設兵団の形成、西部大開発、ウイグル語による教育の廃止、「一帯一路」戦略そして今回のテュルク系民族強制収容......と、一体化政策は中国建国以来の政策であると説く。共産党は満人(満州族)が漢人化していったように、テュルク系ムスリムも漢人化しようと言うわけと言う。

流出したウイグル人強制収容の文書は過去にない「重要文献」 HISAKO KAWASAKI-NEWSWEEK JAPAN

<党上層部の作成した文書が流出したことによって世界的に国家主席への批判が高まっているが、ウイグル人の中国化政策は今に始まったことではない>

11月、中国共産党の新疆ウイグル自治区関連文書が大量流出した。新疆では2016年頃からウイグル人統治に関する行政文書が国外流出していたが、今回のものは党上級機関が作成した「重要文献」だ。

流出文書を公表したニューヨーク・タイムズ紙は11月中旬、「習近平(シー・チンピン)が(ウイグル人への弾圧を)容赦するなと、党幹部を対象とする非公開演説の席で述べていた」と暴露した。そして11月下旬には、国際調査報道ジャーナリスト連盟(ICIJ)が強制収容を共産党が国家政策として遂行していることを裏付ける流出文献を公開した。こうした一連の暴露によって現在、習近平国家主席への批判が世界規模で高まっている。

しかし、これまでの新疆史を見れば、共産党による新疆「一体化」は今に始まったことではなく、1人の政治家の誤りで片付けられる事柄でもない。1949年の中華人民共和国成立後、人民解放軍の新疆進攻、生産建設兵団の形成、西部大開発、ウイグル語による教育の廃止、「一帯一路」戦略そして今回のテュルク系民族強制収容......と、じわりじわりと「次の一手」を打ちつつ、一体化政策は今に至る。共産党は満人(満州族)が漢人化していったように、テュルク系ムスリムも漢人化できると思っているようだ。

新疆をどう統治していくかについては、共産党政権下でも為政者によって政策の揺れは存在した。ただ習の時代になると、チベットの弾圧に加担した陳全国(チェン・チュエングオ)が自治区党書記となり、現在のような一体化政策が大々的に遂行されていく。

旧ソ連ではいわゆる「少数民族」の出自でも党中央幹部になる者がいたが、中国共産党はウイグル人を「木偶(でく)」として扱うだけである。今月9日、自治区主席でウイグル人のショホラット・ザキルが外国人記者を前に「職業技能訓練センターの受講生は(脱過激化教育を)全員修了した」と述べたが、在日ウイグル人たちは「センター送りにされた身内からは、いまだに一切連絡がない」と語気を強める。ウイグル人政治家を傀儡として使うことも今に始まったことではない。前自治区主席のヌル・ベクリは汚職のため投獄されたが、口封じのためだったとの説もある。

新疆の一体化政策は、国内植民地の状態から実質的な中国化を実現するための綿々と続く中国共産党の戦略である。1950年代から80年代までは経済的理由からその遂行の速度が緩かっただけであり、現在の急激な変化は中国の経済力増大と密接に関係する。

文書流出の女性に殺害予告が

星の数ほどの監視カメラを各地にちりばめたウイグル人監視システム「一体化統合作戦プラットフォーム」では、2017年6月中旬からさまざまなデータが集積され、分析結果が強制連行に使われた。データは自治区党委員会の「厳重取締り・敵地攻撃戦前線指揮部」という名の機関に集積されている。その名称から共産党は新疆政策を「敵地攻撃」と位置付けていることが分かる。システムには出入国記録や在外中国大使館の情報が記され、外国籍を取得したウイグル人も「国境地帯で規制を張り、入境したら身柄を確実に確保せよ」と強制連行の対象となることが流出文書に記されている。

今回の上層部文書の流出に関わったオランダ在住のウイグル人女性は現在、オランダ警察の庇護下にあるという。文書が公開されるまでの間、彼女は「中国当局から殺害予告を受けていた」と、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に語っている。

「遅れて来た帝国主義国家」の民族浄化を、外国人であるわれわれはどうやったら止めることができるのだろう。


NASAの火星探査機インサイト、これも凄い! 火星にコロニーが目的?

2019年12月28日 21時30分57秒 | 日記

 

NationalGeographicが、『火星に活断層帯、初めて発見、M3〜4の地震を観測』と言う解説していた。NASAの火星探索衛星インサイトによる測定だと言う。そして、ケルベロスと呼ばれる活断層で、発生していると言う。

ケルベロス地溝帯は火星で最も新しい断層帯の1つで、形成からまだ1000万年も経っていないと考えられている。地質学的な新しさを示す証拠は、点在する古いクレーターをきれいに切り裂く深い谷だ。谷の斜面はほぼ垂直に切り立っていて、歳月による風化が起きていない。地質学的に新しい活動の痕跡も残っている。この地域には、元の場所から転がり落ちたと考えられる大きな岩石がいくつもあって、その痕跡を残しているのだ。

 

ケルベロス地溝帯の亀裂は、より古い丘やクレーターを引き裂いて走っていることから、比較的最近になってできたことがわかる。科学者たちは、形成からまだ1000万年も経っていないと考えている。斜めの角度から見たこの画像は、マーズ・エクスプレス・オービターに搭載されたステレオカメラのデータから生成したもの。(IMAGE BY ESA, DLR, FU BERLIN)

NASAの天文における貢献は、素晴らしいとしかいいようがないが、下司の勘ぐりが出てしまう。なぜ、アメリカはかくも宇宙探究に熱心なのか? 火星探索にしても、半世紀も前から、地球の人口が増えすぎて、人類は、宇宙に出るしかなく、スペース・コロニーとか、月や火星にコロニーを作って厖大な人口を住ませるしかないと言うアイデアが在ったが、唾付けて先人であることを宣言しようとしているのではとか?


音の出ない超音速機Xー59の開発にGoが出た!

2019年12月27日 05時32分01秒 | 日記
NASAが、先週の12月17日に、NASAとロッキード・マーティンと協同開発している低騒音の超音速飛行機の製作に最終的な建造にGOサインが出たことを発表したと言う。X-59は「Quiet SuperSonic Technology (QueSST) 」と呼ばれ、超音速飛行機に不可避だった、爆発轟音、衝撃波の発生を抑える機能の目途が立ったから、GOサインが出たと言う事。

高度5万5000フィート(約1万6764キロ)を音速(時速1225キロ)を超える時速940マイル(時速1512キロ)で巡行しても、地上ではクルマのドアを閉じたとき程度の騒音レベルに抑えられると言う。

 X-59は米国カリフォルニア州のロッキード・マーティン スカンクワークス工場で2020年後半に機体を完成させ、2021年には飛行を開始する予定とのこと。

ここから→x59の飛行デモ←ここまで

 

それにしても、三菱のリージョナル・ジェット、炭素繊維の翼の提供を東レが提供しないと言う事で、プロジェクトは中断する事になるのだろうか?ぐずぐず、だらだらとしていた結果だろう。社長は責任ものだ。ボーイング社の737MX、開発中止でCEOが辞任したように三菱もそうすべきであろう。


日本市場が待ち望んでいた御手頃価格のテスラ・モデル3?

2019年12月26日 23時49分01秒 | 日記

テスラの日本発売のModel3 、3種類はお手頃価格?1モータの「スタンダードレンジ」、2モーター、4WDの「ロングレンジ」、モデルトップの「パフォーマンス」。どれも、自動運転をサポートすると言う。サイズは

  全長4690mm、全幅1850~2090mm、 全高1440mm

  

日本のEV車は、小型のLeaf位だが、400万円するから、モデル3のスタンダードレンジが競合してしまうのでは? HV車で、ゴージャスなレクサスの高級車と競合しそう。

  

 

Teslaは、まだ、マイナーな自動車会社ではあるが、中国が梃入れしているし、バッテリーが低価格になれば、一挙に、EV車は普及する。日産は内紛ばかしだし、ホンダも元気ない。トヨタが世界最大とはなっているが、自動車産業、CASEとかMaaSとかで総合産業になりつつあり、単独産業ではなくなって、確実な戦略を立てないとどうなるか分からなくなっている。Teslaの普及車とトヨタの高級車が競合するとは何ともいい難い。

 

 


「超電導モーターしかない」 ジェット機も脱エンジン

2019年12月26日 06時08分12秒 | 日記

 

 飛行機のジェット燃料使用が、CO2大量排出になると問題にされ始め、電機飛行機なる物がボーイングでもエアバスデモ開発されているが、「超電導モーターしかない」という、九州大学の研究を日経エレクトロ見クスが紹介していた。当面は、既存のジェット燃料か液化天然ガス(LNG)、将来的には液体水素による超電導発電機から電力を得て、兆電動モーターを回し推力・浮力を得る方式だと言う。

 

日本経済新聞 電子版航空機でターボファンエンジンから電動モーターに置き換える開発が始まった(図:九州大学のデータを基に日経エレクトロニクスが作成)

航空機でターボファンエンジンから電動モーターに置き換える開発が始まった(図:九州大学のデータを基に日経エレクトロニクスが作成)

研究対象であっても実用には程遠い――。「超電導モーター」と聞いて、そう考える技術者は少なくないだろう。しかし、既存の超電導関連技術を使っても実用化の目標は2030年。もはや遠い未来の話ではない。航空機業界が桁違いに高いエネルギー密度に着目し、日米欧で開発が進む。冷凍機を含めたエネルギー効率も高く、電気自動車(EV)や鉄道、船舶への応用も視野に入る。

■航空機のCO2排出量4分の1に

「航空機業界は、2050年の二酸化炭素(CO2)排出量を05年比で半減する必要に迫られている。一方で航空機需要は50年までに倍増するとの予測がある。1機当たりのCO2排出量を少なくとも4分の1に削減しなければならない。推力源は超電導モーターしかない」。このように言うのは九州大学大学院システム情報科学研究院電気システム工学部門教授の岩熊成卓氏だ。

岩熊氏は、九州大学が19年4月に設置した「先進電気推進飛行体研究センター」のセンター長を務める。同大学が蓄積してきた超電導関連技術に注目した米大手航空機のボーイングなどと、超電導技術を全面的に取り入れた航空機向け推進システムの共同研究を進めている。

 

欧州エアバス(上)や米航空宇宙局(NASA、下)が開発中(図:エアバスとNASA)

欧州エアバス(上)や米航空宇宙局(NASA、下)が開発中(図:エアバスとNASA)

航空機業界のCO2排出量の削減目標は、国連の一組織である国際民間航空機関(ICAO)が決めたもの。ICAOは、航空機メーカーをはじめとする関連企業の投資家にCO2の削減努力をする企業に投資をするよう働きかけており、産業界は目標をないがしろにはできない状況にあるという。避けようのない規制に切羽詰まった航空機メーカーが、本気で超電導モーターによる航空機の開発に取り組んでいるというわけだ。

 

■液体水素で冷却し発電も

超電導モーターによる航空機は、ジェット機の主翼などに付くターボファンエンジンの動力をモーターに置き換えたものといえる。ただし浮力を生じさせる手法は、ジェット機とは異なる。

ジェット機では、ジェット噴流とファンで後方に押し出す気流の反動によって前方への推進力を得る。上部のみを湾曲させた断面の主翼で浮力を発生させる。超電導モーター機では、主翼の上部に取り付けた多数の超電導モーターによるファンで、主翼上部に速い気流を作り出す。主翼の上下に生じる気圧差で浮力が得られる。

 

九州大学などが開発中の電動航空機では、超電導モーターに超電導発電機による電力を超電導ケーブルで送る。発電機の燃料は、将来的に液体水素を想定している(図:九州大学)

九州大学などが開発中の電動航空機では、超電導モーターに超電導発電機による電力を超電導ケーブルで送る。発電機の燃料は、将来的に液体水素を想定している(図:九州大学)

電源には、電池は使わず、既存のジェット燃料か液化天然ガス(LNG)、将来的には液体水素による発電機から得る。既存の電池では重量エネルギー密度が低いためだ。

発電機とモーター、これらをつなぐ配線を超電導化したのが全超電導機となる。比較的安価な液体窒素で超電導にできる高温超電導材料を使う。ジェット燃料を利用する全超電導機は、冷凍機の電力を必要とするが、これを含めても燃料消費量を現行機の30%にできるという。別の改善でCO2排出量を4分の1(25%)に抑える目標達成が視野に入る。

全超電導機では、既存モーターに対して出力を2倍にしても重さを10分の1にできるという。定格内なら導線の抵抗がゼロとなるため大電流による駆動が可能で、巻き線の巻き数を減らして小型化できるためだ。重たい鉄心や銅線の使用量も少ない。発熱しないため冷却機構を簡易化でき、冷却用の油の粘性による損失をなくせる。

 

電動航空機を実現できる出力密度は、現時点では超電導モーターのみという(図:九州大学のデータを基に日経エレクトロニクスが作成)

電動航空機を実現できる出力密度は、現時点では超電導モーターのみという(図:九州大学のデータを基に日経エレクトロニクスが作成)

これならば、電動航空機に求められる出力密度を満たせるという。しかも永久磁石を使わない設計が可能で、ネオジム磁石の原料となるレアアース(希土類)の調達や価格変動に悩まされることがない。

岩熊氏らは、今後に最も大きな需要が見込まれる100~200人乗りの航空機を想定し、出力20メガワット級の超電導モーターの開発を目指す。現在は500キロワット級を試作した段階だ。試作機は、封止した筐体内にヘリウムを充填させて筐体外部から液体窒素で冷却する。19年5月には実際に回転させた。