『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

クリスマスまで、あと6日

2006年12月19日 02時42分37秒 | おもひでばなし
《クリスマスの思いで その2》

                


異国の我が家にはハウスガールさんが一人いた。
決して、我が家が裕福だった訳ではないけれど、
ある程度の収入を得ている人は、職場を提供するのが当たり前の国。

彼女の専門は、主にアイロンがけ。
アイロンがけというのがまた、暑い国ではなかなか大変な作業である。
しかも、虫が衣服の縫い目に卵を産み付ける事があるので、
(それが、皮膚に寄生して成虫になるのだから、放ってはおけない
肌着からタオルから、身に触れる物全てにかけるので、時間も相当かかる。

私より一回り年下のヤンママで、童顔の小柄な可愛らしい子だった。
簡単なスワヒリ語は、ほとんど彼女が教えてくれた。
最初に教わったのは「ウメメ ハクナ!マタティゾ!」(電気、無い、問題だ!)
文法なんてそっちのけで、単語の羅列だったけど、それでも買い物くらいは出来た。

その彼女がクリスマス近くになると、急にウキウキし始める。
子供の新しい洋服を買ったのだと、嬉しそうに話し、
縮れた髪にラスタと呼ばれる付け毛を編み込み、急に一段と美人さんになる。
勿論、彼女がムスリムではなく、クリスチャンだったからだけど、
私が無造作に結わえた髪に付けていた髪飾りを「綺麗だ。」と褒めるので、
彼女の小さな子供と彼女と彼女の妹にに、ラメの入った布にゴムを通しただけの
簡単な髪飾りを作ってプレゼントすると、イヴの礼拝に着けて行くと何度もお礼を言ったっけ。


イヴの夕暮れ時になると、いったいどこから湧いて来たのだ?と思うほど、
主要道路は着飾った人たちで賑わい始める。
おそらく普段は来る事のできない場所からも、この日には無理をして出かけてくるのだろう。
沢山の人波は、大きな教会へ続く道へ流れて行く。

皆がクリスマスをわくわくしながら特別な日を、『待っている』
何を着ようか、何を食べようか、誰と会えるかと、満面の笑顔で『待っている』
小さい頃、遠足の日をドキドキしながらカレンダーを見ていたように。
誕生日やお正月を指折り数えてわくわくしながらその時を過ごしたように。
その日が来れば何もかもが新しくなって、素敵に美しくなるかのように。


『待っている』楽しさ。『待っている』喜び。
待つ事ができるって、素敵じゃぁありませんか
コメント (2)
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