多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

太田和彦さんの色紙のある斎藤酒場

2010年11月02日 | 居酒屋・銭湯紹介
埼京線・十条の西口を出て、右手の商店街プチロードを入り20mくらい歩いた左側に紺ののれんが揺れている。時間は6時前なのに店のなかをのぞくとほぼ満席である。しかし1人、2人ならどこかに潜り込める。本当に満席でも10分くらい待てば帰る人の代わりに座れる。

店内は、8人掛けの天然木のテーブルが4つ、左右両端にはL字で10人座れるテーブルが2つ、つまり合計50席くらいのキャパシティがある。
のれんには「創業昭和3年」と染め抜かれている。80年を超える歴史にふさわしく、壁にはサッポロビールの美人ポスター(洋装2枚、和装1枚)、右下になぜか海女さんがいる大和醸造「新進」のポスター、「優等名酒 福泉」、「亀の世 樽酒」の広告が貼られている。入口左手の棚には時代物のラジオが置かれている。レトロな雰囲気の新しい店にも骨董屋で購入したラジオが置かれていることはあるが、この店のものは本物であることが歴然としている。テーブルの上には昔なつかしい馬首印の大型マッチが置かれている。
自分が頼んだものくらいは写真撮影してもよいかと思ったが、店内の撮影はすべてダメとのことだった。ママさんいわく、亡き中島らもにも開店前の時間に撮ってもらうようにしたとのことだ。なお店内風景を見たい方は太田さんの「東京 大人の居酒屋(毎日新聞社 2009年10月)をごらんいただきたい。ポスターもラジオもマッチもすべて写りこんでいる。

つまみは、カレーコロッケ(2個)220円、串カツ(2本)220円、もつにこみ220円、ポテサラ200円、やっこ250円、里芋煮250円、かぼちゃ煮200円、オクラごまあえ180円、きんぴらゴボー180円、みょうが酢200円、山芋せん切り200円、あじフライ280円、煮いわし250円など選りどりみどりである。
はじめてこの店にきたのは、例によって太田さんの「完本・居酒屋大全」をみたためで、10年くらい前のことだ。その後、冬に来たり春に来たりしたがどの季節もよい。もちろん日本酒がおいしくなる秋もよい。

この店は原則としてだれと話してもだいじょうぶな店のようである。照明は明るく、わんわんした活気を感じる。こちらから話しかけたわけではないのだが、1度目は近所で働いている化学メーカーの特許部門の方、2度目はわざわざ品川から初めて訪問した鹿児島出身の方と話がはずんだ。近くの人と自然に話しかけたくなる店なのである。とはいっても向かいの方は図書館から借りた文庫本、左手の方は新刊雑誌をずっと読書されていた。その他携帯メールにかかりきりの方ももちろんいるし、どの人にとっても本当に自由にすごせる居酒屋のようだった。話がはずめば1時間以上いてもよいが、普通は1時間前後滞留する店のようだった。
なお女性客がテーブルに1人くらいはいた。この点は10年前と異なる。まだ1人で入る人はいないが時間の問題のようだ。
フロアは女性3人で切り盛りしている。客が多く品数が多いので、だれの注文だったかわからなくなり「だれですかあ」という声が飛ぶ。しかし和気あいあいの雰囲気の店なので十分に許される。
奥まったところにレジがあり調理場をのぞくことができた。男性3人と皿洗いの女性1人がいた。レジの後ろの壁には立松和平、中島らも、三枝成章らの色紙があった。なお太田和彦さん本人のイラスト入りの色紙「いい酒、いい人、いい肴」もあった。本当に、うまくて安くて店のスタッフも客もいい感じの店だった。

電話: 03-3906-6424
住所: 114-0034 東京都北区上十条2-30-13
営業: 16:30-23:30、日休
   生ビール・大690円、中430円、冷やしビール大490円、小360円、
   清酒170円、焼酎180円、チュウハイ250円、電気ブラン250円、琉球泡盛220円


☆上記のように店内写真を撮れなかったので、駅前の写真を掲載した。駅から南西に500メートルほど歩いた板橋区との区境に東京朝鮮中高級学校がある。やっと民主党内の調整が終わり高木義明文部科学相が11月はじめに高校授業料無償化除外問題の決断をする段階となった。国連の非難を招かない「決断」を、一日も早く出してほしい
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音羽の高台の鳩山会館 | トップ | フリーランスの理想と現実 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

居酒屋・銭湯紹介」カテゴリの最新記事