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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

朝鮮学校はずしにNO! 3.31全国集会

2013年04月28日 | 集会報告
桜もすでに散ったというのに、朝から雲がたちこめ2月のように薄暗い3月31日日曜の午後、日比谷野外音楽堂で「朝鮮学校はずしにNO! すべての子どもたちに学ぶ権利を! 3.31全国集会&パレード」が開催された。
開会30分前に着いたが広い席の半分以上が埋まっていた。その7割は関東近県の高校生たちだった。
高校無償化が実施されて丸3年、しかし朝鮮学校だけは排除されている。そして昨年末に発足した安倍政権の下村博文・文科大臣は2月20日文部省令から「文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したもの」を削除した。野球の試合が始まってからルールを変更したようなものである。卑怯で姑息なやり方だ。同時に各朝鮮学校に不指定の通知を発出した。
この3月に卒業した高校生は、入学したときに無償化制度が始まったのに一度もその恩恵を受けられなかった。
集会では、鎌田慧さん、デヴィ・スカルノさん、キム・ミョンジュンさん(「ウリ・ハッキョ」の映画監督)らが発言した。そのなかで三宅晶子さん(千葉大学文学部)は「朝鮮学校排除の重要な問題点として3つの観点を挙げた。「ひとつは子どもが教育を受ける権利である。子どもの権利条約は、出身国や政治的意見にかかわらず教育の機会均等が保障されなければならないとしている。二つ目は日本人に対する影響だ。これは『反教育』とでもいうべき行為であり、差別してもよいと教えるプロパガンダを政府が実行しているに等しい。3つめは歴史認識を踏まえた観点だ。加害の記憶をトラウマとして抑圧してきた自閉的な国民意識があらわになった。人間の尊厳は不可侵である。人間の尊厳を尊重し、保護することは国家の責務である。それなのに日本政府は人間の尊厳そのものを傷つけた。

その後高校生たちの歌と踊りがあった。緑とピンクの衣装で新体操のように布を使って踊る姿はとても美しかった。また「花は流れてどこどこ行くの」の「」の10人の女声合唱も美しかった。

そして高校生代表のあいさつがあった。「無償化からの朝鮮学校除外は明白な差別です。この現実を差別という言葉以外で言い表すことはできるでしょうか。わたしたちは差別され除外される存在だと思ってしまう生徒も少なくありません。この問題は道理や正義が通る問題ではないことに気づきました」。「今月川崎市長が補助金の代わりに拉致関連の本を寄贈するというできごとがありました。そのニュースを聞き言葉を失いました。拉致にはわたしたちも心を痛めています。しかしなぜその矛先が朝鮮学校の生徒なのでしょうか?」日本人として、心に突き刺さる言葉だった。
その後、校長会、オモニ会、各地の支援する会などのスピーチが続いた。
大阪では訴訟が3つ起きている。ひとつは昨年9月、大阪府・市を相手に補助金の不交付処分の取り消しを求めるものだ。二つ目は昨年12月、大阪市が市有地にある中大阪朝鮮初級学校の土地明け渡しとそれまでのあいだ1カ月あたり1,244,000円の賃料を求めた訴訟だ。市立中学として民族教育を行い長年土地を無償で貸与してきた歴史的経緯を無視した裁判だ。3つ目は今年1月国を相手取り、無償化対象に指定するよう求めた訴訟だ。
愛知でも今年1月、朝鮮高校の生徒と卒業生が国に対し、朝鮮学校除外は違法だと国家賠償請求訴訟を提訴した。
大阪では朝鮮の民衆の英雄ホンギルトンの名を付けた朝鮮学校の財政を支える基金を昨年6月設立し、2月までに1000万円超集まった。

集会のあと、銀座を経て東京駅までパレードに出発した。まず朝鮮高校関連団体がスタートし、その次が市民団体だった。人数が多いので、と長時間待っている間とても寒く凍えてしまった。ケンガリなど民族楽器がにぎやかに響く明るいデモだった。しかし「北朝鮮へ帰れ!」というウヨク市民の声はとても大きかった。
集会中にも隣の小公園に集合したウヨクたちの罵声がとてもうるさかった。まさに恥の上塗りである。
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