多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

聞いてガッテン! テレビの舞台裏

2007年05月01日 | Weblog
4月29日午後、小野文惠アナウンサーの聞いてガッテン! テレビの舞台裏と題する1時間半の講演を聞いた。
小野アナウンサーは広島県出身、1992年NHK入局、山口放送局を経て97年から東京アナウンス室勤務。「ためしてガッテン」「鶴瓶の家族に乾杯 」「土曜スタジオパーク」を担当。

1時間半の講演は(聞いているほうとしては)ちょっと長いかなと思ったが、全員参加の筋力年齢測定の実験あり、「食と健康」クイズ(7問)ありで短く感じるほどだった。「人間集中できるのは3分まで。3分に一度は「笑い」を入れる、笑って一度頭をカラッポにしてはじめて次の情報が頭に入る」というモットーを実践するような講演会だった。

この番組は、約10人のディレクターが2ヵ月半に一度のペースで制作する科学情報番組。スタッフも含め、ひたすら「データの確からしさ」を追求するをまじめな集団とのことだ。それで小野さんは10年やっていてディレクターに一度も「小野ちゃん、今日きれいだね」と言われたことがないとのこと、そんなことを言えるような人たちではないそうだ。

科学情報番組というワク内ではあるが、参考になるポイントはいくつもあった。

1 聞く準備ができるまでは言わない
  「ガッテン」とならず「ヘーッ」となるだけ。
  (自分の予測に反し)「ムッ」とした瞬間「なんで?」と聞く準備ができる。
2 科学チックな情報が氾濫している時代である。「根拠はなにか」「いつの情報か」につねに注意する必要がある
  たとえば「にんじんのベータカロテンは油といっしょでないと吸収されない」という神話があった。つい最近まで正しい知識だった。しかしにんじんの細胞そのものに脂質が含まれていることが発見され、その知識は過去のものとなった。

テレビ番組のメキキになるポイント
1 実習コーナーの料理は本当においしいのかという質問をよく受ける。 感動が少なくいまひとつというときはゲストが饒舌になることに注目。
  (たとえば「プリン+お茶」というレシピに、レギュラーの山瀬まみさんは「落ち葉焚きの味がする」とコメントした)
2 ガッテン目標時間の設定があり、それは43分番組の27~28分である
3 「鶴瓶の家族に乾杯 」にやらせはないかという質問をよく受ける。  やらせ番組の見分け方は、カメラ位置がが鶴瓶さんより前に出ているかどうかである
 (カメラマンが、鶴瓶さんより前に出て撮れるということは、鶴瓶さんがどちらへ進むか予知していてはじめてできる。だからあの番組では、鶴瓶さんが歩いているときは後頭部しか写らない)

最後に結論として、この番組に代々伝わる「ガッテンの掟」?
を披露された。
1 知る喜びよりわかる喜び
2 「わかりやすさ」を目指してはダメ
  「わかりたくなる」こそ最大の目的
3 人類最強の魔法=
笑い


☆わたくしは「ためしてガッテン」という番組は一度もみたことがない。
この講演を聞きたいと思ったのは、BS2で一昨年夏から今年初めまでやっていた「寅さん映画シリーズ」の解説に、渡辺俊雄・衛星映画劇場支配人、山本晋也監督とともに、後半から小野さんが女性ファン代表として出ており、そのときの話がとても素直だったからである。
☆「ガッテンの掟」はクイズ形式でホワイトボードに書き出された。しかし、小野さんはその答えを言い忘れたまま、最後の拍手につられて舞台袖に入ってしまった。観客に促され再登場し、答えを発表したが、そのときはメガネをかけていた。自分で「あっメガネをかけている!乱視がひどいもので」と言っていたが、人柄が現れていて好感度がアップした。
☆女子アナブームという時代が到来してもう10年以上になるだろうか。フジテレビのバラエティ番組から始まったものだと思う。しかしなぜ週刊誌が追いかけるタレント並みの扱いを受けるのか私にはよくわからなかった。しかし今回、生で人物をみて女優やスポーツ選手と同じようなオーラを感じた。本人は「外を歩いていて一度もホンモノと気づかれたことがない」とおっしゃっていたが、少なくともカメラや舞台の前では変身するのだろう。
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