ずいぶん時間がたってしまったが、今年も東京ビッグサイトでブックフェアが開催され見に行った。もうあまり詳しいことは書けないが、印象に残ったことのみメモ程度に紹介する。
毎年元気のよい出版社がひとつふたつ目に付く。たとえば過去ではミネルヴァ書房や出版ドットコム、トランスビューなどだが今年は残念ながら見当たらなかった。しいてあげれば、講談社などの大手である。三木谷浩史「たかが英語」(2012/07 189p 1,050円)、「実はスゴイ!大人のラジオ体操」(中村格子 2012/04 79p 1260円)、「宇宙兄弟」(小山宙哉 2012/06 590円)をたくさん陳列していた。「売れる本」だけでなく「価値ある本」も結構出版していることを再認識した。
また岩波ブックレット創刊30周年ということでバックナンバーがたくさん展示されていた。岩波ブックレットは70p前後、単価500-600円くらいだが、適当な長さで中身が濃いものが多い。東アジアの近現代史などでもずいぶん勉強させてもらった。岩波が定着させ、同じような体裁でユーラシア・ブックレット(東洋書店)、かわさき市民アカデミー、かもがわ出版、神奈川大学評論でもブックレットを出版している。岩波では専門の編集部はなく、やりたいと思った人が手を上げるシステムで発刊していると聞いたことがある。出版の原点のような発行スタイルだ。末長く続けてほしい。
驚くようなタイトルのトンデモ本といえば幸福の科学出版である。徹底霊査「週刊新潮」編集長・悪魔の放射汚染 週刊誌の編集長に、公人としての良心と正義を問う! 酒井逸史(さかい はやと)編集長 守護霊インタヴュー102分! 正論には疑いを。成功者には嫉妬を――― 悪魔的ジャーナリズムの内幕
いったい何が書かれているのだろうか。
徹底霊査 橋下徹は宰相の器か 希代の風雲児か? ただのパフォーマーか?
マスコミが「次の総理」と持ち上げる 橋下徹大阪市長の本音に迫る!
もちろん「ただのパフォーマー」だとは思うが・・・。
丹波哲郎 大霊界からの メッセージ あの丹波哲郎氏が、幸福の科学最新映画に対して「俺にも言わせろ!」と大霊界からの特別出演! 質問者もタジタジの丹波節が炸裂する。
ユーモラスに。豪快に。霊界の宣伝マン、大いに語る。
死者にインタビューという本は日本初ではなかろうか。ほかにも吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、福沢諭吉、老子・荘子など多数の公開霊言シリーズが出ているようだ。
廣済堂のブースで、3.11のときに有名になった「石巻日日新聞の手書き壁新聞」をはじめて見た。
昨年までは電子ブックがひとつのブームだった。今年はそれを発展させて2階にかなりのスペースを取り「国際電子出版EXPO」を開催していた。
ただ今年最大の話題を集めた楽天Kobo touch は1階にあった。実機を試用できるというので行列ができていた。「2010年は電子書籍元年」と騒がれた。それから2年たつがたいして状況は変わっていない。Kobotouchの7980円という破格の安さと「日本語で約3万冊、日本語以外の言語も含めると240万以上のタイトル」という驚異のタイトル数、7月19日発売というタイミング、これなら観客をひきつけるわけである。まったく驚いた。発売後1ヵ月あまりになるが、創業90周年の小学館が全社員に配布したという以外にはあまり話題になっていないようだ。
毎年楽しみにしている造本装幀コンクールだが、今年の三賞は文部科学大臣賞が「蒸気機関車讃歌 白い息遣い」(クレオ)、経済産業大臣賞が「透明人間→再出発」(ミシマ社)、東京都知事賞が「フィジカル・グラフィティ・ツアー」(牛若丸)だったが、いずれも印象に残っていない。覚えているのは「明朝活字の美しさ」(創元社)、「大江戸今昔マップ」(新人物往来社)くらいだ。大江戸今昔マップは現代の地図がうす紙に印刷され、江戸の地図に重ねられている。
2011年の出版統計は、新刊点数や書籍返品率でやっと長期低落に歯止めがかかったが、雑誌の落ち込みが激しく書籍+雑誌の実売送金額は前年度比▲3.7%の1.9兆円にとどまった(出版年鑑2012)。
さて来年はどんな状況になっているのだろうか。
毎年元気のよい出版社がひとつふたつ目に付く。たとえば過去ではミネルヴァ書房や出版ドットコム、トランスビューなどだが今年は残念ながら見当たらなかった。しいてあげれば、講談社などの大手である。三木谷浩史「たかが英語」(2012/07 189p 1,050円)、「実はスゴイ!大人のラジオ体操」(中村格子 2012/04 79p 1260円)、「宇宙兄弟」(小山宙哉 2012/06 590円)をたくさん陳列していた。「売れる本」だけでなく「価値ある本」も結構出版していることを再認識した。
また岩波ブックレット創刊30周年ということでバックナンバーがたくさん展示されていた。岩波ブックレットは70p前後、単価500-600円くらいだが、適当な長さで中身が濃いものが多い。東アジアの近現代史などでもずいぶん勉強させてもらった。岩波が定着させ、同じような体裁でユーラシア・ブックレット(東洋書店)、かわさき市民アカデミー、かもがわ出版、神奈川大学評論でもブックレットを出版している。岩波では専門の編集部はなく、やりたいと思った人が手を上げるシステムで発刊していると聞いたことがある。出版の原点のような発行スタイルだ。末長く続けてほしい。
驚くようなタイトルのトンデモ本といえば幸福の科学出版である。徹底霊査「週刊新潮」編集長・悪魔の放射汚染 週刊誌の編集長に、公人としての良心と正義を問う! 酒井逸史(さかい はやと)編集長 守護霊インタヴュー102分! 正論には疑いを。成功者には嫉妬を――― 悪魔的ジャーナリズムの内幕
いったい何が書かれているのだろうか。
徹底霊査 橋下徹は宰相の器か 希代の風雲児か? ただのパフォーマーか?
マスコミが「次の総理」と持ち上げる 橋下徹大阪市長の本音に迫る!
もちろん「ただのパフォーマー」だとは思うが・・・。
丹波哲郎 大霊界からの メッセージ あの丹波哲郎氏が、幸福の科学最新映画に対して「俺にも言わせろ!」と大霊界からの特別出演! 質問者もタジタジの丹波節が炸裂する。
ユーモラスに。豪快に。霊界の宣伝マン、大いに語る。
死者にインタビューという本は日本初ではなかろうか。ほかにも吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、福沢諭吉、老子・荘子など多数の公開霊言シリーズが出ているようだ。
廣済堂のブースで、3.11のときに有名になった「石巻日日新聞の手書き壁新聞」をはじめて見た。
昨年までは電子ブックがひとつのブームだった。今年はそれを発展させて2階にかなりのスペースを取り「国際電子出版EXPO」を開催していた。
ただ今年最大の話題を集めた楽天Kobo touch は1階にあった。実機を試用できるというので行列ができていた。「2010年は電子書籍元年」と騒がれた。それから2年たつがたいして状況は変わっていない。Kobotouchの7980円という破格の安さと「日本語で約3万冊、日本語以外の言語も含めると240万以上のタイトル」という驚異のタイトル数、7月19日発売というタイミング、これなら観客をひきつけるわけである。まったく驚いた。発売後1ヵ月あまりになるが、創業90周年の小学館が全社員に配布したという以外にはあまり話題になっていないようだ。
毎年楽しみにしている造本装幀コンクールだが、今年の三賞は文部科学大臣賞が「蒸気機関車讃歌 白い息遣い」(クレオ)、経済産業大臣賞が「透明人間→再出発」(ミシマ社)、東京都知事賞が「フィジカル・グラフィティ・ツアー」(牛若丸)だったが、いずれも印象に残っていない。覚えているのは「明朝活字の美しさ」(創元社)、「大江戸今昔マップ」(新人物往来社)くらいだ。大江戸今昔マップは現代の地図がうす紙に印刷され、江戸の地図に重ねられている。
2011年の出版統計は、新刊点数や書籍返品率でやっと長期低落に歯止めがかかったが、雑誌の落ち込みが激しく書籍+雑誌の実売送金額は前年度比▲3.7%の1.9兆円にとどまった(出版年鑑2012)。
さて来年はどんな状況になっているのだろうか。