5月の連休というと国展のシーズンだ。第83回国展が六本木の国立新美術館で開催された。昨年に続き、今年もチケットをいただきみにいった。国展は、絵画、版画、彫刻、工芸、写真の6部門がある大きな公募展である。
わたくしが好きなのは工芸部のとりわけ織物である。
今年いちばん好きだったのは、小島秀子「Over the rainbow」という作品だった。紺から青、緑、そして白への色の変化が鮮やかで、とくに緑がみずみずしい。白地に大きな丸のパターンが高級感を生んでいる。HPに「絹糸の気持ちに少しでも近づきたい。突然蚕を飼ってみたくなりました」という1か月ほどの蚕日記が掲載されていた。かなり前の記録のようだが、作家の絹糸へのこだわりがよくわかる。
山川響子「恋する街」はグリーンのグラデーションがすがすがしい。
和宇慶むつみ「風薫る」は、5月の風がほんとうに会場の一角に吹き渡っているようなさわやかな色合いの作品だった。
人間国宝・宮平初子さんの茶地首里花織着物「菱紋」の、黄土とこげ茶に細かいパターンが入った布の風合いはなんともいえない。その娘、ルバース・ミヤヒラ吟子「水錦」は沈み込むような紺が鮮やかだった。
染の作品で、熊谷あかね「かわいいひとへ」、熊谷もえぎ「花からくさ」は、7才着物なのでサイズも小さく、色もピンクや赤で本当にかわいらしかった。
陶磁器では昨年同様、白磁が好きだった。森公男「白磁扁壷」、加藤陽子「白磁共蓋壺」、川野恭和「白磁大土瓶揃い」などである。新垣修「美ら海」は、緑の地に白い丸がたくさんあり魚が泳いでいる楽しい作品だった。
また岡林タカオ「桜乳白鉢」、石川昌浩「ピッチャー」など、ガラスもわたしは好きだ。
今年は大量に作品が展示されている絵画部も、昨年よりていねいにみた。リアルな画風のもの、たとえばフェルメールをくっきりさせたような森本草介「休日」や子どもたちが笛、マリオネット、トランプで遊ぶ、弥富節子「ジクソーパズル・イン・ハーメルン」、ちょっとアニメの一画面のような野々宮 恒人「彼女を巡った」、上條喜美子「記憶の森」に目が止まった。ただ国画会のホームページでその作家の過去の作品をみると画風は変わっていない。昨年はざっとみただけということもあるが、目に止まるかどうかは、こちらのそのときの体調や気分に影響されるだろう。
昨年のブログを読み直すと、工芸部の同じような作家の作品に感動している。自分の「好み」はそう変わらないということだ。しかし、それが公募展の会員・準会員の作品を個展代わりにみる楽しみである。今後2年くらい同じ作家の作品を見続けると、作品の進化や作家の変化がみえてくるかもしれない。
わたくしが好きなのは工芸部のとりわけ織物である。
今年いちばん好きだったのは、小島秀子「Over the rainbow」という作品だった。紺から青、緑、そして白への色の変化が鮮やかで、とくに緑がみずみずしい。白地に大きな丸のパターンが高級感を生んでいる。HPに「絹糸の気持ちに少しでも近づきたい。突然蚕を飼ってみたくなりました」という1か月ほどの蚕日記が掲載されていた。かなり前の記録のようだが、作家の絹糸へのこだわりがよくわかる。
山川響子「恋する街」はグリーンのグラデーションがすがすがしい。
和宇慶むつみ「風薫る」は、5月の風がほんとうに会場の一角に吹き渡っているようなさわやかな色合いの作品だった。
人間国宝・宮平初子さんの茶地首里花織着物「菱紋」の、黄土とこげ茶に細かいパターンが入った布の風合いはなんともいえない。その娘、ルバース・ミヤヒラ吟子「水錦」は沈み込むような紺が鮮やかだった。
染の作品で、熊谷あかね「かわいいひとへ」、熊谷もえぎ「花からくさ」は、7才着物なのでサイズも小さく、色もピンクや赤で本当にかわいらしかった。
陶磁器では昨年同様、白磁が好きだった。森公男「白磁扁壷」、加藤陽子「白磁共蓋壺」、川野恭和「白磁大土瓶揃い」などである。新垣修「美ら海」は、緑の地に白い丸がたくさんあり魚が泳いでいる楽しい作品だった。
また岡林タカオ「桜乳白鉢」、石川昌浩「ピッチャー」など、ガラスもわたしは好きだ。
今年は大量に作品が展示されている絵画部も、昨年よりていねいにみた。リアルな画風のもの、たとえばフェルメールをくっきりさせたような森本草介「休日」や子どもたちが笛、マリオネット、トランプで遊ぶ、弥富節子「ジクソーパズル・イン・ハーメルン」、ちょっとアニメの一画面のような野々宮 恒人「彼女を巡った」、上條喜美子「記憶の森」に目が止まった。ただ国画会のホームページでその作家の過去の作品をみると画風は変わっていない。昨年はざっとみただけということもあるが、目に止まるかどうかは、こちらのそのときの体調や気分に影響されるだろう。
昨年のブログを読み直すと、工芸部の同じような作家の作品に感動している。自分の「好み」はそう変わらないということだ。しかし、それが公募展の会員・準会員の作品を個展代わりにみる楽しみである。今後2年くらい同じ作家の作品を見続けると、作品の進化や作家の変化がみえてくるかもしれない。