広報邂逅記

広報宣伝に携わる私が、世の中の面白いこと、美味しいものや温泉鉄道旅を紹介します。(⌒∇⌒。)三(。⌒∇⌒)。

“香り”で心身ともに健康に

2008-01-03 03:30:52 | Weblog
ロハスな人々より

病気の予防・治療・症状の緩和に効果があり、単なるリラクゼーションではなく医学的な処方で施術を行う、クリニック紀尾井坂の「メディカル・アロマ・ケア」(※)。
このアロマセラピーを施術されている谷口ひとみ先生は、「認定医師が行うブレンドとトリートメントこそが重要」と語っています。



<内科医からアロマセラピーの世界へ>
今から20数年前の話になりますが、まだ研修医の頃、私は大学病院の心療内科の医局で働いていました。
しかしその時に、保険診療の枠内での外来において医師が直接患者様にして差し上げられることは診察と薬の投与ぐらいのもので、限界みたいなものを感じていたんです。その後、病院を移った時に、そこには心療内科がなかったものですから、内科の医局に行き、一般内科をしばらく続けていました。
そして5年くらい前に、医療とはまったく別のところでアロマセラピーに出会いました。当時私は職場のストレスからくる肩こりがひどくて、なんとかしたいと思い、街中にあるアロマセラピーのサロンに飛び込みました。そこで、たまたまセラピストの方が私の症状に合わせてオイルをブレンドして作ってくれたんですね。といっても、今考えれば濃度もめちゃくちゃで、パッチテストもしないしで、ちょっと怖い感じがするのですが、その時は肩こりが直後から消えて4~5日快適に過ごせたんです。それでこれは医療に使えるのではないかと強く思ったんです。その後、いろいろ調べていくうちに、日本アロマセラピー学会というのがあるのを知り、すぐ入会して勉強をはじめました。

<メディカル・アロマセラピーを阻む“壁”>
勉強のかたわら自分でも実際に使ってみて、アロマオイルそのものに効能があることを実体験で感じました。学会でもすでに実際の診療に使用し始めている方もいらして、少しずつですが症例報告もされていました。
その後認定医を取って、この時点で自分が所属していた病院に導入を提案したんですが、総合病院というのは西洋医学の代表格のようなところですから、なかなか理解されない。今でこそ漢方薬も広く一般的に使われるようになっていますが、それもやはり20数年かかっているのですから、メディカル・アロマセラピーなどと言えば、「なんだそんなもの」というような反応です。しかしここ3年で随分と医療者の間にもアロマセラピーが知られるようになり代替医療のひとつとして理解されるようになりました。また患者様からのニーズは益々高まっている現状ですが残念なことに保険がきかないので自費診療になります。混合診療が禁止されているので既に保険診療を受けている同じ病気に対して自費診療ができないのです。そんなことで壁は高かったのですが、横浜総合病院に健診センター(自費診療部門)があり、そこでアロマ外来という形で導入してスタートしました。

<メディカル・アロマセラピーとは>

話が前後しましたが、皆さんアロマセラピーはご存知だと思います。私もはじめは街中のサロンで出会ったわけですし、リラックス、ストレス解消に利用している方もいらっしゃるのではないでしょうか?では、アロマセラピーとメディカル・アロマセラピーの違いってわかりますか?名前の通り、メディカル、つまり医療的に芳香植物から抽出した100%天然の精油を用いて症状を緩和する治療法です。なぜ芳香で治療になるかというと、芳香成分が鼻腔を通り、においを感じる臭神経、大脳辺縁系を経て視床下部に達し、気分をリラックスさせたり高揚させたりします。また視床下部を刺激することで、内臓の働きを調整する自律神経系、ホルモンを分泌する内分泌系、体を感染から守る免疫系の体調を維持します。 トリートメントでは、ブレンドしたオイルが皮下組織、毛細血管へと浸透して血液中に入り、体液やリンパ液に吸収されて、各臓器に達して薬効を発揮するんです。ただ香りを楽しんでリラックスするだけではなく、それぞれのオイルのもつ成分を吟味し、患者様の症状に合ったブレンドで、治療を行うものなのです。
ですから、認定された医師が行う必要があるんです。

では、どんな症状に効果があるかと言うと、腰痛や肩こりなどのほか、更年期障害やストレス疾患にも効果があります。例えば、ある脳外科の患者様がいらして、脳幹出血後、顔面神経麻痺が出て、顔の片側が下がってしまい、それが気になってうつ状態になってしまったんですね。そこで、アロマセラピーの施術を行うと共に、その患者様の娘さんにトリートメント方法を覚えてもらって、定期的に通うとともに、自宅でもトリートメントをするよう勧めたんです。すると、効果が早く出てきて、麻痺が治るわけではありませんが、麻痺によるむくみが取れ一見では麻痺がわからないほどになり気持ちもとても明るくなってきました。そんな効果がメディカル・アロマセラピーにはあるんです。

<現代人だからこそ、一度体験を>
 
ここでセラピーの手順を紹介しますと、まず血圧、脈拍を測り、医師による診察・問診を行い、患者様の病状や心配事などをお聞きします。
その後20~30種の中から症状に見合ったオイルを選択し、ブレンド後にオープンパッチテストを行います。このテストの結果が15分かかるので、その間にアロマオイルの入った足浴をしていただきます。テストの結果アレルギーなど問題なければトリートメントに入ります。このトリートメントも、ぎゅっぎゅっと強くやるのではなく、ゆっくりと、やわらかく、タッチセラピーの効果も期待できるよう行います。
トリートメントが終了したら、血圧・脈拍を測定して、カウンセリングを行います。なぜ終わってからカウンセリングをするかと言うと、トリートメントを行うことにより、信頼感が生まれ、心の内にしまっていたものが出ることがあるからです。これが重要なんですね。心療内科で何時間もかけてのカウンセリングのように、診察室で時間を区切って「はい、お話ください」と違い、患者様が気持ちよくなって、さらに医師と患者との信頼関係ができ、メンタルな情報を自然に引き出すことができます。


アロマセラピーというと、女性のものというイメージがあるようです。先ほども言いましたが、肩こり、腰痛、更年期障害にうまく付き合っていくためにとても効果がありますので、女性が多いのも頷けます。しかし、場所によっては8割の患者様が男性、それも30代~40代の働き盛りの方が中心というクリニックもあります。現代のストレス社会で、なかなか自身のSOSを出すことがない男性にとって、守秘義務のある医者が行うメディカル・アロマセラピーであれば、抱えた精神的な悩みも抵抗なく話すことができますし、それによってリラックスできれば、次の活力に繋がるのでしょう。さらに、メディカル・アロマセラピーには最近話題の、がんにかかりにくくする「NK細胞」の活性を上げる効果や、メタボリックシンドローム改善のための痩身効果もあります。

今後、アロマセラピーはその症例も蓄積され、ますます医療に貢献できると思っています。
「少し調子が悪い」「なんとなく気分が優れない」「痛みが取れない」という方は、ぜひ一度体験されてみてください。
“香り”があなたを助けてくれます。



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