アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

肥田春充の丹田強化-3

2023-11-18 19:21:44 | 丹田禅(冥想法8)neo

◎丹田を錬る-11

◎丹田の位置

(2021-03-08)

 

肥田春充の丹田論は、まず精神集中と気合を込めるのが前段。そこで心気なる気を足の親指まで行き渡らせる。これは、出口王仁三郎の振魂の前段が、渾身の力を込めて云々などとなっているのと同じ。

そこで次に丹田の位置の話となる。

丹田の位置:

①臍から垂直下方に一本直線を引く。

②臍から背中方向に水平な直線を引く。

③その直線の背中(椎骨と仙骨の接合部)上の点から恥骨下端方向に斜めに直線を引きそれを延長すると①に交わる。

この直線①②③からできる直角三角形に内接する円を描く。この円の中心が身体の重心。

この円と直線①の交点が臍下丹田。

振魂では臍下丹田の前で手のひらを振る。振魂では、神名マントラも同時に唱えるが、肥田流にはそれはない。

『呼吸を計り、気合を込め、筋肉の緊張と共に、精神を集中することにしたから、一挙一動、無限の趣味を伴うと共に活力全身に漲り、回数を多くやる必要がなくなった。』(聖中心道肥田式強健術 肥田春充/著 壮神社P61から引用)

『踵で息するとは心気を足端に注ぐことである。』

(上掲書P99から引用)

足端に注ぐとは、

『足の親指で踏みつける』(上掲書P106から引用)

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肥田春充の丹田強化-2

2023-11-18 19:14:03 | 丹田禅(冥想法8)neo

◎丹田を錬る-10

◎丹田強化の効果

(2021-03-07)

 

昭和の日本人は、戦後から昭和50年頃まで、“モーレツ社員”、“エコノミック・アニマル”など、経済復興に向けて、精神よりも戦災からの復興と豊かな家電(三種の神器: 白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)に囲まれた“一億総中流”への生活向上が共通目標だったことは否めない。

そうした社会通念下では、生存競争を生き抜くためには、丹田、すなわち肥田春充の言う正中心の開発強化による気合とか気力充実が必須であって、現代人のように敢えてモチベーションを喚起する必要はなかったのだと思う。

逆にそうした時代には、敢えて“優しさ”やら“知性”やら“しっくりくる”などの感性を強調することがバランスをとることにつながり、OSHOバグワン、クリシュナムルティなどもそのような傾向で出て来たところがある。

さはさりながら丹田強化の効果は、健康増進、体力回復にとどまらず、スワジスターナ・チャクラ(丹田)の開顕(大安心)から、大悟覚醒に至る大道への入り口でもあることは、無字の公案など臨済宗系の禅などでも見られるとおりである。

 

まず肥田春充の丹田強化の効果と意義から、

『1. 正中心の鍛錬

(1) 心身修養の最捷径

(2) 健康衛生の本源

(3) 体力増進

(4) 威容発現

(5) 肉体美、彫刻美、姿勢美、活動美の第一条件

(6) あらゆる芸術の根底

(7) すべての武道の妙諦

(8) 能率増進の基礎

(9) 社交上の要訣

(10) 処世の一大利器

 

  1. 正中心養成の必須条件

(1) 腰腹を堅固にする

(2) 脊柱を伸ばす

(3) 上体柔軟

 

  1. 正中心養成の効果

(1) 気力充実、精力旺盛、正義に強い真勇を得る

(2) 平静にして仁愛の情自ずから起こる。

(3) 内臓諸機関の機能を完全にする。

(4) 身体各部の成長発達を順調にする。

(5) 強健に導き、能率を増進させる。

(6) 正しい姿勢により精力の濫費を防ぐ

(7) 攻撃防御共に変化自在となる

(8) 宗教上、悟道の極致に躍入させる。』

(参照:聖中心道肥田式強健術 肥田春充/著 壮神社P127-128))

 

上記『3.(1)』には、正義などという凡そ宗教系の経典ではあまり見かけない用語がある。こういうのを残しているところが、徹底しなかった気配ではある。

この文章に続いて、天台の摩訶止観からの引用がある。ここは冥想修行にも丹田強化が大いに効果があることを語っている部分。坐ってばかりだと代謝が落ちて病気になりやすいものだ。

『(病因を論ずること甚だ尽くせり。治法を説く事も亦甚だ精密なり。十二種の息あり、よく衆病を治す)。

臍輪を縁して豆子を見る法あり。その大意、心火を降下して、丹田及び足心に収むるを以て至要とす。但だ病を治するのみにあらず。大ひに禅観を助く。』

(ここは、摩訶止観からの引用だが、白隠禅師の夜船閑話からの孫引きか?)

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肥田春充の丹田強化-1

2023-11-18 19:07:08 | 丹田禅(冥想法8)neo

◎虚弱者から強壮者へと変貌

◎丹田を錬る-9

(2021-03-06)

 

肥田春充(1883年- 1956年)は、戦前軍部や皇族とも近い関係を有していた肥田式強健術の創始者。

ダンテス・ダイジは彼を、悟ってはいないが、丹田のあらゆる可能性を開いたと評価している。いわゆる肉体の可能性とは肉体オンリーで単独で成るものではなく、エーテル体レベル、気レベルの連動があるもの。

肥田春充は丹田を正中心と呼び、腰腹同量(腰腹に等分に力が入る)の正中心の強化を以って人が健康を獲得する道であることを確認した。特筆すべきは特定の師を持たず、多方面の書を読みながら様々な実験、研鑽を積みながら独自開発の『聖中心道肥田式強健術』を編み出したことである。

曰く、腰腹同量とは、身体の重さがつま先にもかたよらず、かかとにも偏らず、腰と腹が等分の緊張をした姿勢である、と。

 

彼の強健術メニューには、

呼吸法、

筋肉練修法、

気合術、

休養法

等によって構成されている。

また曰く、足を正しくすれば、腰は自ずから据わり、腰が据わると腹は自ずからしまる。腰と腹が決まれば上体は自ずから崩れない、と。(聖中心道肥田式強健術 肥田春充/著 壮神社P91)

まず足から定めるのだが、足、腰、腹、上体は連動している。

人間には10チャクラあって、建木の十太陽とか、十種神宝とかで表象されるものだが、最下方三チャクラは脚に存在している。

40年ほど前には、足の三チャクラは動物レベルのものだから、あまり気にしなくてよいなどと言われていた。

ところが、自分自身が虚弱者で半病人だった肥田春充も、臍下丹田を鍛えるには、まず足というのは、

図らずも現代人と当初虚弱だった肥田春充の状況はシンクロしていたわけだ。

肥田春充当時の70年前の人間と今の人間では、足の退化の具合が文明化、機械化の進展により予想外に進展したことがあるのではないか。それと長寿化。

若い人には、足の骨折が多いと聞く。丹田を鍛える前に足の強化というのは、意外に現代人の盲点かもしれない。

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松尾芭蕉-3-あわれ

2023-11-18 03:33:11 | ジェイド・タブレット

◎ジェイド・タブレット-05-21

◎青春期の水平の道-20

◎松尾芭蕉-3-わび、さび、あわれ-3

◎あはれ

◎無念になりきる

 

野ざらしを 心に風のしむ身哉(かな)

(芭蕉)

悟ったからには、あらゆるものが未知の世界である。それが野ざらし。秋の野ざらしの風は、ことさらに心にしみる冷たさである。

 

塚も動け 我が泣く声は 秋の風

(芭蕉)

これは、松尾芭蕉が来らんことを久しく待望していたが、ついにその夢が叶わず先になくなってしまった俳人一笑の墓(塚)に詣でた時の句。芭蕉としての立場なら、さあファンである貴殿の待ち焦がれていた私がやってきたぞという死者への手向けの気持ちが句になっただろう。ここはそうではなくて、芭蕉が、不遇のうちに亡くなった一笑の無念になり切っている。

これは、自分を棄てることにためらいがない人でないと、なかなかこうはなれない。これが芭蕉のあはれ。

 

やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声

(芭蕉)

これは蝉の声ではなくて、人の声でも同じ。蝉は地上に出てから6日くらいで亡くなる。人もせいぜい平均寿命で言えば90歳弱。蝉の間断ない声の長さの中に入り込み、その一生を直観してしまったのだ。蝉の一生の無力さ、たよりなさに、自分の一生も引き当てて見ている。

人間は、何一つ自分の思うとおりになりはしない。これがもののあはれ。

それでも何の問題がないことを知るのが悟り。芭蕉はそれを知っていた。

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