◎足の踏みつけと踏みこみ
◎丹田を錬る-12
(2021-03-10)
肥田春充によれば、踏み込みはつま先でやり、踏みつけは踵でやる。踏み込みは敏捷を司り、踏みつけは強固を司る。彼は特に踵の踏みつけが最強として重視する。
そしてつま先のアングルは正面を向くこと。踵の踏みつけの強弱は中心力(丹田)の強弱に正比例する。その上で、眼光を定め、呼吸を整え、精神を集中したのが真の気合だと説く。
この修練により、頭寒足熱を実現できる。
また肥田は、観劇、スポーツ観戦などで観客が感情が激して立ち上がることをして、『激烈な感情は(意図せず)足に来る』と見る。この原理から合理的な足の踏みつけは、意志力の養成となるとまで推論している。
彼は、足の使役と目の支配は、面白い課題であって、禅の修行法の根幹もここに隠れているのではないかと見ている。
また動作のスタートでは足は0度だが、三船八段の空気投げの姿勢も踊りの名人の両足の開いている角度は90度になるとも語っている。
(以上参照:聖中心道肥田式強健術 肥田春充/著 壮神社P132-137)
禅では、半眼で目の支配のレベルを半分にする。一方で、作務と経行で足を動かさせる。その上で、公案禅や無字などのマントラ禅に取り組ませる。
また現代のライフ・スタイルは、『目の支配』が強烈であって、足を動かして丹田強化がそれを緩和させる機能を持っている可能性があると思う。