◎健康第一
(2011-01-17)
佐保田鶴治は、ハタ・ヨーガの第一人者であったが、先年騒がれた某教団の研究テキストの主たる部分は、佐保田鶴治の紹介したシヴァ・サンヒターであったのではないかと思う。佐保田鶴治がシヴァ・サンヒターをもたらした意義は大きかったように思う。
佐保田鶴治は、以下に自分の解脱観を紹介しているが、これを見ると、彼はクンダリーニ・ヨーギではなく、ハタ・ヨーギであったことがよくわかる。健康第一で、人間としての現実感が揺らいでいないようにみえるのだ。
『落ち着いた、静かな、そしてあったかい、そういうものが人間の中でどんどん成長してゆき、その反対のものが押さえられてきて、自分のエゴというものがそれほど力を持たなくなると、やがてその果ては、無限の世界、自由な世界となってゆくんです。
これが解脱だなあ、とおもうんです。
だから私は解脱には行っていませんけれど、解脱の方向に行ってるということは感じているんです。』
(八十八歳を生きる/佐保田鶴治/人文書院P104-105から引用)