◎カイバリヤから世界平和へ
今ネットでヨーガと言えば、ハタ・ヨーガのこと。ハタ・ヨーガをやると身体快調で、健康回復、老化防止、気力回復にも役立つなどいいことづくめだと宣伝するものだ。
※クリヤ・ヨーガとはクンダリーニ・ヨーガのこと。
だが、パタンジャリのヨーガ・スートラを見ると、ハタ・ヨーガの位置づけとは、身体の快適さ、健康増進ではなく、人間のあらゆる苦悩からの解脱、カイバリヤである。
パラマンサ・ヨガナンダの説明では、まずハタ・ヨーガとプラーナを用いた呼吸のコントロール、オームを学ぶ。
その後サンヤマ(ヨーガの8行法中の、総持(ダーラナ)、定(ジャーナ)、三昧(サマディー)を同時に行うのをサンヤマ(samyama)という)を行い、最後は、独存(カイバリヤ)と呼ばれる神人合一を目的とする。
ただしサンヤマと言っても、有相三昧、無相三昧は、それ自体神人合一だから、サンヤマを経てから独存なのかと見るとわかりにくい。
パタンジャリのヨーガ・スートラでは、超能力の説明が沢山書いてあるが、超能力をバンバン使いなさいと言っているわけではなく、超能力を濫用するようでは、先のレベルには行かないので、用いてはいけないと注意のために置いてある。
ハタ・ヨーガで得られる健康も、それが単に快適な生活を暮らすことに留まるならば、本当の愛にも真理にも智慧にも出会うことはない。
今ウクライナで戦争が始まっているが、ハタ・ヨーガからクリヤ・ヨーガに進んでカイバリヤを実現する人が増えなければ、世界平和はないだろうということはある。