◎世界は天地がひっくり返るような変革に近づいている
セザールへの手紙の続き。
『なぜなら火星 (戦争)がその世紀 (二〇世紀)を終了させるのだが、その最後の期間の終わり(一九七五―一九九九年)に火星がその世紀を支配するからである。これら異変のいくつかは数年間は宝瓶宮〔一月二一日-二月二〇日〕に、また他のいくつかはさらに長年月にわたり巨蟹宮〔六月二二日―七月二三日〕に集中するだろう。―今、永劫不滅なる神の全能に助けられて私たちは月(共和国)に統轄されていて、月がその周期を完(まっとう)するや、太陽(君主制) に、続いて土星 (黄金時代) (一九九九年以後は宝瓶宮の時代)に統轄されることになろう。
というのは、天の徴にしたがうと、土星の統治が再びめぐって来るからだ。いかように予測しようとも、世界は天地がひっくり返るような変革に近づいているのだから。それは私が今これを認めている現在から一七七年と三ヵ月十一日先(一五五五年に一七七年を加えると一七三二年になり、ノストラダムスが革命思想の父とみなすジャン=ジャック・ルソーがパリへ出た年を指す)までにわたっており、世界は疫病と長い飢饉と戦争と洪水で、現在からあらかじめ定められた期限までの間に、覆い尽くされることだろう。前後、人類は何度にもわたって減少し、ほとんど絶滅してしまうものだから、土地を占有しようとする人もいなくなり、土地はかつて耕やされていたのと同じくらい長期間、耕やされなくなってしまうだろう。 』
(時の旅人ノストラダムス ミシェル・C・トゥシャール ボーダーランド文庫角川春樹事務所P267から引用)
今はまだ、戦争が盛んにおこなわれているから火星 (戦争)の時代。
月(共和国)の時代は、民主主義の時代であって、今の時代。
太陽(君主制)の時代は、今からは想像しにくいかもしれないが、世界が一人の帝王を戴く時代。
以上が、人間が世俗世界の王、主催者、統治者となる時代である。
土星 (黄金時代)は、至福千年、千年王国、みろくの代。これ以後は、神人合一した人間が世俗世界の王、主催者、統治者となる時代である。この時代は人類全員が神知る時代だから、もはや世の中に宗教はない。この時代は神主主義の時代とも呼ばれる。
上掲『土星の統治が再びめぐって来る』とは、それ以前の黄金の神主主義の時代はアトランティスにもあったことを意識しているのだろう。
この本が書かれたのは1555年。1999年の恐怖の大王は時期がずれた。その伝で、現在から一七七年と三ヵ月十一日先を考えるのだろう。
これは、出口王仁三郎が、大本神歌の大変動のある年を、戊午ではなく、戊の、午の春夏秋と書いてあるのと同じ心だろう。
ノストラダムスは、世界は疫病と長い飢饉と戦争と洪水の繰り返しで人類はほとんど絶滅するが、若干は残ることを想定している。そういうわけで、ノストラダムスは、人類の一旦全滅後の復活という未来像は採用していないことがわかる。人口はだいぶ減るが、今の人類は存続して、至福千年に入るのだ。