◎クンダリーニ・ヨーガの全貌-1
◎死の世界・死の技術
クンダリーニ・ヨーガとは、人間あるいはアートマンが中心太陽(神・仏・ニルヴァーナ・大日如来・道)なるブラフマンと合一することを最終ステージにおいて目的としている冥想手法群のことである。
クンダリーニ・ヨーガなる冥想手法の特徴は、その進歩が全く漸進的であって、一気呵成にゴールを目指す只管打坐とは異なった風光となる。
クンダリーニ・ヨーガとは、ずばり死の世界をクリアすることで生の世界を完遂する技術のこと。その前提として、この世は大半が死の世界であり、その死の世界のごく一部に生の世界が存在しているというクンダリーニ・ヨーガに共通した世界観がある。それは彼らにとって一つの見方としての世界観ではなく、紛れもない現実そのものである。
よってクンダリーニ・ヨーガとは死の技術なのである。死の技術は、現代人なら髑髏を使ったパンク・ロックのファッションみたいなものを思い浮べるかもしれないが、もっと厳粛で純粋でまじめで、精密なものである。
またクンダリーニ・ヨーガの窮極というものは、あまりにも日常体験とも日常生活ともかけ離れているので、過去具体的にこうこうこういうものであると描写してきたものはかなり限定される。それは以下のようなものである。
『ニルヴァーナのプロセスとテクニック/ダンテス・ダイジ/森北出版』
(プロセスも含め端的に記載。肉体を出でて、アートマンが無限の垂直道を上昇し、絶対光に合一することを活写)
『慧命経/柳華陽/たにぐち書店』
(これは道教の文献。粉砕図がそのものズバリである。)
『黄金の華の秘密/ヴィルヘルム/人文書院』
(これは太乙金華宗旨by呂洞賓を訳したもの。逍遥訣の部分がメイン・イベント部分と思われ、具体的な描写なのかもしれないが、現代社会の常識人にとって、そのものズバリとまでは言えない。
『【逍遥訣の後半部分】
そして 天のエネルギー(天心)は、上方の乾頂(中心太陽)に昇る。
天上(中心太陽)に遊び帰って行き、死の世界の至福(坤徳)を味わう。
そして奥義中の奥義をしめす一句がある。
どこにもない場所こそ真の家である。』)