◎星砂の地での命の悲しみ
(2013-04-02)
BSの民放で世界の旅番組をやることが多い。おかげでヨーロッパの古城は行ったこともないのにかなり観光させてもらったような気がする。その中でもハプスブルグ家の城砦のように、言霊による繁栄という点では徳川家の天海僧正なみのオカルティストが助言を行っていたに相違ないと想像が膨らんだものもある。
沖縄の島々もリアルで行ったことはないが、実際の駆け足観光では見れない風景、光景を取材してくれるのでありがたい。
その中で竹富島の放送があった。浜には星砂。島全体がサンゴ礁で、広東や四川や山水画で見られるような丈の低い牛を追って、白いサンゴかなんかで敷き詰められた道をシャリシャリと足音と共に進む情景が印象的であった。
竹富島はトイレも石造り。もう40年も前のことだろうか、ダンテス・ダイジは、この島で難病の筋ジストロフィーの青年と知り合ったのだ。
やがてその青年は前途を悲観して、真夜中の便所で首をつった。
半年後、ダンテス・ダイジが南無阿弥陀仏の念仏を繰り返していると、右斜め前にその青年の死霊が出現し、「一緒に死んでくれ」とせがんだ。
ダンテス・ダイジは、直ちに彼の求めに応じ、真夜中の竹富島に飛んで、家の外にある石造りの便所の換気用の隙間に棒を通して、その棒にひもを結び、首をくくり、死んだ。
ダンテス・ダイジは、この時「その友人の人間の果てにある孤独感を理解した」と書いているが、これぞ『命の悲しみ』である。
沖縄はダンテス・ダイジゆかりの地であるが、私はまだ足を踏み入れたことはない。ダンテス・ダイジは南方系の転生者だが、私は北方系ですから、暑いのはどうも・・・。