ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

旅しながら淡々と写真を貼る~熱海

2012-05-07 | お出かけ

真珠湾第二次攻撃を読もうと思ってページを開いた方、すみません。
ちょっとブレイクして、「旅淡シリーズ」を挿入させていただきます。

連休の間、何かと用事が多く、結局いつもどおりに近い生活をしていた我が家でしたが、
土曜日の朝、あまりに天気が良いのでふと思いつきで熱海に行ってきました。



こんなとき車で行くのは無謀。
何と言っても新幹線に乗れば、30分で熱海についてしまうのです。
さすが、関東のお座敷(死語?)と言われた熱海です。
我々は関東で育っていないので、熱海が新婚旅行のメッカとして輝いていたことや、
宴会と言えば熱海、みたいな関東人なら誰でも持つイメージを全く持っておりません。



駅前の通りはいまだにこんな感じです。昭和って感じですね。
人通りが無いわけではないのですが、テナントの入っていない空き店舗も多く、
たまに店構えが新しい一角があると思ったら「コリアンパブ」ばかりがずらっと並んでいたり、
なんだか往年のにぎわいも今は昔、のうらぶれた風景でした。

 

いたるところにつわものどもが夢の後。
ホテルだったのかどうか、廃墟のままになっている場所が非常にたくさんありました。
海抜が高いとはいえ、この辺一帯崖の上みたいなところですから、
地震が明日にもきそうなことをあおる学者などもいる昨今、わざわざここにリゾートを立ちあげたり、
ましてやマンションを作ろうとする業者もあまりいないのでしょう。



公国、です。つまり、このリゾートには公爵がおられるようです。
バブル時代の温泉ブームの頃、今までのおじさん中心の温泉リゾートはもう古い、
「女性を呼べるような温泉に」、と競ってホテルのリニューアルをしたそうですが、
どうもここもそうだった模様。

 

こっちが旧館。
開業時は「ホテルニューアカオ」だったわけですね。
「ニュー」をつけるのが流行っていた時期ですから、おのずとその古さが偲ばれようと言うもの。
この旧館は、右写真のように崖の斜面に添うように建っており、ロビーが17階にあります。
中は昭和そのもので、カラオケ屋と足裏マッサージ(スタッフ全員中国人)と、
その横に魅惑の変身スタジオ(お姫様ドレスを着て写真を撮る)なんかがあり、
レトロな雰囲気を模した屋台横丁もあります。



息子が「ラーメン食べたい」というので、この横丁でラーメンを着いた日の昼いただきました。
裕次郎のポスターが、昭和っぽさを一層盛り上げております。
味は・・・・・「人んちのおばちゃんが作ってくれたラーメンレベル」かな。
美味くもなし、不味くもなし。



泊ったのはニューアカオの方ではなく、新館の「ロイヤル・ウィング」の方。
ベッドでなく、洋室にたたみを乗せて、このようにお布団を三つ敷ける部屋。
女子グループやうちのような三人家族向けの仕様です。
因みに奥にテレビがありますが、当然のように一回もつけませんでした。

しかし、温泉旅館にありがちなこととして、インターネット設備は皆無。
わたしの携帯wifiも、全く電波を受信しません。
パソコンから離れるためのお出かけのようなものなので、普段なら全く問題はありませんが、
今回はたまたま「パールハーバー」を作成中に衝動的に旅行を思いつき、出発してしまったため、
なんとかこれを仕上げたいものだと思って、ホテルのロビーに行ってみました。

しかしページが変わるのに、まるまる数十秒を要すような調子でまったく捗りません。
いらいら倍増。何のために旅行に来ているのか、わたしは。

そんなときはあっさりとあきらめるのが吉。
せっせとお風呂に入っていたところ、Toが仕事先から合流してホテルに到着しました。
昨日買ったばかりというwifiが無茶苦茶優秀で、そんな感度の悪い崖の上のホテルの一室でも
恙無く家族全員部屋で仕事をすることができたのでした。
それにしても、wifiも日進月歩ねえ。

 

ところで、ラーメンを食べに息子と一緒に旧館に向かっていたときのこと。
いきなり「ぱりん」と何かが割れる音。
「え?」
かけよってみると、



歩道のタイルが音を立てて外れたのでした。
「・・・・なにこれ」
「「地面が動いたってこと?」
「・・・・地震、クル?」
(息子、心配そうに)「ここで来たらどうなるの?」
「津波が来ても崖の上だから大丈夫。それより建物ががけ崩れで崩壊する可能性があるな」
ちょうどこの日は、「スーパームーン」で、お月さまがやたら大きく、



「今日の夜地震が起こっても全く驚かない」
「やだー」
などといって喜んでいたのですが、何もなくてなによりでした。
でも、あのタイルが跳ねたのだけは、意味がわからなかったなあ。

 

夜はそれなりの温泉旅館っぽい夕食を食べ、開けて翌朝。
家族思いのToが、皆のために貸切風呂を借りてくれました。

 

男性陣が「熱かった」といって早々に帰ってきたので、わたし一人で40分近く、
海風に吹かれながら、のんびりとお湯につかって、温泉を満喫しました。
何カ月に一回か「温泉欲」が抑えきれなくなって、温泉と海のあるところに出かける我々。
息子は、親の影響でときおり「温泉行きてえ」と12歳にして呟く、爺むさい少年です。



この日は連休最終日、日曜日で、崖の下では釣りをしている人影が見えました。
さて、この公国は山を一つ所有しており、「ハーブガーデン」というちょっとした
植物園のような公園をホテル宿泊客への観光の目玉にしています。

今回、なぜToがここを(勝手に)予約したかというと、彼は昔、職場の大々的な打ち上げで
ここに泊り、夜には天使の羽のようなものを背負ったロシア人のダンサーのショーを観て、
次の朝、チェックアウトのあとにこのガーデン見学をした、という経験があるのだそうです。

ショーはともかく、ここにはぜひ一度連れて来たかったから、という理由によるものなのでした。


バスがホテルから出ていて、山のいちばん上まで連れて来られ、皆斜面を歩いて降ります。
で、一番上に(おそらく昔から)あったのが、小さな神社。
ここの絵馬を、ちょっと写真に撮ってきました。



真面目そうな女性、といった気がいたします。
まだ素敵な男性には出会えていませんが、来年結婚したい、と目標がやたら具体的です。
恋愛をしたい、っていうお願いじゃないんですね。
でも、恋愛を結婚と「別もの」にして扱う、なんていう考えの男女が増えた結果、
恋愛はすれども結婚せず、みたいな不埒な?カップルが些細な理由でくっついたり別れたり、
結果、結婚って何?みたいに皆が思いだし、少子化がどんどん進んでいったのではないかと。
難しいことを何も考えずに、ただ結婚したい、これじゃなぜだめなんでしょうねえ。
思うに、恋愛と結婚は、一部しかリンクしないんですよ。
恋愛は結婚の動機になるけど、結婚生活に必要のなのはむしろ恋愛より友情だからねえ。
この女性にいいご縁がありますように・・・。



かと思えばこんな女性も。
「いつか○○(男性名)が迎えに来てくれますように・・・・・」
これは、いかなる状況でしょうか。
男性がどこかに行ってしまったのは確かのようです。
「迎えに来る」とは?
この女性は、なぜ、男性に自分から会いに行けないのか。
もしかしたら、既婚者で、今の状況(旦那がDV男とか)から連れ出してほしいのか?
それにしても・・・今日明日ではなく、すぐにでもなく、「いつか」です。
なんだか、あまり現実味の無いお願いに思えます。
この女性が現在あまり幸せそうではないらしいことだけは、わかります。



向井安全。
こんな四文字熟語、ありましたっけ。
家内安全の書き間違い?
それとも、向井さんの家内安全?
もしかしたら人の名前かもしれないと思いつつ、あまり不審なのでつい撮ってしまいました。
横の絵馬の絵が可愛いですね。

さて、ここは、セクションごとにテーマが違って、日本庭園に始まり、イングリッシュガーデン、
ハーブガーデン、その他、と続きます。

 

深い哲学的意味を持たせて配置してある京都の庭と違って、ここのは
何となくきまぐれで置いてみた、という感じの敷石の配置です。
こりゃどう見ても巨大な肉球にしか見えません。

冒頭の写真は、イングリッシュガーデンに咲いていたラナンキュラス。
文京区在住のとき、小さな庭があったのでこれを咲かせたかったのですが、都内の
高温多湿、ことにあのあたりの風の無い都市型焦熱気候では、全く不可能でした。
ここくらい風通しが良くて日当たりも良ければ、何でも育つんでしょうけど・・・。

  

 



ここは、ガーデンウェディングもできるのですが、その際鳴らす鐘が(多分)これ。
二人で鳴らせば愛が成就する、というようなふれこみで作られたのもだそうです。
もともとはいつも鐘を鳴らす紐がついていたのだと思いますが、紐が垂れていれば引っ張る、
という人の習性により、皆がやたらカンカン鳴らしてひんしゅくを買ったのか、それとも、
紐がすぐに切れてしまうのか、なにしろ、手の届かないところに鐘だけがぽつんと。

「ハイ・アタックで鳴らせるでしょ?アナタバレー部だったんだから」
とけしかけあっていた女子会の皆さんあり。


下りといえども斜面や小さな階段をずっと降りて行くのは、なかなか大変。
ましてやこの日のようにお天気が良すぎると、元気な人でも「ああ、休みたい」と思います。



ちょうど誰もがそう思うころ、そこに忽然と現れるアイスクリーム売り場。
皆、当然のようにここで一つ600円の(高っ)バラのアイスクリームを求めて脚を休めていました。



バラのアイスクリームはバラの花びらのジャムをかけ、中にも花びらが混入しています。
大変!美味でした。
そして、喉も渇くんですよね。これだけ歩くと。
右からバラのジュース、バラのお酢ジュース、バラのお茶。
バラの香りがして、かつ甘くないバラのお茶が、家族全員の取り合いになりました。

ところでわたくし、まさか熱海の温泉に行って山中を行軍するとは全く予想していなかったため、
この日、素足にサンダルという、とんでもない装備で散策をしてしまいましたの。
いやな予感はしていたけど、イングリッシュガーデンのあたりから足の裏が痛くなり、
バラのアイスを食べたところでもう我慢できない状態。
「ディズニーランドやUSJでピンヒールを履いている女子は頭が悪い」などと
偉そうに書いておきながら、傍目には全くそれと同じ愚を犯しているヒトになっていたのです。
この後、バスに拾ってもらい下山して、そこにあった絶景レストランでランチを戴いてから
熱海の駅までたどり着いたわけですが、
そこでふと、この日が連休の最終日で、新幹線が全線満員御礼状態であることに気づきました。

いや、わずか30分、平時ならハイヒールのサンダルだろうが何だろうが立っていることくらい
何でもありませんが、この散策の後、しっかり足の裏にマメを作ってしまったエリス中尉、
デッキでキャリーバッグに座って何とかしのぎ、駅からはタクシーでなんとか家にたどり着きました。
靴を脱いでしばらくは、歩くたびにマメが押されて大変つらい思いをしました。

とはいえ、爽やかな初夏の風と緑を思いっきり楽しむことができ、
いろんな意味で連休らしいお出かけとなり、家族一同大満足の熱海でした。
熱海のイメージも少し変った気がします。