橋下徹という政治家には、これまでの政治家がほぼ全員防御としていつも持っている
「政治家独特の蝙蝠的曖昧さ」がありません。
一人の人間が政治に携わるとき、そこには必然的に矛盾する立場が生ずるわけで、
一人でも多くの国民に支持してもらって初めてその職場に立てる政治家としては、
あまり立場をはっきりさせすぎると、敵を作ることになり、票を失う。
例えば民主党だからという理由だけで国会議員になったような連中は、「党の方針」
例えば外国人参政権だの人権擁護法案だの、論議がされておらず危険性も指摘される
これらの民主党案について、なんら意見も持たず、しかし地元有権者からは圧倒的に
「そんなもん通したらただじゃすまないからな」と言われ、ひたすら「それについては触れない」
で任期を過ごしているのだそうです。
それどころか、前回大敗した参議院選挙では、「民主党」ということをできるだけ言わず、
「隠れ民主」として選挙戦に臨んでいた候補者が多数あったと・・・。
次の衆院選には、民主党であったことを堂々と言いながら選挙戦を戦える民主議員、
果たして何人いるかしら?
おそらく「元民主議員」も含めて、選挙前にはブラックリストが出回るから覚悟するがいいわ。
前置きが長くなりましたが、橋下市長です。
今まで誰も怖がって手をつけなかった既得権益をばっさりとやってしまったことで、その
「既得権益」を得ている団体及びそれを支持する論陣から、まずはバッシングされました。
敵を作ることを前提に政治活動を行う、というのは、その政治目的のいかんを問わず、
この日本では非常に勇気のいることであると思われます。
わたしの結婚式の立会人に来て下さった知人に、元女性閣僚であった政治家がいます。
この方の在任時、わたしは全く政治に関心を持っていなかったので、彼女がどのようなことを
政治家として行ったのか全く知りません。
しかし、実際この方と会話することになったとき、ちらっとですが、
「実際大臣の席にあっても、自分の考えで政治を動かすことなど全く不可能だった」
というようなことをおっしゃっていたので、心からショックを受けた覚えがあります。
はっきりとはおっしゃっておられませんでしたが、つまりは大臣として決定することは
全て規定事項であり、どこからか出てきたものを、形の上で承認するだけの仕事だったと。
現在、例えば、メディア記者上がりのこども財務大臣が、いきなり
「(実質ゴミに等しい)韓国国債を購入する」
などと言いだして皆があっけにとられているわけですが、これもまた彼女の言から判断すると
「官僚がどこからかの意を受けてそう決めたので、大臣としてそれを決定したことにしている」
のだな、とわたしは理解しています。
このように、政治家が自分の正しいと思われる考えを政治に反映させることが難しい日本で
橋下市長のように「政治家個人が正しいと思われる政治」を実行にうつせた政治家が
これまでいなかった、ということだけは確かです。
橋下氏を全面的に支持するか?
と聞かれると、確かに一部政策には「それはちょっと」と思われる部分
(TPP参加推進とか特別永住外国人に限り参政権付与とか)もあり、
必ずしも「全面的な支持」はできないわけですが、これは当然でしょう。
橋下市長自身の言葉を借りれば「全ての人が納得する政治はありえない」のですから、
政治家を選ぶのは「その政策と自分が政治に期待する部分の共通項の多さ」という点に、
言葉は悪いですが妥協するということであると思うからです。
たとえ橋下氏を熱烈に支持している人達でも、必要に応じ、政策ごとに彼の考えに対して、
批判するべきはするのが健全なあり方だと思うのですが、いかがなもんでしょう。
とにかく、今までの政治家は、前市長、前知事も含め、ダークな部分を見てみぬふりし、
全く手をつけず、手を汚さず、なあなあで、
「信頼もされず、敵にもされず、いつも静かに笑っている」状態でやってきたわけです。
なぜなら、一旦その汚い部分に手を入れたら、そこに連なる「反対派」が、
一族郎党引き連れて激しいバッシングを始めることは、火を見るより明らかだからです。
(それを試みて斃れていった政治家は数多くいると思われます)
ところで、橋下市長をバッシング、あるいは誹謗する論陣には見事に共通点があります。
それは、彼らには「橋下氏の何を非難しているのか」が明確にうち出せないこと。
例えば、君が代起立問題も
「公務員である教員が会社員であれば会社の決まりに従うように、国に従うのは当然だ」
この理論に対して、それはごもっとも、と思える反論は一つもない。
そりゃそうです。
「君が代を歌ったら軍靴の足音や、南京で殺された中国人少年の悲鳴が聞こえてくる」ような
方々の思想を、つまり「よし」とするところに立っているからこその反対で、そこにはただ
「君が代国旗反対」という結論ありきの反発しかないからです。
そして、公務員の刺青問題。
公務員になぜ刺青をしているような種類の人間がいるのか?という大疑問は置いておいて、
「公務員が刺青しちゃダメ」
この意見に対して、どのメディアが納得のいく反論をしたでしょうか。
要するに、既得権益を得ている「ある層」の人々を守りたい、それだけが反対理由だからです。
そこで、メディアは眼を覆うばかりの苦しい反論を・・・(涙)
「昔の日本人は皆刺青をしていた」毎日新聞
「海外では刺青的なものを楽しんでいる」仙台市長
「刺青を消すために刺青を焼ききった人の肌はむごいものだった。
橋下氏はそのようなむごいことを、平然と要求するのか」雁屋哲
「ちゃんとした理由で入れている人もいる」小森純(←誰?)
いや、もう、恥ずかしくない?
だれが見ても無理ありまくり。公務員が刺青をしていていい理由になって無い。
おまけに、マスゴミは、こんなことを反論させるのに無名タレントまで動員して・・(嗚咽)
それと、小森とかいうタレントさん、ちゃんとした人は普通刺青なんてしないのよ。
そのほかの皆さんも、ここは日本で、現在は
「刺青しているのはスジ者か、そう見られたい人種」
というのがほぼ世間一般の認識ってやつなんですが、そう思わない?
テレビの討論番組では、今のところ、
香山リカ(精神科医、通名中塚尚子、本名金梨花)山口次郎(北大教授)
森永卓、山下芳生(共産党)、薬師院仁志(帝塚山学院教授)
などの面々が、反論すべき明確な理論を持たぬまま、ただ橋下憎しの一念で論戦を挑み、
論戦というレベル以前でコテンパンに言い負かされて、死して屍拾うもの無し状態。
こりゃー、あれですね。
至急メディアは、橋下氏に打ち勝てるような人材を探してくるべきかもしれません。
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それにしても、メディアや左派(ですよね?)既得権益グループが束になってかかっても、
倒せないという現状。
「橋下氏は弁護士だから口で勝てるわけない」
という意見をしばしば目にしますが・・・
わたしはこれに疑問あり。
「橋下氏の弁論に勝てない」というより、つまり
「橋下氏の言っていることが普通に正論なので、反対しようがない」
というのが実のところではないのかと。
というか、なぜ誰が見ても正論でしかない部分にに突っ込むかな。
もっとほかに突っ込むべき政策方針があるんでない?
それが証拠に、遂に出た。
スピーチ&演説分析家(←職業?)の川上徹也という人が
「橋下氏のスピーチはヒットラーの手法」
という意見を引っ張り出して「悪名高いヒットラーと・・・」という修辞をつけつつ、
橋下=ヒットラー説を打ち出し、それをメディアは嬉々として報じています。
(つまり川上氏は著書を宣伝しているだけなのですが)
正論を突き崩せなかったら、今度は印象操作。
自分たちに都合のいい人物なら「リーダーシップ」
都合が悪いと「独裁者」「ヒットラー」「金正日」
国民を愚民扱いして、メディアの偏向報道がいまだに彼らを簡単に先導できると思っているなら
それはインターネットの無かった時代のアドルフ・ヒットラーと全く同じ考えですよ。
そうでしょう?反橋下の皆さん。
追記:
わたくしとしては、反橋下派には、君が世やら刺青やらの件ではなく、ぜひ、
永住外国人参政権付与、TPP賛成への反論を携えて論戦を挑んでいただきたいのですが、
どうも反橋下派って、これらの橋下案については意見しない傾向にあるんですよね。
不思議なことに。
反橋下の国民は「マスコミは橋下を異常に持ちあげている」なんて言っているようですが、
こと教育と既得権益問題については、どう見ても明らかにバッシングしているし。
つまりマスコミの立場は「反君が代、日教組応援、TPP賛成、外国人参政権大賛成」
ってことでOK?
やっぱり、現状、マスコミが一番問題なのでは?と思うのはわたしだけでしょうか。