らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「パンの耳」について

2011-10-06 | 雑学

毎朝、食パンを食べている人が多いと思いますが、食パンの周りを囲む硬い部分を何故「パンの耳」と言うのでしょうか?
調べてみました。

「パンの耳」の言葉は、人間の「耳」に由来しているようです。
一般的に物に名前をつける時、既存の物からの類推や例えを用いるのはよくあるようです。
例えば「机の脚」ということばがあります。
「脚」とは、本来人間の体の下にあって体を支える働きをする部位を指しますが、この支えているという点に着目して、机の本体を支えている部位を人間の脚に例えて名付けられたようです。
他にも、「釘の頭」,「壺の肩」などがありますが、これらも人間の体にあたる部分からの類推によるものです。

「耳」の場合も同様です。
「パンの耳」の場合は音を聴くといった「耳」の働きではなく、人間の顔における耳の位置に着目しています。
すなわち「耳」は人間の顔の端にあります。そこで何か平面的なものの端に位置するものを人間の耳に例えて「耳」と呼んでいるものです。



他にも、「金銭を不足なく用意する」ことを「耳をそろえる」とか、「紙の耳、布団の耳をそろえる」などにも耳が使われています。
「お金の耳を揃える」というのは札束の端を揃えるという意味ですが、この場合もやはり人間の「耳」からの類推で、江戸時代には小判の縁のことも「耳」と呼んでおり、何枚もの小判を重ねることを「小判の耳をそろえる」言っていたようです。

一方、関西ではパンの耳を「パンのへた」という人少もなからずいます。
「蔕(へた)」とは、ナスやトマトの実についているガクのことですが、そこには「役に立たないもの、すぐに捨てられる物」という意味があります。
しかし、「パンのへた」は別で、「へり、ほとり、はた」を意味する「辺・端(へた)」に由来するもので、ここから「パンのへた」が使われるようになったようです。

要は、パンの「耳」も「へた」も同じ意味の端っこを指す言葉で使われているものです。
「パンのへた」を使用している関西の人達はこの事まで理解しているのかどうか知りませんが、下手(へた)な勘ぐりは止めておきましょう。

参考までに英語では「heel of bread(足のかかと)」と言うそうです。
日本が顔の耳で、英語圏は足のかかとなのですね。