らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

置いてきぼり

2015-04-22 | 雑学

昨日、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に日本も参加しないと「乗り遅れる」と言って、不安を煽る評論家がいることをご紹介しましたが、記事を書きながら、ふと「乗り遅れる」の同義語に「置いてきぼり」があったことを思いだし、その語源を調べてみることにしました。

「置いてきぼり」の「置いてき」は「置いて行き」と想像がつきますが、「ぼり」は何の事だか分かりませんでした。
調べてみると、「置いてぼり」は「置いてぼり」が転じた語でした。
「置いてけぼり」の「ぼり」は「堀」のことで、置いてけぼりは漢字で「置行堀(おいてけぼり」と書き、江戸本所(東京都墨田区)を舞台とした本所七不思議の一つで、江戸時代の怪談話「置いてけ堀」の故事に由来するようです。

その故事とは、
江戸の本所(現在の東京都墨田区)一帯には堀が多く、江戸時代には格好の釣り場でした。
ある日二人が釣りに出かけると、その日は特によく釣れました。
夕暮れ時にはすっかり魚籠がいっぱいになり、さて、帰ろうかとしたところ、何処からともなく「置いてけ~、置いてけ~」と言う声が聞こえてきました。
一人は気味が悪くなり、釣った魚を全部返しました。
もう一人は魚を惜しんで逃げようとしたところ、堀から出てきた長い手に掴まれてアッと言う間に引きずり込まれて殺されてしまったと言うことです。

この故事が由来となって、「他の者を見捨てて去ること」や「置き去りにすること」を「置いてけ堀」と言うようになりました。

・歌川国輝の『本所七不思議之内 置行堀』の画です(ウィキペディアより)


「置いてけ堀」の奇談は、東京の堀切駅近くの地にも嘗てありました。
ここには「置いてけ堀」と呼ばれる池があり、ここで魚を釣った際には3匹逃がすと無事に帰ることができるが、魚を逃がさないと道に迷って帰れなくなったり、釣った魚をすべて取り返されたりするといい、千住七不思議の一つとされたそうです。

更に、埼玉県の川越地方にも「置いてけ堀」という場所があり、やはり魚が多く釣れるにもかかわらず、帰ろうとすると「置いてけ、置いてけ」との声が魚を返すまで続いたと言われています。

「置いてけ堀」の奇談は各地に存在しているようですね。