梅雨前線が日本列島付近に停滞し、各地に記録的な豪雨をもたらしていますが、先日、豪雨のニュースを観ていた時の天気図で、梅雨前線の中に寒冷前線が表示されていました。
梅雨前線の中に寒冷前線がつながっている!?
こんなこともあるのか?
前線については中学校で習ったように思いますが、半世紀以上経ってすっかり忘れています。
そこで、今日は前線の種類と特徴について「お天気.com」からご紹介します。
「前線とは」
まず、前線とは、冷たい空気と暖かい空気の境目で地表と交わる部分をいいます。
発源地の異なる寒気団と暖気団が出会うところでは、2つの気団はすぐには混ざらず境界ができます。
寒気団の空気は暖気団の空気に比べて密度が大きいので、寒気は暖気の下に潜り込むように入り込みます。
この2つの気団の間で気温が移り変わる層を前線面といい、前線面が地表と交わる線を前線といいます。
「前線の種類」
前線には、温暖前線、寒冷前線、閉塞前線、停滞前線の4種類があります。
梅雨前線や秋雨前線は通常、停滞前線になります。
・「温暖前線」
温暖前線は寒気より暖気の方が勢力が強く、暖気が寒気を押すようにして進む時にできる前線です。
(特徴)
温暖前線が近づくと、気温と湿度は次第に高くなり、気圧は急速に下がります。
温暖前線が通過すると気圧はほぼ一定となり、気温と湿度は不連続に上昇します。
降水の範囲は前線から300km程度で前線に伴う雨は、通常、絶え間なく降り、降水の強さもあまり変化しない事が多いということです。
・「寒冷前線」
寒冷前線は暖気より寒気の方が勢力が強く、寒気が暖気を押しのけて進む時にできる前線です。
(特徴)
寒冷前線が近づくと気圧は下がり始め、前線の通過後には急上昇します。
気温と湿度は前線の通過前は高めですが、前線の通過後には急激に下がります。
風は前線の通過前は南東~南西の南よりの風ですが、前線の通過後には西~北西に風向が急変する事が特徴です。
降水の範囲は10~100km程度と狭くなりますが、前線にう伴う雨は強弱の大きいしゅう雨(にわか雨)となり、激しい雷や雹、突風などを伴う
事もあります。
・「停滞前線」
停滞前線は暖気と寒気の勢力が同程度で前線がほとんど動かない(停滞)前線です。
(特徴)
停滞前線付近では地上の天気図の等圧線と500hPaなど高層天気図の等高度線が平行になる事が多くなります。
停滞前線はどの季節にも表れ、梅雨季の前半の梅雨前線は停滞しやすい特徴があります。
・「閉塞前線」
閉塞前線は温帯低気圧の域内で、寒冷前線が温暖前線に追いついた時にできる前線です。
(特徴)
温暖前線と寒冷前線の交わった点は閉塞点と呼ばれます。
温帯低気圧は発達する過程で寒冷前線が温暖前線に追いつき、閉塞がはじまった頃(閉塞点ができた頃)が通常、低気圧の最盛期となっ
ており、閉塞された以降は衰弱期に入っていきます。
以上が前線の種類と特徴です。
中学校の時に習ったとしても、半世紀以上も前となればすっかり忘れていますよね。
この前線の区分を知った上で、天気予報を見ると更によく理解できるのではないでしょうか?
ご参考になれば幸甚です。