らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

赤間神宮の「耳なし芳一伝説」

2022-01-20 | 趣味

正月明けから寒い日が続いていることから、畑にはほとんど行っていません。
畑に行かないときは、ブルーレイに撮り溜めしているドラマを観ることにしています。
先日の寒い日には、浅見光彦シリーズの第28作「耳なし芳一からの手紙」を観ました。
この「耳なし芳一」という人物には伝説があるようです。
そこで、今日はその伝説を調べてみることにしました。

「ドラマのあらすじ」
ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は歴史探訪と観光スポットの取材で山口県の下関を訪れました。
帰途につく高速バスの車中で、浅見は池宮果奈(松本莉緒)という女性と出会います。
浅見の一列前の座席に、赤間神宮の耳なし芳一堂で見かけた古老が座ったのですが、浅見と果奈が話していると、古老が「あ、あの女にやられた!」と断末魔の声を振り絞りながら、崩れ落ちていきました。
古老は、東京・田園調布在住の永野仁一郎(勝部演之)という名前で、永仁産業の元社長です。彼の死因はアルカロイド系の毒物による急性心不全でした。

所持品には、一通の封書があり、裏には「耳なし芳一」の五文字が、中には便せんが一枚入っており、「火の山で逢おう」と書いてありました。
永野の妻・依江(池内淳子)は、浅見の母の雪江(野際陽子)の女学校時代の先輩で、雪江の憧れの人でした。

永野の遺品の手文庫から差出人が「耳なし芳一」と書かれた三通の封書が見つかりました。
各便せんには、それぞれただ一行「七分の三」「七分の四」「七分の五」と書いてあったのです。
浅見光彦は母の雪江や果奈と共に山口県を訪れ、差出人が「耳なし芳一」と書かれた手紙の謎や殺人事件の真相を追うというドラマでした。

・赤間神宮内 の芳一堂です。(ネットより)

「耳なし芳一(ほういち)伝説」
源平合戦の最後の地・壇ノ浦の戦いで入水した、幼い安徳天皇を祀っている赤間神宮は、源平合戦で敗れた平家一門を祀る塚があることでも有名です。
そして赤間神宮は、怪談「耳なし芳一」の舞台でもあります。
耳なし芳一は、赤間ヶ関阿弥陀寺(現在の赤間神宮)に住んでいた盲目の琵琶法師です。
この伝説は、あまりに美しいその調べに平家の亡霊が聞きに来るという話です。

赤間ヶ関阿弥陀寺に芳一という盲目のお坊さんがいました。
芳一は師匠を凌ぐほどの琵琶の名手で、とくに「平家物語」の壇ノ浦の合戦の弾き語りは真に迫ったものがあり、聴く人の心をとらえて離さないほどでした。

ある夏の日の夜、身分の高い方からの使者がやってきて、琵琶の演奏を聞きたいとの申し出があり、芳一は使者に連れられて大きな屋敷に向かいました。
芳一はそこで要望に応じて壇ノ浦の合戦を一心に弾き語ったところ、大勢の人々のむせび泣く声が聞こえてきました。
弾き終わると女の人の声がして、「今晩から3日間ここで弾き語ってほしい。このことは誰にも内緒にするように」と言われたのでした。

朝になり、お寺に戻った芳一は、夜中に居なかったことの理由を和尚さんに問われましたが、約束通り何も答えませんでした。
不審に思った和尚さんは、お寺の坊さんに夜中にこっそりと出かける芳一の後をつけさせました。
すると、何ということでしょうか?
安徳天皇のお墓の前で一心不乱に琵琶をかき鳴らす芳一の姿を見つけたのでした。

平家の亡霊にとりつかれていることを知った和尚さんは、これは一大事と、芳一の身体中に経文を書き、何があっても決して声を出してはならないと告げたのです。
その夜、芳一が一人で座っていると、いつものように武士(平家の怨霊)が芳一を迎えに来ました。
しかし経文の書かれた芳一の体は、怨霊である武士には見えません。

呼ばれても芳一が返事をしないでいると怨霊は当惑し、「返事がない。琵琶があるが、芳一はおらん。これはいかん。どこにいるのか見てやらねば・・・」という独り言が聞こえるのです。
怨霊は芳一を探し回った挙句、写経をし忘れた耳のみが暗闇の中で見えました。「よかろう。返事をする口がないのだ。両耳以外、琵琶師の体は何も残っておらん。ならば、出来る限り上様の仰せられた通り、証としてこの耳を持ち帰る他あるまい。」と言い、芳一の頭から耳だけをもぎ取ったのでした。
それでも芳一は身動き一つせず、声を出しませんでした。
怨霊はそのまま去って行きました。

 明け方になり帰って来た和尚は、両耳をちぎられて血だらけになり意識のない芳一の様子に驚きました。
そして、昨夜の一部始終を聞いた後、芳一の身体に般若心経を写経した際に、小僧が経文を耳にだけ書き漏らしてしまったことに初めて気付き、芳一に、見落としてしまった自らの非を詫びたのです。

その後、平家の怨霊は二度と現れず、芳一の耳の傷も無事に癒えました。
この不思議な出来事が世間に広まり、彼は「耳なし芳一」と呼ばれるようになったのです。
やがて琵琶の腕前も評判になり、その後は何不自由なく暮らしたということです。

今日は寒い冬にぞっとするような怪談話になりました。
お風邪をひかれないようにしてくださいね。