先日、「寒起こし」の記事を書いているとき、スコップで掘り起こすと書きましたが、ネットの記事ではスコップの横に括弧書きでシャベルと書いていました。
私はシャベルと言えば園芸などで使う30㎝ほどの小さなサイズのものと思っていたので、何故、括弧書きで書いているのかと思い調べてみることにしました。
「スコップとシャベルの違い」
1.地域によって呼び名が違う
スコップとシャベルは東西で呼び方が逆になっているようです。
・関東では、園芸用に使われる小さなサイズのものを「シャベル」、土木作業などに使う大きなサイズのものを「スコップ」と呼ぶことが多いようです。
・一方、関西では、大きなサイズのものを「シャベル」、小さいサイズのものを「スコップ」と呼ぶことが多いということです。
私は大きなサイズのものをスコップと言っているので、大阪に居ながら関東派のようです。

2.語源による違い
スコップとシャベルの2つ目の違いは「語源」によります。
即ち、シャベルは英語で、スコップはオランダ語が由来になっているのです。
・シャベル・・・シャベルは英語の「Shovel」が語源で、辞書では動力シャベル、小シャベルは「scoop」と説明しています。
・スコップ・・・スコップはオランダ語の「Schop」が語源で、英語ではscoop (スクープ)と言い、小シャベル、すくいさじ、ひしゃくなどの意味があります。
どちらも砂や砂利をすくうための道具という意味では同じです。
3.JIS規格の定義による区別
JIS規格(日本産業規格)では、スコップとシャベルの区別について、
①足をかけるところがあるのが「ショベル(シャベル)」で、
②ないのが「スコップ」としています。
つまり、足をかけて掘ることを目的としているのがシャベル。
足をかけずにすくうことを目的としたものがスコップとなっています。
JIS規格の定義では、関西での呼び方に近いようです。
・JIS規格では大きさに関係なく、足をかけることができるかできないかで区別しています。
一般的に、関東では小さいものなら「シャベル」、大きいものなら「スコップ」であり、関西では小さいものなら「スコップ」、大きいものなら「シャベル」と逆になっています。
そのほかにも、砂をすくう部分が平らかであるかどうかで呼び方を変える地域や、どちらもスコップ、どちらもシャベル、と呼び分けをしない地域もあるようです。
一番多い区別方法は「大きさ」のようですが、どちらで呼んでも間違いではないということです。
「シャベルはシャベル? ショベル?」
JIS規格では「ショベル」という単語を用いていますが、英語では「Shovel」と表記し、その発音記号は「(ʃˈʌv(ə)l)(シャヴァル)」のため、発音としてはどちらかというとシャベルに近くなっています。