今が敦煌のベストシーズン!
と言われて来ましたが、まさにその通りでした。
暑くもなく(ときに暑かったけど)、寒くもなく(ときにちょっと寒かったけど)、
湿度は全くなくカラッとしていて、ほんとにさわやか。
まさにこの白樺と青い空みたいなイメージで、
とても快適でした。
敦煌。
好きです。
再訪希望リストに入れました。
世界遺産「莫高窟(ばっこうくつ)」。
仏教遺跡と聞くと、ちょっと理解に困るけど、
「仏教美術館」と言われるとしっくりくる、そんな遺跡でした。
入り口には、平山郁夫先生の偉業を讃え、
師の写真とともにプロフィールが飾られている。
なんとなく、誇らしかったりして。。。
別名、「砂漠の中の大画廊」、または「オアシスの中の仏教美術館」
と呼ばれているように、
鳴沙山の東側の崖、全長1.6kmに渡る最大5層の石窟寺院の中に、
現存するだけで492窟、仏像は2000体以上、
面積にして、なんと4万5千㎡の壁画が描かれている。
つまり、それはどういうことかと言うと、
この砂っぽい岩肌に、492個の6畳~8畳くらいの小部屋がくり貫かれていて、
その小部屋の中に、計2000体にも及ぶ仏像が鎮座されていて、
また、各部屋に描かれた、宗教をモチーフとした壁画の総面積が45,000平方メートル、
つまり、その全ての小部屋と、莫高窟の表面部分にも描かれているってこと。
想像できる?
とにかく、規模がでかい。
今の人の発想では、絶対できないような建造物。
で、
この大規模な実験的?ともいえる宗教建築に意味を見つけるのは私にはちょっと無理だから、
古代の博物館と納得するしかない、みたいな。
起源は、BC4C、秦の時代、
僧侶が修行のため石窟を開いた事に始まると言われている。
それぞれの時代ごとの仏教感や時代背景、仏像、壁画などの様式や技術など、
仏教史や仏教美術を研究する上での貴重な財産が大量に残る大遺跡。
私達が今回訪れたのは、492窟の中の5つのみ。
日本で私達が目にする壁画や仏像より、時代からしてもずっと前だから
素朴で大胆なものが多いけど、
自分や、日本のルーツを知る上でも、貴重。
今回の旅のきっかけともなった、唐招提寺の平山画伯のシルクロード絵画。
莫高窟見た今、もう一度、あの画を見て、
日本というフィルターにかかったシルクロードのイメージというものを改めて確認したい、
今、そんな気分になっています。
9月30日。
敦煌も秋。既にコスモスのシーズン。
PS. 砂漠特有の乾燥した気候のせいか、壁画の顔料の鮮明な色合いや仏像、経典や古文書なども比較的良好な状態で現代まで残されていたわけですが、この時代まで残してくれた奇跡とも言えるその偶然を素直に感謝して、この大切な遺産をずっと後生に伝えていくべく、ひたむきに努力すべきと、まじめにそう思いました。まだまだ発掘仕切れていない大量な文化的資料を時間をかけて読み解いていくことによって、何世紀もの時間をかけても明かされることのなかった謎が解かれるかも。です。
PS2.訪れる人へのアドバイス。窟の中は暗いので、小型の懐中電灯を持っていくと、壁画の色なんかがよく見えていいと思います。それから狭くて結構急な階段を上るので、歩きやすい靴必須です。