名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

藤原正彦著「日本人の誇り」

2011年11月08日 23時00分00秒 | 読む

秋の読書週間。

読書ネタで。

2011年、日本人、ちょっと気合が入っています。

音楽界も、文芸も、作品に気合いが入ってる。

『「国家の品格」から6年。

渾身の書き下ろし。

日本人の覚醒と奮起を期待したい』

気合十分です。

藤原先生の「日本人の誇り」。


心から日本を愛し、真剣に日本の将来を憂えるからこそ、

未曾有の大震災に打ちのめされた人々の心を支え、

日本が抱える諸困難を解決し、復興への力を与えるのは誇りと自信であると信じ、

日本人に、叱咤とともに激励と勇気を与える本。


目からうろこでした。


日本人って、一般的に「だから日本人は・・・なんだよ。」と卑下しがちですよね。

その日本人の自己懐疑は果たして知的態度なのか、

というテーゼが様々な例が列挙されつつ、藤原流に反証されていきます。

日本人を骨抜きにしたひとつのファクターを過去の戦争認識と捉え、

その呪縛を解かんと、「真実に基づいていない」日本人の歴史認識への指摘に

かなりのページを割いていて、そこはちょっと読み込むのにしんどかったけど、

日本人がいかにステキで優れた民族である(あった)か、歴史の先生が教えてくれなかった、

優れた日本文明のすばらしさ(世界7大文明の1つと定義する学者もいるという)や、

5世紀から15世紀までの10世紀間に日本で生まれた文学作品が、

全ヨーロッパと比較しても、質および量で圧倒するという事実、

などなど、自信を失ってしまった日本人にエールを送るエピソード満載です。

こう言うと、ヒットラーのアーリア人優越主義みたいに聞こえるかもしれないけど、

決してそうではありません。

とにかく、元気出ます。

日本人でよかったな、みたいなね。

今春、日本を旅立つ同僚へのギフトはこれにしてみようかな。



日本人の誇り (文春新書)
藤原正彦/文藝春秋