ヨシムラ・サイエンス・ラボ

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金属の錫(すず)から音が出る??

2011年02月22日 | 高岡銅器
こんばんわ。

伝統工芸を材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。
今日は、高岡銅器には銅の次に欠かせない錫(すず)についてサイエンスします。

高岡銅器には青銅(せいどう)と呼ばれる銅合金が使用されています。
青銅とは銅(どう)に錫(すず)を混ぜた銅合金の一種で、紀元前4000年から使用されている最も歴史ある金属です。

この錫は、融点(溶ける温度)が230℃と低く、容易に溶かしたり固めたりできる金属の一つです。
そのため、錫は鉛(なまり)と混ぜて、電子部品を回路に取り付ける はんだ にも使用されています。

また、錫は体に対する有害性も低いため、食器にも使われます。
確か、京都の工芸品で錫でできた ぐい呑み も有名だったと思います。
科学的な原理はよく理解していませんけど、錫でできた ぐい呑み で飲むお酒は、甘くてまろやかな味になるそうです。

あと、錫は曲げたりつぶしたりすると、「ピキッ」という独特の音が発生します。
金属から音が発生するって知らなかったでしょ?
これは、金属の結晶構造が変形によって変態するためです。←ちょっと専門すぎて難しいですよね。
この現象を、錫鳴き っていうですよ。

次回も錫についてサイエンスしたいと思います。
それではまた。

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