
さて、5月22日の仙台での首都大学東京・星旦二先生の講演報告です。
先生は医学と建築工学の両方にまたがる稀有な存在。
学究でありながら、一面で叩き上げのような側面もお持ちで
話題展開の説得力に引き込まれるパワーを持っています。
最初に、最近大きな話題になってきている
ピンピンコロリ(PPK)という高齢者の生き方について触れられます。
反対概念は、ネンネンコロリ(NNK)。
長く生きたとしても、病院や介護の世話になって寝たきりを続けるのではなく
死ぬ直前まで元気で、健康な暮らしを謳歌して生きる、
そういった行動的な長寿を生きようという主張であります。
まことにわかりやすく、同意できるお話し。
先生のお話でも枕的に触れられていましたが、
日本の総医療費は約40兆円というビッグサイズ。
このお金をどのように削減できるのかどうかは、
日本の将来にとっては、きわめて大きなテーマになると思います。
もちろん近代医学の進歩によって、
さまざまな病理が解明され、長生きの条件が解明されてきたことは事実。
しかしながら、同時に血圧降下剤などの消費量が世界の半分などという
かならずしもエビデンスが明確とは言えない領域で
国富が消費されてきているのも事実。
「病理」に主体を置く医療投資ではなく、
「健康に生きる」ための投資を進めていこうと主張されています。
そのためのもっとも有効な手法は、住宅が健康を支える環境になること。
住宅性能の革新が、こうした「健康長寿」社会にとっての
不可欠なインフラになるということについては、
まことに深く同意させられる次第です。
先生の講演の内容全体については、
さっそく内容をわかりやすくテキストに変換し、
資料画像などとも照合させて、広報拡散していきたいと考えています。
どのような発表方法になるかは、今後検討していき、
適切な手段で多くの一般のみなさんにお知らせしていきたい。
これも、「行動学」の一環ですね。