三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【Amazonへの小売集中と起業の大減少】

2018年09月02日 08時31分49秒 | Weblog
きのうは親族が集まっての法事。
で古いモノを引っ張り出して、遺品とか見ている中にご覧のような
「五つ玉算盤」が出てきた。
いつの時代のモノか定かではないけれど、小樽稲穂町の
「雨傘・履物・軍手」問屋 小一・笹田茂商店という銘が背面に彫られている。
広告宣伝のひとつとして、年末年始などの贈答用として
制作されて顧客相手に頒布されただろうことが偲ばれる。
そういえば叔父のひとりが戦後復員後、小樽で商店を開業し、
商売をしていたこととなにかの関連があるのかもと想像させられた。
この笹田茂商店から商品を「仕入」て、小売り業を開業をしたのだろう。
戦後、食べていこうとなにか仕事をしようと考えたら、起業は当たり前で、
こういった「問屋」というビジネス形式が存在し、中小零細事業が
それこそたくさん生成されていったのだと思う。
その問屋の贈答品が算盤だったのは、BtoBビジネスとして自然か。
「まぁしっかり儲けてくださいね(笑)」というアピール。

総務省統計局によると、平成24年2月時点で全国にある企業数は
412万8215企業。約4割強が法人企業と言われているので、
法人企業数は約170万社。個人事業主が240万社存在する。
この状況に対して、人口減少という津波が襲ってきていると思う。
いまや空前の「人手不足」社会。
全国津々浦々での「起業」という総数が圧倒的に減少している。
考えてみれば当たり前で、既存の交通体系に寄生して発達した
都市型店舗小売りという業態自体、限界にきている。
小売りはやがて大部分がAmazon化する可能性が高い。
社会が右肩上がりで旺盛な購買意欲、
いわば「ないものを満たす」という欲求対応であった時代はとうに過ぎている。
先進国になるということはイコール、「満たされて」いることを意味する。
そういう時代では、需要はなかなか見つけることができにくい。
たぶんいまIT系を除けばふつうの「製造業・卸売業・小売業・サービス業」で
新規に起業するというケースは皆無に近いのではないか。
資本主義というものが、今後どのように未来形をつくっていくのか、
起業数の減少ということがどういうことなのか、
そんな思いで、この五つ玉算盤を見ていました。
コメント
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