三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

倉本聰さんの「住宅論」

2010年11月17日 05時56分41秒 | リプラン&事業



ことしも、臨時増刊にいくつかチャレンジしていますが、
11月18日発売の雑誌として、
「人の住まい 創るこころ」
と題した一冊を刊行いたします。
これは、東北・秋田の「地域一番」ビルダーと言って過言でない
五蔵舎の住宅作品を中心とした特集号です。
同社は、リプラン東北版発行以来、
ずっと紙上で住宅を発表し続けていただいてきました。
その創られる住宅は、まさに地域の作り手らしい
こまやかな感受性に満ちあふれていて
すみずみまで「ていねいに」創られている様子が伝わってくる家。
大手ハウスメーカーと地域の作り手の違いを
よく「地域を知り尽くした」という表現を使いますが、
そういった言い方が、どちらかといえば、
住宅のハード面の性能要件に近いものを感じさせるのに対して
同社の家では、その地域に暮らすひと、に大きくフォーカスしていると感じます。
角館の屋敷群にも通じるような
湿度のある、秋田の人間風土を表現しているかのようなのです。
そうした、五蔵舎の住宅作品代表作を特集した一冊です。

で、同社代表の岩野社長と話し合っている中で
尊敬する作家・倉本聰さんとの対談企画というのが
大きな希望としてあげられたのです。
まったく想定外のことだったのですが、
「北の国から」「風のガーデン」などの氏の代表作品には
北の地で、生きる拠点としての住宅建築への深い思いが
伝わってくる部分があり、
企画として進行させたところ、倉本さんの了解も得られたのです。
今回の「人の住まい 創るこころ」では、
巻頭特別対談として、倉本聰さんの住宅対談が掲載されています。
北の国からでご存知の、「石の家」や、「拾ってきた家」など、
ドラマを飾ってきた住宅について、独自の視点から、
倉本さんの「住宅論」が語られています。
お願いしたとき、二つ返事で引き受けてくれたのですが、
「いいよ、俺、建築、好きだから」
ということなのだそうです。
その言葉通り、セルフビルドの経験の数々は、
凛とした実体験の重みがあり、
聞く者のこころに響いてくる熱さがありました。
「人間の言葉を聞く」という思いを強く印象した対談でした。

その模様をまとめていますが、
氏の住宅論は、いわゆる住宅雑誌としては
ひょっとすると稀有なものであるかも知れません。
地域の気候風土に根付いてそこで暮らし続けてきた、生活者の目線で語られる、
いわば「北の地からの住宅論」としての意味合いも大きいと思っています。
東北と関東の有名書店で販売いたしますが、
それ以外の地域のみなさんには、
下の当社WEBサイトにて販売いたします。定価780円。
当社直販コーナー

一般のみなさんももちろん、とくに住宅専門家のみなさんにも
オススメの一冊です。どうぞ、ご一読いただければ幸いです。
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