三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

北総研実験棟内部-1

2008年04月14日 06時02分38秒 | 住宅性能・設備

さて、おとといのセミナー前に案内された北総研実験棟内部。
とはいっても、実験棟にはたいへん多くの機能があり、そのごく一部です。
わたしは北総研、何回か訪れているのですが、
今回初めて実験棟内部を拝見した次第です。
寒冷地住宅として考えなければいけないポイントに沿って、
研究実験の必要な設備がそれぞれ備えられています。
いっしょに見学した「国総研」の田島さんも感心しきりでした。
国としては、というか、温暖地・つくば市にある国総研としては
寒冷地住宅の研究については北総研に任せるというのが基本スタンス。
国土の人口比率80%以上の温暖地向けの研究は国がするけれど、
東北を含めるのかどうか、ややあいまいながら(笑)
人口20%弱程度の寒冷地住宅技術研究については、北総研をリード役に指名しているようです。
住宅研究以外の分野についてはあまり詳しくはありませんが、
国の主要な政策的課題で、1地方の設置する機関がリードしている
というような事例は、あんまりないのではないかと思われます。
先日も、中古住宅の性能向上・ストックの品質向上策についての
国のパイロットモデル事業で、北海道が推進してきた事業が選ばれ、
国の予算で継続されていくというケースがありましたが、
こと、住宅に関しては北海道の先進性にお墨付きが得られているようですね。
ただし、こういうことについての知識は一般にあまり知られていない。
また、住宅のプロのみなさんでも全然無知な人も多い。
なので、産業界的にもこういう北海道の優位性が
十分に活かされているとは言い難い現状がある。
北海道内の経済団体などで、こういう現状を説明しても理解していないケースが圧倒的。
なんとももったいない気がするのですが、オピニオンが育っていないのですね。

写真は旭川の冬の寒さを活かした「冷房装置実験」のもの。
実験棟地下にはごらんのような水の貯蔵施設があります。
ここに旭川の寒冷な冬の外気、だいたい零下20度程度を導入させて、
水を凍らせて保管しておくのです。
で、そのようにつくった氷の「蓄冷層」から1階床面に対して
冷房を供給させているのだそうです。
冬の寒さを利用して、それを夏に活かそうという発想ですね。
こうした「技術」の世界って、なるべくタダで得られる自然のエネルギーを
最大限活かして使おうと考える方向が明確。
世界の寒冷地の中でも北海道は雪が多い地帯ですから、
そうした利点を生かした研究と言うことで、
世界の中でもけっこう最先端的な分野ではないかと思われます。
スウェーデンの換気装置メーカーの技術者も大変興味深そうにしていたのが印象的。

このような研究機関で実証される成果が
やがて日本の住宅技術を高めていくこともハッキリしています。
もっと、北総研が取り組んでいること、情報共有が計られるべきではないかと思いますね。

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