三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

江戸期のシステムキッチン?

2007年11月13日 05時43分31秒 | 古民家シリーズ


いやぁ、仙台市青葉区、というのは広いです。
札幌でいえば、中央区に相当するのですが、
そういう地域も多いけれど、山また山を越えて、
どう考えても山中の森の管理人、というような風情のお宅訪問。
要するに、江戸期に建てられた森と木材の大庄屋さんと思われる古民家を
再生した工事を拝見にいった次第です。
仙台市内中心部から、車で約40分で、
山の中にある集落の中心的な位置を占めている建物でした。
ときどきリプラン誌面で紹介している
安井妙子さんの設計監修になる古民家再生の事例取材。
今回は次号東北版が宮城県仙台特集なので、その取材なんですね。
住宅については、また機会を見て取り上げたいと思いますが、
写真は、その家にあったみごとな調度品のようなかまど。
かまどって、古民家には当然つきものの炊事装置の基本。
なので、大体が機能性本位の無骨なつくりが多いのですが、
このかまど、木製の飾りがぐるっと、本体を修飾しています。
脚などは、猫足的な、雲形のような装飾まで施されている。
どう考えても、こういう装飾性は本体機能とは無縁なので、
やはり、意匠性を考えたものに間違いはない。
であるとすれば、さて、どのようなことだったのか、
想像するしかありませんね。
いろいろ、古民家は見て歩くけれど、こういうのは初めてでした。
武家などの家でも見たことはない。

類推的には、今日の家具的に装飾されているシステムキッチンに近い感じ。
扉の面材など、木目調やら、シャープな金属製など、
さまざまな装飾が施されていますよね。
ああいう感覚に一番近い。
でも、そうだとすれば、相当な「暮らしを楽しむゆとり」を表している。
江戸期の材木商というのは、紀伊国屋文左衛門のように、
相当の富を集積していた存在だったのですね。
まぁ、目の保養というか、驚かされた豪華さでした。
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