三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

屋根でデザインする

2010年10月11日 08時42分20秒 | Weblog







住宅の形って、その民族で大きな違いがある。
日本の子どもに「家の絵を描いてごらん」っていったら、
さて、今はどんな家を書くでしょうか?
わたしたちの年代ならば、間違いなく三角屋根を書いて、窓を真ん中に入れる。
そういうような「伝統的価値観」の範囲の中にいた。
きのう、ある現場見学会に行ったら
イランから北海道大学に留学に来て工学部で学び、
そのまま、日本女性と結婚して札幌で環境系の設計コンサルタントをやっている
タギさんと、じっくり話す機会がありました。

家への伝統的価値観の話で盛り上がったのですが、
イランでは、家の形は四角いのがふつうで、
屋根というものは、陸屋根しか想像できないのだそうです。
構造は日干しレンガを積む工法で、
屋根にだけ、構造下地として木材が梁としてわたされ、
それに藁などを敷いて、その上に土を盛って芝屋根にするのが伝統的工法とか。
基本的に陸屋根で平屋、という形態なんだそうです。
床面は土間床であり、
その上にペルシャ絨毯を敷いているのだそうです。
室内で靴を履くことはなく、
万が一、靴を履いたまま室内に入ったら、「殺される(笑)」
くらい、生活規範の戒律が厳しいのだそうです。
どうもわたしたち日本人が、「外国」と信じ込んでいる世界観は
欧米的価値観であり、けっして汎用的世界観とは言えないのでしょうね。
室内では靴を脱ぐ方が、どう考えても合理的生活習慣だと思います。

っていうような対話が楽しくて、
ついつい長時間話し込んじゃったのですが、あきらかに脱線です(笑)。
屋根であります。
写真は、北海道神宮境内の宗教施設と思われる建物。
真壁の柱が表側に表され、
漆喰とおぼしき外壁と、下部には腰壁が木張り。
そうした外壁を大きな屋根の連なりが覆っています。
日本は多雨の気候を持った国であり、
必然的にこのような屋根を必要としてきたのでしょうね。
多雨気候のせいで、木の生長が旺盛で、
古代以来、製鉄の技術が盛んであり続けているのは
このような燃料としての木に不足しない、という条件が預かっているのだと思います。
ひょっとすると、日本は資源が少ない、
っていうのは外国から見たら、信じられないのかも知れません。
森林資源ばかりではありません。海洋資源について言えば、
これだけ魚好きな国民性を育んできた豊かな海洋を持っている。
ロシアのような国から見たら、
よだれが出るような立地条件に見えるのかも知れません。
中国から見ても、太平洋に出るには日本の領海を通過しなければ
なかなか出られないくらい日本の地勢的位置というのは貴重に見えるのでしょう。
また脱線した(笑)。

こういうデザインの建築に対して
わたしたちは、自然に美的センスを磨かせてきたということなのでしょうね。
どうしても伝統回帰的なところに
わたしたち年代というのは落ち着いてゆくものなのでしょうか。








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なぜか突然SL

2010年10月10日 07時03分35秒 | Weblog






きのうは紅葉のことしの様子を見に行こうと
クルマを走らせておりました。
札幌近郊で考えると、まぁどの方面でもいいんですが、
カミさんが仕入れて情報では、
ニセコの「道の駅」で出来秋の野菜類のセールをやっている、
みたいな不確かな情報もあり、
じゃぁまぁ、そっち方面にという次第で行ってみました。
札幌から小樽方面に高速で朝里インターで下りて
キロロを抜けて、赤井川村、そこから銀山というスポットを通って
稲穂峠を通って、ニセコ方面・倶知安に至るというルートなんですが、
赤井川村の直前で、多くのクルマが左折するポイントがある。
つい、引き込まれて左折してしまった。
どうもよく通っていた道ではない、とは気付いたのです。
しかもカーナビで見てみたら、この先は繋がっていないことになっているのに、
多くのクルマが走っている。
まぁなんとかなるさ、という気軽さで走っていましたら、
なんとちゃんと倶知安に着いたのですね。
地図ではまだ完成していない道路が繋がっておりました。

途中の紅葉はまだまだ、っていうところなんですが、
どうなんでしょう。
ことしは赤い色合いが極端に見栄えが悪く、数も少ない。
黄色の方はそこそこではありますが、
色合いはスッキリしていない。
何となくぼんやりとしていて、しかも枯れるように落ちている葉も多い。
夏が暑すぎて、どうも期待はずれに終わる紅葉なのかも知れませんね。
っていうようななか、ふと入った蘭越の日帰り公営温泉を出てきたら、
隣接している駅に、元気のいい音が響き亘ってくる。
「おお、SLじゃないか!」
っていうことで、停車してくる様子から、発車していくまで
線路脇に走っていってしまいました。
行ってみると、やはりファンのみなさんは先刻ご承知のようで
カメラを構えている方たちがいましたね。
わたしもデジカメを持っていたので、はじめてSLを撮影してみました。
みなさん、広角やら望遠やら、多機能な一眼レフでしょうが、
どんな風に狙うのでしょうね。
SLというのは、その蒸気発生部分のユーモラスさが一番なので、
そういう瞬間が、撮影ポイントなのでしょうか。
まぁこっちは、たまたまの遭遇で、カメラも持っていたというのは偶然。
それなりに2、3分間の撮影を楽しむことが出来ました。
小さな幸せであります(笑)。







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都営地下鉄って・・・

2010年10月09日 07時15分54秒 | Weblog






きのう、東京出張から帰って参りました。
行くたびに感じるのですが、「都営地下鉄」って、辛い。
今回も、「大江戸線・牛込柳町」という駅に向かったのですが、
宿泊先の池袋から、乗換案内を確認すると、
有楽町線で池袋から飯田橋で乗り換えて
大江戸線というルートが一番と記されている。所要時間21分。
2番目の案内は、JR線で新宿に行って、そこから大江戸線乗換となっている。
いずれにせよ、大江戸線ということなんですね。
で、以前、新宿駅でのJRから大江戸線の乗換を一度経験しているので
「また、あれかよ・・・」
という経験値が強くカラダに残っておりまして(笑)
そっちのルートだけはイヤだ、金輪際、と思いまして、
最初のルートを選択いたしました。
で、池袋から飯田橋までは順調に移動しまして、
ここでの乗換であります。
覚悟はしていたつもりなんです。
しかし、・・・それにしても。
なにこれ、であります。
出張最終日なので、荷物は持っている。
間にたくさん重たいものが加わってもいる、のですが、
その荷物には慣れているつもりなんですが、
いやはや、どんどん肩に食い込んで参りますね(笑)。
エスカレーターと階段を何回通らされることやら、
最期の最期は、壁面にはたくさんの照明装置が飾り付けられている通路。
これでも100m以上はある。
「乗り換え」というような行程ではないと思います、絶対に。
まず、案内標識のわかりにくさは、満点を差し上げたい。
矢印の方向が、肝心の所でよくわからない。
たぶん、乗り換えに要する移動距離は、
そしてその時間は、池袋ー飯田橋の時間距離を超えている。
これは定常的に時間を計量できないものだと思います。
まぁ、わたしのような健常者は問題ないにしても
高齢の方とか、まず勧められませんね。

そして帰り道、今度は懲りたので
早めにJR線に乗りたいと考えたのですが、
大江戸線・上野御徒町で下りて、
と移動しはじめたのですが、
まぁまぁまぁ、よくやるもんだ、という世界であります。
最期出てきた出口の様子を振り返ってみたら、
こんな出入り口、出張で来た人が発見できるわけない、という雰囲気。
仕方ない、という世界なのでしょうが、
東京の都市交通、なかなか厳しい現状にあると思います。
まぁ、東京の場合、移動と言うことも
JRとメトロだけの場合には、ギリギリ快適性が維持されていたけれど、
それからあふれ出すような部分では、完全に破綻しているのかも知れませんね。
あの「乗り換え」は常識の範囲を遙かに超えていると思います。
あれは、別の駅であって、同じ駅名を冠しているのは問題であり
移動についての交通手段選択を混乱させていると思います。
ちなみに、実際に掛かった移動時間は、45分ほどでした。






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自立循環型住宅の研究

2010年10月08日 06時08分25秒 | Weblog





きのうは、IBECが主催する「自立循環型住宅設計講習会」
(蒸暑地域版in東京)という催しに行って参りました。
北海道にいると、住宅性能技術というのは
北総研や、新住協といったところが主体であり、
行政の側の動きというのも、地方自治体としての北海道、
というかたちが一般的な流れになっています。
積雪寒冷という条件があり、それとの戦いが百数十年間の蓄積になっているので
きわめて独自に、発展してきたという経緯があるわけです。
それに対して、東京を中心とする「温暖」地域、
さらに沖縄や鹿児島、四国南部といった「蒸暑」地域では
従来、独自のアプローチというのが観られなかったと思います。
そういった流れの中で、
つくば市に、国交省・国土技術政策総合研究所(国総研)と
独立行政法人・建築研究所が設置され、
こういった地域での、省エネ住宅の研究が行われてきて
その成果が、「自立循環型住宅」という形で発表されてきているのです。

北海道にいるとこうしたアプローチについて
あまり興味を持てないのが実際だった部分があります。
実際会場で出会った方たちからも、北海道からは来たことがない、
みたいに言われておりました(笑)。
しかし、なんといっても巨大な研究開発費がかけられた知見であることが
今回、この設計講習会を取材し、発表者のみなさんとも知り合うことが出来て
よく理解できました。
エネルギー消費50%削減をめざす住宅設計、という基本スタンスであり、
その点では、北海道では圧倒的に「暖房エネルギー」削減なのですが、
こうした地域では、やや違ったアプローチになるということですね。
北海道ではどうしても、断熱や気密化といった部分以外の
「要素技術」についてまでは、なかなかアプローチがかなわないのですが
こういった部分、具体的には
・自然風の利用
・昼光利用
・太陽光発電
・日射熱利用
・太陽熱給湯
・日射遮蔽手法
・冷房設備計画
・設備や家電機器の研究
・水と生ゴミ処理、効率利用
などといった、幅広い分野については
普段耳にすることが出来ないような知見を、たくさん得ることができました。
こうしたことは、別に寒冷地域でも対立的な概念ではなく、
おおいに利活用すべきテーマだと感じました。

会場では、けっこう知人と出会うことも多く、
わざわざ会いに行くことを考えると、これだけ集中的に
多くにみなさんと会えたと言うことだけでも、大変な収穫だったと思います。
会場で配付していただいた資料は400Pもある厚さの資料。
まぁ、これからじっくり研究してみたいと思っています。






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司法の重大局面

2010年10月07日 08時35分28秒 | Weblog





しばらく遠ざかっていた早朝散歩ですが、
最近1ヶ月くらい前から、ふたたび再開しております。
北海道神宮の境内から周辺の円山公園をおおむね20~30分のコースです。
ことしは猛暑の影響で、さて紅葉はどうなる?
っていうことで心配しているのですが、
どうも、枯れ葉が目立ってきて、
きれいに紅葉すると言うよりは、緑のまま、
枯れ葉色に変色して、そのまま風に吹き飛ばされる、
っていうような最悪パターンをたどるのではないかと危惧しています。
他の地域では、まだ紅葉は始まらないと思いますが
ようやくななかまどが色づきはじめている頃合いの北海道では
そんな状況で推移しております。
ことしは何度も富良野へ、取材などで足を運びましたので、
その途中の、三笠ICから富良野までのなんにも人家のない
山道など、いったいどんなにか綺麗になるものかと期待しているのですが、
どうも気になっています。

ここんところ、司法を巡っての事案がいっぱい出てきています。
どうもいろいろな暗闘が行われている気配があります。
検察調査会のメンバーの平均年齢なるものが
フジテレビ系列で流されていましたが、
30歳そこそこ、ということだそうです。
その上、教師役の法律関係者が、小沢事件を巡って
暴力団組織での上下関係を引き合いに出して、説明を行ったりした
っていうようなことまで報道されています。
なにより、検察の問題が表面化する以前の段階で、この小沢事件の
結論が出されていると言うことで、
その調書作成にも、逮捕された検事が関わっている、
その調書が重要な証拠として論議されている、ということだそうです。
弁護士が今後、検察の立場に立って裁判を維持していくことになるのだそうですが、
そもそも証拠採用段階から、秘書の供述調書が採用されない可能性があり、
公判維持が非常に難しいことが推定されます。
アメリカでは、クリントン政権でも司法審判の場に権力者が
出てきたことがありましたが、
日本では、権力者がその権力を維持しながら、
推定無罪という、司法原則通りの扱いを受けることが出来るのかどうか、
きわめて難しい局面になってきたと思います。
しかし、司法は官僚機構の一環であり、
そういう意味では、司法もまた、大きな監視の中に置かなければならない。
マスコミにそういうきちんとした対応が出来るのか、
日本の社会制度の根幹的な部分で、胸突き八丁のような気がします。






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住宅政策は誰が考えるのか

2010年10月06日 05時49分30秒 | Weblog





北海道の工務店グループ、アース21の企画で
地元選出の参議院議員さんたちと与野党問わずに3党と
懇談会を持ちました。
民主党・自民党・共産党の3党でした。
それぞれ、たいへん一生懸命に取り組んでいただけまして
けっこう、白熱した論議も交わされました。
こうした様子については、この秋から冬の
発行する誌面で掲載いたします。

で、こういった懇談会を通して見えてくるのは
日本の霞ヶ関の現状であります。
どの党派にも、明確な「住宅政策」というものがありません。
政治党派というのは、まずは基本的な安全保障の問題とか、
国の仕組みについての基本認識とかが
パーティーを組む基本要因であって、
個別の政策については、各議員任意に興味を持つかどうか
くらいしかないのだなという実感。
逆に言えば、きちんとした正論を訴えていけば、
どんな党派でも、同じように捉えていただけるというのも
よく理解できたというのが、今回の収穫といえます。

われわれの関与している「住宅政策」ということで言うと、
その実態構造は、与野党問わず、
特段の意見を持っている議員の数自体少ないという意味も含めて
政党会派には特段の考え方は希薄であり、
そうなると、国交省の担当者(課長)レベルの基本的な下書きが
そのまま、国の「住宅政策」になっているというのも事実。
とくに北海道のような地域は、
国の住宅政策では、「特殊地域」という扱いになるので、
そういう声をしっかり反映させて行くには
このように、国会議員さんたちに意見を申し上げ続けることが大事だと
そう思えますね。
参加メンバーからは、国の住宅政策について、
2年程度でエスカレーターのように人事異動になる
担当課長クラスが、自分の手柄を作るために
その都度、現場を理解しない「施策」を打ち出し続けてきた
そういう実態の報告、提言もありました。
その弊害が具体的に例示され、
けっしてユーザー目線ではないことが明瞭にされてきたと思います。
わたし自身も、「不動産取得税」というものが
あたかも目的税のようにして徴収されているのに、
その実態は、地方自治体の「一般財源」とされている現状に
強い違和感を持っています。
国の制度が新しく示される度に、ユーザーの負担というのは
増え続けていく構造がありますが、
そういうものは、この税金でまかなって欲しいとも思っています。
いみじくも、ある議員さんが言っていましたが、
「どの分野でも、構造はすべて一緒です。
短期で交代する、その分野の専門の省庁の課長さんが
基本構図を描き、政策の立案を事実上、やっています」
ということなんですね。
マスコミでもそうなんですが、定期的な人事転換って、
大組織になれば、必ずそうするのですが、
しかし、その度に、積み上げてきたものが
継続されない問題があるのです。
わたしたち、住宅のことについて言うと、
ほとんど素人の「担当者」が短期間、全権を握って、
マスコミで言えば、その社の意見を代弁してしまうのです。
そういう構造が、日本という国家すべてに蔓延している。
変えていかなければならない、根本はこういうことですね。
そんな、思い強くさせられた経験でした。







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疑わしきは有罪、なのか

2010年10月05日 07時03分06秒 | Weblog




検察審査会、という機構が結論を出した。
小沢一郎に対する強制起訴ということだ。
どうも根源的な恐怖感が迫ってくる気がする。

とりあえず、このことの正否は問わないとしても、
このことの結果、どういうことが起こっているか。
そのことの方が大切だと思う。
現実政治では、日本社会では小沢一郎は
このことによって、短期的には裁判終了まで身動きが取れなくなるだろう。
それが、国益に叶うのかと言えば、
たとえば現在の日中関係の危うさを思うとき、
日本が出しうるカードの大きな一枚を日本は欠くことになる。
このことだけをとっても、マイナスは大きく考えられる。
場合によっては、直近の民主党党首選挙での僅差選挙の結果として
菅直人が倒れたときの緊急避難政権も、その可能性は遠のいた。

そして、そのような事態を惹起するだけの「権力」を
この「機構」は持ってしまっている、ということが問題なのだ。
そこまで大きな権力行使をしながら、その実態は
「プライバシー保護法」によって守秘されている。
出された論旨は、被疑者に正統性論証を迫るものであって
検察が証拠を持って、犯罪特定するものではない。
まさに疑わしいので、裁判するという論旨だ。
どうも一連の社会システム構築自体、無限連鎖のような不具合を引き起こしている。

わたしたち日本社会は、過去に多くの政治家を輩出してきた。
そして、どれだけ、清廉な指導者を得てきたのだろうか?
むしろ、そういう清廉なだけの指導者というのは
直近で言えば、太平洋戦争指導を行った
軍部と官僚テクノラートであり、そういう存在こそが
国を本当に滅ぼしてきたのが、近現代史の事実ではないのか。
今回の「議決」は、確実に政治家のお金の問題について
「疑わしきはすべて起訴する」ことに道を開いたと言える。
こういう法律を、このように使うということは想定していなかったというべきか。
本来、検察審査会というのは、えん罪などを想定して
それを防ぐ意味で、担保的に考えられた制度なのではないのか。
戦前の、統帥権問題に、いよいよ近似してきたと思うのは
わたしだけなのだろうか。
戦前、政治家の腐敗追及の結果、政治自体に不信感を突きつけ、
軍部と官僚に政治運営を委任したことと、
今回の政治家への市民ヒステリーはまさに同根の事態だと思う。

政治家に対してここまでの超法規的な権力行使を行うのであれば、
もっと大きな問題も論議されなければならない。
疑わしきは罰せず、という社会正義は
どのような領域でも確保されなければならない。
こういった司法手続き過程にあっても、政治的活動には影響を及ぼさないように
社会システム自体も更新される必要がある。







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日本を捨てる、30代

2010年10月04日 06時53分24秒 | Weblog






土曜日には政治家の方との懇談会の第3弾が行われました。
今回は日本共産党さんとの対話だったのですが、
それについては、また別の機会に触れたいと思います。

その懇談で一番気になったのが、
まだ30代のみなさんの「日本」への意識です。
失われた20年というようなバブル以降に社会生活体験のすべてがあるかれらにとって
その意識はさて、どんなものなのだろうか、
っていうような意味から問われたわけですが、
これがまぁ、すごいリアリズムを感じさせてくれました。
「改革改革って、ずっと言い続けてきているけれど、どんどん状況は
悪くなっていく一方で、まったく期待はしていません」
「政治や、なにやら、どんなに言ったって変わらないじゃないですか、
もういい加減、そういうウソをつくのは止めて欲しい」
「もっと悪い状況になったら、日本を脱出したい」

まぁ、わたしたちの年代はかろうじて
年金とか、社会システムは機能しているのでしょうが、
かれら30代以降には、
払ったお金が返ってくるような保証はないと考えている。
国とか、社会がなにをしてくれたのか、
そういう意味合いでは、帰属意識だけは持て、というほうがおかしくて
もっと状況が悪くなるのなら、現実に出来るかどうかは別にしても
日本という国から脱出したい、と本音では思っている。
30代においておや、
20代よりも若い世代にとって、
今の日本に希望を持てという方が、確かに無理な話なのかも知れませんね。
今の日本で、安定した生活を営んで行こうと考えたら
公務員とか、医師とか、社会制度に守られたような職業しか
あり得ないような状況になってしまっている。
一般的な年金構造は破綻に直面しながら、
公務員共済だけはしっかり年金が確保されているというような
社会正義から言って、明らかにおかしいようなことが
言われているのに、さっぱり正義が行われず、
公平や公正の観念がまったく揺らいでしまっている。
旧ソ連が崩壊した時期に、
どんなに社会が変化しようが、特権的な利益を得ている階級があって、
ノーメンクラツーラというように言われていたけれど、
どうも、日本の現実は旧ソ連の社会をなぞっている部分があるのかも知れません。
そういった環境条件の中では、
中小企業を一生懸命に存続させて生きていこうと考える
社会の中核的な担い手たちが、希望を持てないというのも
むべなるかな、という思いが致します。
さて、どのようになっていくのか、
深く沈殿するような問いかけであったと思っています。






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秋の農産物祭り

2010年10月03日 07時45分02秒 | Weblog






わが家では、週末に1週間分の買い出しを
夫婦で行っております。
まぁ、通常は地元のスーパーに行くわけですが、
きのうは、道庁前のホテルで午前中に用件があり、
行った帰り、ふと、道庁方面から賑わいの予感。
特に何かの音が聞こえた、というのでもないのですが、
つい足が向いた、という次第であります。
そうしたら、どうも北海道内の自治体ごとの
「秋の農産品フェア」みたいなことをやっておりまして、
なんと、当別町のブースでは
「あら、Mさん」とか声を掛けられまして、
見ると、知人のTさんではありませんか。
なんでも、道庁の肝煎りのイベントに駆り出されたようであります。
やむなく、ご挨拶程度の買い物を(笑)。
で、そこから見て回ってみると、
いろいろな食品がたくさん展示販売されている。
早朝にはスーパーでの買い物を済ませていたのですが、
見ていると、面白くなってくる。
というか、対面販売の魅力でしょうね、つい引き込まれる。
でも我慢はしていたのですが、
ついに魅力に負けたのが、ごらんのシイタケであります。
ビニール買い物袋1枚に詰めるだけ詰めて500円、
こういう販売テクニックに弱い(笑)。
でも見ていると、この量って、
入れてきたプラスチックカゴ1杯の半分なんですよ。
どう考えてもヤケになっての販売とも思われる安さ。
仕方なく、詰めていただき、購入した次第であります。
適当量に仕分けて、1/4ずつ冷凍庫に3コ、
冷蔵庫に1コ、しばらくはシイタケ三昧の食生活のようです(笑)。

で、懲りずにきょうは、芋煮用の買い出しに、
脚を伸ばしてみようかと考えております。
芋煮って、北海道ではあまり行われませんが、
東北のこの時期には欠かせないイベントであります。
あれ、おいしいよなぁ、っていうつぶやきが
ツイッターを経由することなく
瞬く間に伝わって、東北のスタッフがいる月曜には食べたい、となった次第。
まぁ、豚汁みたいなものでしょう、っていう気軽なことなんですが、
さて、なにが入ってくるのか、
大体、芋が、里芋は北海道ではほとんど聞かない。
ジャガイモで代用が出来るのかどうか、
まぁ調理をはじめてみなければわかりませんね。
っていうことで、食材探しから頑張ってみます。ではでは。








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日ハム2010シーズン終戦

2010年10月02日 08時37分04秒 | Weblog





最期の望みを託していたのですが、
無念ながら、所詮他力では、いかんともしがたく。
ことしのプロ野球、北海道日本ハムファイターズは終戦いたしました。

振り返ってみますと、
やはり春先の異常な負けっぷりはすごかった。
マイナスが14まで膨らんで、
まぁ、その時点では、ほぼシーズンを諦め掛けていたのですが、
交流戦で「普通の状態」になんとか戻れて
そこから、最終的には貯金が7という所までたどりついたわけです。
一時はまったく地獄にたたき落とされて、
そこから、ほんの一時期は、天国のような快進撃もあった。
そういう意味では面白く、味わいのあるシーズンだったと思います。
プロ野球なんで、他のチームも必死になってやっている
なので、そうは毎年、ウチだけが調子いいってことにはならない。
最期の最期まで、見せ場もあり、
諦めない姿勢はチーム全体から感じられました。
たくさんの怪我人やら出て大変だったと思いますが、
来シーズンに向けて、捲土重来を期待したと思います。
全選手・監督・スタッフのみなさん、お疲れさまでした。

さて、今シーズンは、ひたすら若手、
中田くんや、陽くんを初めとした若手に期待の掛かったシーズンだったのです。
そのために、先シーズン、いいところで活躍してくれた
スレッジ選手との契約を打ち切ったりもして、臨んだのでした。
開幕から中田くんはスタメン出場を果たし、
なかなか調子が出ず、骨折したり、そこから復帰したら
突然覚醒したような大活躍。
かと思うと、ふたたびまったく打てなくなる。
そういった浮沈の激しいシーズンだったと思います。
それがそのまま、今シーズンの日ハムだったと思われます。
しかし、最期の試合では中田くんと、陽くんが活躍して
最期の勝利も納めることが出来ました。
投手では、ロングリリーフという難しい役割を担った榊原選手が
救援ばかりで2桁勝利という、めざましい活躍でした。
ひょっとすると、新人王を取れるかも知れません。
その他の先発投手は、結局、新人の投手として中村勝くんと増井くん
などが多少出てきましたが、
本来期待されていた、八木選手や吉川選手などが全然ダメで
シーズンを通して、先発投手が決定的に不足していた。
期待に、既存の選手が応えられなかったことが一番厳しかった。
やはり野球は投手が基本ですね。
優勝したソフトバンクとの一番の違いはそこでした。
ただ、なかなか先発投手というのは育成が難しいので
来シーズン以降、不安定な戦いになる可能性があります。
幸い、外人投手の先発2人は合格点に達しているので、
苦しい中にも、光明はあるといえます。
ただ、ダルビッシュ選手が、場合によっては
ポスティングで大リーグに行くかも知れず、
そうなると、大変状況は厳しさが増すことになるかも知れません。
まぁでもそうなったらなったで、ニュースターの出現を待ちたいと思います。
しばし、体をケアして、
来シーズンに向けて、頑張れ、北海道日本ハムファイターズ!







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