三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

中国の内政状況

2010年10月21日 06時28分45秒 | Weblog






中国という国の共産党支配のメカニズムというものは
これまであまり報道されてこなかったと思います。
毛沢東・周恩来の時代の五人組とか、
文化大革命とか、ああいった時代には
それなりにメカニズムがかいま見えた時代があったと思いますが、
鄧小平の時代で、ほぼ安定を得て
その後の、現代に繋がってくる政権交代には
たとえば江沢民から、胡錦涛政権へというような変化の
内部要因はよく見えない部分で来たと思います。
そう思っていたら、突然、「太子党」と「共産主義青年団(共青団)」
というような共産党内部の党派構造が情報として出てきた。
日本の共産党でも、指導者の交代には
一気に世代を飛ばして、中心軸を決めて
その周辺でのバランス調整というような人事を感じるけれど、
中国共産党でも、そのような手法が行われているようだ。
けれども、「太子党」というような呼称が存在すること自体、
いかにも中国的腐敗の源泉のような響きを感じる。
文化大革命期を経て、その時点で権力階級を構成していた
共産党と軍の上層部が、「安定団結」を最優先させたのでしょう。
なによりも人脈コネを最優先する構造を固定化させた。
それに対して、共青団というのは、
伝統的な「科挙」を経てエリートに仲間入りできるという
テクノラートの語感、響きを感じる。
いずれにせよ、こういった「上層階級」内部での話し合いとか、談合などで、
国家運営が図られてきた、というようなことではないかと思われる。

現在の世界情勢では、
中国は国家独占資本主義そのものであり、
複雑にゆれ動く政治と経済の状況の中で、
比較的に「機動的に」対応可能な政治権力構造である、という側面がある。
内需を起こす、というここのところの世界経済への対応策でも
そもそも土地がすべて国家のものであるということを
武器にした大胆な政策を打ち出すことが可能。
そういった状況だったのではないかと思います。
さて、そういうなかで、内政的な大テーマであった、
胡錦涛後継者が、習近平という人物で固まった、ということがニュースで流れた。
こういう内政問題があって、はじめて尖閣諸島問題も
理解できるカギが見えてくるのかも知れない。
日本にとっては、大きな影響を受けざるを得ない
アメリカと並んでの、大きな関係のある国の内政メカニズムであり、
メディアは、もっと突っ込んだ取材をして欲しいと思う。
これだけ、世界にとって大きな経済的存在になってきたのに、
依然として、「独裁国家」である、という国なんですね。
そういう存在と、あるときは仲良くしたり、言うべきことはハッキリ言ったり、
やっていかなければならない。
であるならば、その国の政治決定メカニズムを
もっと、正しく認識しなければならないだろうと思います。
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ノーベル賞とししゃも

2010年10月20日 06時42分11秒 | Weblog






さて、鵡川の町です。
いまは広域合併になったので、むかわ町ということになったそうです。
北海道でもこの地域はアイヌのみなさんがたくさん住んでいた地域。
地名のむかわというのも、ムカワベツというアイヌ語から来ています。
アイヌ語の「ムカ」(水が滲み出す)、「ムカプ」(ツルニンジンがあるところ)、「ムッカ・ペツ」(塞がる川)など、様々な説があるそう。
なんですが、もう一方のししゃも。
こっちもアイヌ語語源で、
susam(スサム、語源はsusu(スス)=柳・ham(ハム)=葉とされる)に由来する。アイヌの伝説に拠れば飢えに苦しんでいたアイヌを哀れんだ神が柳の葉を流したところそれがシシャモになったということ。

そういった地域ですが、
なんといっても、ノーベル賞を取られた北大・鈴木先生の実家があることで、
一気に町の名前が全国区になった。
で、写真は鈴木先生の実家の様子。
まだ新しい建物で、鈴木先生のお兄さんが
家業を継いで頑張っているお店です。
すっかり有名人になった、そっくりのお兄さんが
ご高齢にも負けず、元気にお店の中で
声を張り上げて、ししゃも大使のようになって
そのおいしさを宣伝されておりました。
さすがにいろいろ、「研究熱心」なご実家のようで、
しょうゆに工夫を凝らしたものとか、お店の中には
こだわりが一杯という感じであります。

しかしまぁ、建物の方はド派手な感じで、
キッチュさがすごい(笑)。
ひとにししゃもの良さを伝えたい、という気持ちが
そのまんま、建物を覆い尽くしている感じがいたします。
ここまで来ると、迫力になっていて
美感云々というのも、なにか野暮な感じがしてくるから不思議。
さすがにパブリシティが行き届いているので、
店内は、ひとでごった返しておりました。
地域の元気、話題に大いに盛り上がっていただきたいと思います。
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宮沢賢治と街づくり

2010年10月19日 06時31分40秒 | Weblog





きのう書いた「富内」地域は
ちょうど、北海道の過疎地域の先駆けのような存在で
鉄道で町が作られ、その鉄道が廃止になって
それではどうやって町が存続していくか、という試行を
夕張などの産炭地と同様に行ってきた。
写真は、宮沢賢治の設計を表現した
「涙ぐむ目」というテーマの花壇。
鉄道の駅に対して北面の傾斜地に、南側の日当たりのいい位置に
造作されています。
駅舎と鉄路と、対比的に置かれていて、
その存在感の残照が、何かの思いを伝えてきます。

駅と鉄道がなくなって、
集落に中心的存在意義が失われ、
そうすると観光的な方向から、人を集めようという方向になるのは
誰が考えてもそうなるものなのでしょうね。
この富内でも同じで、
その観光の目玉として、テーマパーク的なものとして
宮沢賢治の紡ぎ出した文学世界に着目して
その発露として「北のイーハトーブ」というものをめざした。
なぜそういう考えに至ったのか、
その脈絡はよくわからないけれど、
町民の中から出たアイデアだったようです。

いまは、このイーハトーブはパークゴルフ場になっていて、
周辺の建物、文学世界の資料館とおぼしき建物も
パークゴルフの待合い的な使われ方をしているようでした。
義母は、宮沢賢治のファンであり、
そういうことで、ここをぜひ訪れてみたいと考えたようです。
「なんで、北海道に宮沢賢治なんだろう」というのは
そういった経緯のようなんですね。
宮沢賢治という人は、
死後に、その文学活動に対して
評価が大きくなっていった人。
社会の芸術文化嗜好って、世に連れて変化していくものだと思うのですが、
明治以降、「共通日本語」というものの創出の必要性もあって
日本では、「文学」というものが活況を呈し続けていた。
そういったなかで、多くの才能発掘努力が継続され、
宮沢賢治のような才能も着目されたのだと思います。
日本人の表現活動のひとつの形ではあったのでしょうが、
それにしても、岩手という地名をエスペラント風にイーハトーブと言いかえる
というような時代感覚が、新鮮な世界観として受け入れられたのでしょうか。
死後はるかな時代になって、その世界が大きな観光資源に考えられた
というのは、確かにすごいことだと思います。
しかし、一方で
地域との関連という意味では、どうにも腑に落ちません。
ごく一部でしか、宮沢賢治とこの街が繋がるというのは
思い至らないのが、現実でしょうね。
複雑な思いを感じながら見ていた次第です。
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廃線になった地域

2010年10月18日 05時37分31秒 | Weblog







北海道むかわ町に統合された穂別町ですが、
そのなかにも、さらに奥地に「富川」地区という地域があります。
ここは、昔は鉄道が通っていた町だそうで、
「富川線」という路線だったそうです。
現在では、千歳からの連絡バスが一日一本だけ通っている
そういった集落になっています。
写真は、廃線になった「富川駅」の様子。
駅は、廃止になったときに住民会議の結果、
モニュメントとして残されることになり、
現在でもその鉄路が200~300m程度残されており、
その上には、汽車も乗せられていました。
駅舎は、現在延命工事中のようで、基礎から上部が離されて
基礎部分の補強が施されているようでした。
駅舎には、運用中の当時の運賃表が残されており、
東京までの運賃も表示されておりました。

これから、放って置いたら、
日本は急激な人口減少局面に突入していきます。
現在の不景気はその序章の始まりなのかも知れません。
人口減少は、地域間格差を激しく伴って進行するという予測。
そうなると、北海道の山間地などは
その地域を維持していくような方策は見いだしがたい。
こういった地域のようなケースが今後、たくさん出てくる可能性がある。
しかし、今現在なら、まだ地域首長の決断などで
違う可能性もありえると思います。
経済的な「特区」申請などで、地域に活力を生み出す方法はあり得るのではないか。
そういった激しい論議が起きて欲しいけれど、
現状は、ただ衰退の予感にうちふるえている状態。
そういうなかで、ここんところ、
北海道新聞では、中国・香港資本、あるいは個人の投機目的での
北海道への投資の動きを伝えています。
ニセコ地域での大規模リゾートの計画だとか、
札幌市内のマンションへの中国の個人投資の動きなどです。
その同じ資本家が、北海道内の山林を購入している
っていうような情報も掲載されていました。
中国では、国内市場にお金が過剰流動していて、
国内での住宅投資が2件までと制限されてきて、
そのうえ、中国国内では権利所有期間が70年と決まっているのに、
日本の不動産は「永久に」持っていられる、ということで、
人気が高まってきている、ということだそうです。
とくに北海道は、一昨年だかに公開されたラブストーリー映画の舞台になったことで
地域人気に拍車が掛かっていて、
どうも中国マネーの流入が進行していきそうですね。

どうも対比的な動きが同時に
起こってきているようで、
今後の日本が、どのようになっていくのか、
不透明になってきていると思います。
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鵡川のししゃも

2010年10月17日 06時56分28秒 | Weblog






鵡川であります。
きのうは義母とカミさんとで
義母が見に行きたいと行っていた宮沢賢治ゆかりの
北海道内の土地探索に出掛けましたが、
そこは最近、鵡川町に統合された
旧・穂別町の奥地。
ということで、見学後、
北大の鈴木先生のノーベル賞受賞後、すっかり便乗で有名になった
鵡川町と、ししゃも探索に向かった次第です。
鈴木先生の一件は、また後日書きますが、
ここはなんといっても、ししゃもであります。
ししゃもというのは、アイヌ語で柳の葉という意味のさかなで
回遊魚で10月頃からこの地域で獲れる。
まぁ、昔から北海道の人にはなじみのある魚なんですが、
今回の鈴木先生の受賞で、一気にご実家のししゃも屋さんが有名になり、
わが家でも、どうせいくなら、となった次第です。

で、国道沿いですが、
小綺麗なそば屋さん「大みや」というのがあって、昼食に食したメニューです。
上が、ししゃも天丼とそばのセットメニュー。
下が、ししゃも天ぷらとざるそばセット。
であります。
カミさんだけは、別メニューでししゃもをパスしておりましたが、
わたしは上のメニューを食べました。
<まぁ、それぞれボリューム満点だったので、みんなで分け合って(笑)>
このししゃも、魚体が大ぶりで、オスのようでした。
メスは卵を持っているので、それがいいという人も多いのですが、
味覚はオスの方がはるかにいい、
しかも魚体が大きい方が、味わいも深い、ということなのだそうです。
で、さっそく食したワケですが、
さすがにうまい!
こんなにおいしいししゃもは確かに初めてであります。
天丼は器が皿状で、底の浅い容器ですので、
ごはんもちょうど良く、ししゃもの味を楽しむには最高でした。
みんなで食べたので、わたしはそばは温かいほうにしましたが、
そばもそばで、なかなかのおいしさ。
聞いたら、地元ではこの時期、
ししゃものすしまであるのだそうですね。
一夜干しのものくらいしか食べたことがありませんが、
この天丼を食べたら、これはいいかも、と思えましたね。

やや遅い昼食でしたが、
全員、お腹いっぱい、満腹三昧状態でございました。
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マッサージ&鍼灸

2010年10月16日 09時23分06秒 | Weblog




ここんところ、腰にドーンとしたハリが出たり、
頭痛やらなにやら、
体調不良のオンパレードという状態でございました。

で、なかなか原因がわからないなぁと思いつつ、
何となく気分が鬱々としておりましたが、
腰のハリがいよいよ辛くなってきたので、
よく行っている、って言っても半年に一度くらいですが
マッサージ屋さんに行ってきました。
たどりついた頃には、けっこうな腰の状態で、
以前2~3度やった「ぎっくり腰」寸前状態。
ここまできて、「そうかこれは、目から来る肩こり、腰のハリなんだ」
と、今更ながら気付いた次第であります。
そういえば、ここんとこ、デスクワークが多くて
パソコン画面とにらめっこしながら、
うんうん、とテキストをひねり出す日々ではありましたね。

「きてますね、これは、けっこうですよ」
というご託宣。
かなりこっていると言うことで、
マッサージと鍼灸治療と言うことになりました。
電気を通す鍼灸って、
はじめてやってもらった次第ですが、
これがなんとも気持ちがいい、
「こりゃぁ、たまらんわ」であります。
リズミカルに、電気刺激が左右交互に合計10箇所くらいのツボを
刺激していってくれます。
そのうえ、遠赤外線照射で、刺激してくれているスポット
背面側ですが、じわ~っと、ここちよさが包み込んでくれる。

考えてみれば、
一番最初にマッサージさんのことを思い起こすべきだったんですが、
どうも最近、血の巡りが悪いのか、
こういうことを思い起こさない。
治療が終わって、からだを動かして、辛さはだいぶ治まっておりました。
で、本日は、
ここんところの雨模様が一転しての青空、の天気そのもののように
想念も、前向きになって参ります。
からだはまだまだ、節々にぎこちなさはありますが、
柔軟体操とか、ぎっくり腰からのリハビリを思い起こして
体をいたわっております。
やっぱり、歳を考えながら、やっていかなければなりませんね(笑)。
さぁ、がんばるぞ、っと。
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300mm断熱手法

2010年10月15日 12時29分08秒 | Weblog







建築家・山本亜耕さんの住宅現場見学会より。
300mm断熱というのは、GW換算でのもので、
この現場では軸間100mmプラス外張り付加で、GW200mm相当の
板状断熱材100mmを外側に付加するというもの。
手で示している部分は、継ぎ足しの部分で、
45mm角の保持木材で断熱材を押さえ、熱橋になることを緩和させるのに、
さらにそのうえから、同様の断熱材で押さえ込んでいます。

最近、実に多くの動きが出てきていますね。
自立循環型住宅とか、ドイツパッシブハウスとか、
で、それぞれに「住宅性能」を謳い込んでいるわけですが、
ユーザー側からすると、
どうにも、見えない部分なのではないかと思われてなりません。
北海道には、自立循環型住宅というのは
対応する予定がない、ということだそうで、
北海道以外のところで、自立循環型という住宅性能基準を
事実上、打ち立てたい、というような動きを感じます。
北海道として、こういった動きに対して
どのように対応していけばいいのか、
なかなか難しい部分ですね。
自立循環型、というものは、断熱気密の要素技術が基本であって、
そのうえで、住宅機器についての性能向上をめざすもの。
前後の問題にしか過ぎないように思うのですが、
寒冷地住宅についての知見は意図的にか、どうか、
回避しているきらいがあるように思われます。
それ以外の、建物の日射遮蔽や換気通風の知恵とか、
そういった、いわばあたりまえのことを
まとめているに過ぎないのではと、思ってしまいます。
ただ、そこに投資された国費は相当なレベルであり、
その内容も、幅広く深いのはその通りだと思います。

そんな思いを感じながら、
山本さんの住宅の説明を受けていて
まことにまっとうに、考えられる手順なり技術なりを
積み上げていることが、伝わってきました。
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検察審査会と不服申し立て

2010年10月14日 18時21分03秒 | Weblog





すっかり更新が遅れてしまいました。
ついにはじめて、更新を休むことになるかな、と思ったのですが、
時間の都合がついたので、やはり継続は力と言うことで。

で、以前から書いてきている小沢問題です。
知人の民主党参議院議員・中村てつじさんのブログでも取り上げられています。
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/
きょうになって朝日でも掲載されていますが、
どうも小沢側から、議決無効確認の行政訴訟が起こされる方針と言うこと。
記事を読んでみると、この「検察審査会」の決定への不服申し立ては
法的に準備されていないという状況のようです。
これ自体、とんでもない話だと思います。
法律の素人の集団の判断に対して、なんの歯止めもないということ。
なので、小沢側では、
「重大な欠陥があり、明確な検察審査会法違反」と指摘。同法には異議申し立ての規定がないことから、審査会を行政庁、議決を行政処分ととらえ、行政訴訟に踏み切ることにした。
という対応を取ることにしたと言うことです。
前・法務政務官である、中村さんの指摘では
今回の検察審査会の議決では、たんなる記載漏れの問題で
このような議決が行われるのであれば、
任意に気に入らない政治家を政治的に抹殺することはたやすくなり、
また、法の公平の観点から言うと、
こういった記述不備程度で、政治家がパージされるのなら、
すべての政治家について、調査し、
すべて訴追しなければならない、と指摘しています。

ここは、潔く、
法の不備について、問題点を整理して、
検察審査会制度そのものを論議しなければならないと思います。
マスコミと、オフレコでの検察側の知識の吹込に基づいて
判断が左右されやすい法の素人集団を、
このように政治的手段化を許していいのか。
どうにも理解に苦しみますね。
社民党は、無罪になる可能性がきわめて高い事案であると
会見で明言しているそうだけれど、
マスコミはもうすこし、公平な報道をすべきではないのか。
<写真は、北海道神宮にあったお菓子組合のテント内部>
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産と学と官

2010年10月13日 07時44分50秒 | Weblog






わたしが職業的に関係している領域というのは
住宅・建築という領域になります。
そこでは、大学における研究という知の蓄積があり、
そういうものに支えられて、民間でさまざまな試行があり、
ユーザーの支持があって、常識的な領域というものが出来上がり、
そういった市場に対して、官がさまざまな許認可権限を持っている、
構造になっています。
そういう中で、雑誌のような仕事をしていると、
さまざまに取材を通して、現状の姿というものが
浮き上がって見えてくる部分があります。
まぁ、最近はそれにプラス、政治家のみなさんとの接触機会もあって
いろいろな角度から、制度の問題点が見えてくる部分があります。
で、政治家のみなさんから聞くのですが、
たとえば住宅や建築の世界で起こっている問題点は
国の仕組みとしては、構造はまったく同じような事柄で
全部の部分で問題点として一斉に、起こっていると言われます。

どうも教育が一番、大きな問題を占めている気がしてならない。
偏差値偏重で、試験の点数取りに特化している人材が「優秀」とされて
あらゆる組織で、採用され、現在中枢的な地位になってきている。
戦後の混乱期から、生きることに必死だった体験を持たず、
ただ、勉強の点数をたくさん取れる人間を大量生産して
そういう考えで今の社会は基本的に運営されつつある。
すべてが、そういう合理性で判断しようとしているのではないか。
とくに官の世界で、このことはどんどん、進行していると思う。
大手企業でも「優秀」な社員は、どんどん官僚化している。
結局、上がってくる数字だけを見て、現場を知ろうとしない人間が
きわめて枢要な決断に大きく参画するようになってきて、
ガン細胞のように、社会を停滞させつつあるのではないか。

マスコミなどでも、
どうも教条化が進行しているようで、心配だ。
結局は、社会全体で目標を失ったのに、
あらたな目標軸を真剣に論議すべき時に、
教条的な経験知識詰め込み型の人材が多くて
社会革新の方向に対して否定的な、きわめて保守的な思考が
社会に蔓延してしまっているのではないか。
ほかの領域のことを聞いても結局、同じような構造問題が横たわっている。
どうすべきなのか、出口はなかなか見えないですね。
<写真は、浜益の黄金山>





北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
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玄関土間の断熱

2010年10月12日 06時50分04秒 | Weblog





玄関の土間は、なかなか断熱の難しい部位になります。
コンクリートは、ナマのミキサー車で運ばれてきますが、
当然コストに響いてくることなので、
基礎まわりは、基本的に一回の打設で済ませたい。
本来であれば、基礎外側断熱が連続している方がいいのですが、
一般的には、鉄筋の配筋工事が大変面倒になるので、
やむなく、断熱欠損は覚悟するケースが多い。
そこだけは基礎の内側で断熱するような場合が多いのですね。

で、写真は先日見た設計者・山本亜耕さんの公開現場でのもの。
手前側が外部の土間コンクリートで、
真ん中に玄関ドアの仕切があるわけです。
で、きれいに断熱材がサンドイッチされている。
奥の室内側土間コンクリートと一体で作られていることがわかる。
コンクリート打設は一発で行われていると言うこと。
ということは、断熱材をはさんで、鉄筋が貫通されて工事されているということ。
聞くと、左右の側からも鉄筋が貫通されて
外部土間コンクリートと一体打設されているそうです。
鉄筋の配筋工事に際して、
詳細な手順や工程管理がされていて初めて可能になるのでしょう。
言葉で言えば簡単に済まされるポイントですが、
これを実行するのは大変だろうなぁと思われます。
マンションの外断熱でも、ベランダの部分はどうしても断熱施工ができないので、
その部位が欠損を生じざるを得ない。
そういった場合の断熱施工について、
こうするしかありませんね、っていう内側からの技術指導解説もあるくらいなので、
まず、こういう施工は行われていないと言えます。
ましてや、一般住宅レベルでの話なので
まぁなかなかここまでていねいな施工はお目にかかれません。
目からウロコ、という断熱詳細でした。

この住宅は、壁面でGW換算で300mm断熱を行っているという
超の字のつく、高断熱住宅なので、
ここまでの技術追及を行っているものですが、
こういう部分がさりげなく行われている、という奥行きを感じます。







北のくらしデザインセンター
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