三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【北の自然林倒木被害 災害と暮らす列島社会】

2018年09月19日 09時11分08秒 | Weblog



北海道地震発生が9月6日。
その後しばらくはさすがに散歩などには行く心理ではなかったのですが、
先週くらいからややゆとりも出来て、
いつもの北海道神宮周辺緑地、自然公園内を早朝散策しています。
ことしの北海道はほとんど雨の夏だったのですが、
その上、関西を襲って関空に大きな被害をもたらせた台風がその後、
北海道にけっこうな被害をもたらせました。
北海道はそんなに台風も来ないし、地震も太平洋岸を除いて
そんなには多くない、という心理的なスキがあったことは事実でした。
気候温暖化の影響なのか、台風の凶暴化が進んでいます。
写真のように札幌周辺地域でも、こういう風で倒された自然木が多かった。
大雨とまでではないけれど、とにかく長い期間日照不足で雨がち。
そういう意味では樹木も地盤面が水分を含んで軟弱になっていて
そこに強風が吹いて、各所の森林で倒木被害が相次いだのです。
各所の森などにその痕跡を見ることができます。
この台風の後に、時間をほとんど置かずに地震が来たので、
ほぼ忘却してしまうところですが、
わたしの記憶ではこの札幌円山自然林でこんなに倒木が見られるのは初めて。

台風は風の被害が大きかったのですが、
しかしこの倒木メカニズムを考えてもやはりその前の
長雨が長期的に地盤面を軟弱化させたことで、
地震の被害を加速させたように感じられてなりません。
毎日少しずつ処理が進んでいるようですが、
まだまだ「立ち入り禁止」の案内が各所に見られています。
気候変動によって災害のレベルが一段スイッチが上がってくるように思われます。
ことし、というよりも、今後とも長期にわたってこういう
気候変動に伴うさまざまなキケンの高まりはあるのだろうと思います。
普段の暮らしレベルから、安全保障・危険の回避を
考えて行動していかなければなりませんね。
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【迫る北海道の冬、具体策で電力危機突破を】

2018年09月18日 07時05分50秒 | Weblog
きのうたまたま毎日新聞WEBで北海道停電関係の記事を読んだ。
「記者の目」北海道大停電 原発依存が招いた“人災”=筑井直樹(夕刊編集部)
発表されたのは9月12日という日付になっていた。
記事執筆者は署名原稿で毎日新聞夕刊記者と明記されています。
この記者さんは北海道に妻子を残して東京に単身赴任されているそうで、
地震当日〜長時間にわたった全域大停電にご家族も遭遇された。
文中、「泊原発の例外的な再稼働はあってはならない」と
書かれているので、そういう考え方の記者さんのようで、
北海道電力に対してひたすら責任追及的記事構成になっている。
署名原稿で責任も明示しているし、そういう考え方は持つことは自由でしょう。
しかし、では肝心のいまの電力危機に対してどういう具体的な対応方法があるかは、
まったく示されていない。まさに空論としか思えない。
あるのは、気の長い自虐的節電強要・エネルギー過剰消費の生き方への
上から目線の反省強要など抽象的な警句だけ。
資本主義を否定したいのかもしれないけれど、いまその世界で人は生きている。
さらに北海道電力若手社員に対して会社の設備投資経営方針を変えよと
「対応策」意見が開陳されている。・・・まるで間に合わない。
いったい何年かかるか、それまでどうするかくらい子どもでも考える。
いま現実に向き合って、耐震震度5程度とされる苫東厚真火力が
すべて稼働したとしても、再度震度5以上の地震が起これば、
ふたたび全道ブラックアウトがやってくる可能性が高い。もし真冬に来たら・・・。
残念ながら危機認識のリアリティがこの記事にはないと判断できた。

いろいろな電力危機への対応方法が考えられるけれど、
思考停止としか言いようがないこうした既存メディア言論を見ていると
日本社会として合意形成可能な手段はきわめて少ないと感じる。
今回の電力危機を体験してみて、いろいろな安全保障策を考えましたが、
個人的アイデアで、1kwのPVの北海道内全戸配布アイデアが浮かんだ。
反原発論の人もPVには心情的支持が多い。社会同意形成可能ではないか。
北海道全戸295万戸とすれば計算上は出力295万kwの電源が確保される。
地震とそれ由来の停電で、おのずとPVについて考えてのアイデアです。
遡ってみたら、これまでFITで電気料金を負担してきている一般ユーザーは
累計ですでに各家庭1kw程度のPVは無償で「貸与」してもいいくらい
エネルギーの「負担」をすでにしてきているのではないでしょうか。
負担の公平実現という意味合いもあると思っています。
このPV1kwと自家消費用の変電設備+できれば蓄電池をセットして
他電力からの「融通」に依存できない北海道の電気ユーザーに対して
無償で配布するのは、エネルギー不安への「生活安全保障策」に
なりはしないかと夢想しています。公共事業よりもはるかに
生活密着・現実的だし、けっしてムダな投資ではないと考えられる。
なんと言っても電気を生み出せる。
必要なコストについては得られる電力を通常時は売電して返済に充てればいい。
緊急時には自家消費にバイパスできるように装置設計する。
1kw程度あれば、冬場でも最低限のエネルギーは担保されるのではと。
まぁやや唐突感は否めないでしょうが、具体的アイデアをみんなで出し合って
この危機をどうやったら乗り越えられるか、論議は大きく起こって欲しい。
どうも最近の動向を見ていると、拓銀が破綻した金融危機のときの
「社会危機のエリア実証実験」に近づいている危惧を抱いています。
北海道はさらにもう一回、危機を経験させられかねないかも。
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【北海道民の柔軟なアウトドア的「停電」生活対応】

2018年09月17日 06時39分15秒 | Weblog
さて電気供給の不安が日増しに高まってくる北海道であります。
先日も苫東厚真の火力発電所の耐震性能が新しく耐震性能を決定する
以前に建てられた発電所なので震度5レベルだったという。
そのために今回の震度7でやられた、とされていた。
このことは国の方でも、その状態で許諾を得ているという情報が出ていました。
売上規模5,000億円程度の規模の会社で、
そもそも全国一経営効率の悪い広大な北海道を基盤とする電力会社。
発電の効率を考えてさまざまな手を打ってきたけれど、
それらはすべてにおいていま、厳しい状況になっている。
資本主義社会、その最たるものとしての上場企業として
効率を最優先させて利益の最大化を果たしていくのは「責務」でしょう。
まぁ北海道電力の経営環境その他を考えていくと、
このギリギリの状況が続いていくと、再度冬場にブラックアウトが起こる確率も
決して低いレベルではなくあり得ると考えなければならない。
もしそういう事態が生起したら、地域としての北海道は
壊滅的な状況にならざるを得ないと思います。
本当に「凍死者」が出ることが可能性として十分にありえるでしょう。
こういう状況でキレイ事を言っていても、事態はなにも解決しない。
現実的に北海道での経済活動を担保していけるエネルギー政策、安全保障を
ぜひ確立させて欲しいと、経世済民の立場からお願いしたい。

そういう厳しい状況の中ですが、
先般の停電でもどっこい北海道民はなかなかにしたたかでありました。
北海道は自然が豊かであり、札幌から数十分もクルマを走らせれば、
キャンプなどの好適地がそれこそふんだんに存在する。
停電生活でも、そういう道民的ライフスタイルが功を奏した部分があった。
ジンギスカン鍋など、野外でのバーベキューコンロなどは
相当の普及率であり、ちょうど停電の結果、解凍せざるを得なかった
肉や魚類を野外炊事セットを使って「処分」していたという話題をよく聞く。
「かえって豪華料理満載の夕飯が続きました(笑)」
というような、災害も「柔軟にいなしていこう」というおおらかさ。
重要なのは人口密集地の都市部でもこういうコンロナマ炊きなどに対して
北海道的暮らし文化として、おおらかさがあることだと。
札幌の北海道神宮境内の自然公園「円山公園」では、
お花見の季節、野外コンロ利用での「ジンギスカン」が盛大に許容されている。
東京の都市住宅街で炭や薪でナマ炊き調理を野外で行うとなったら、
それこそ「苦情」「タレコミ」で大炎上することでしょう。
第一、薪ストーブなど、その発生する煙が「近隣への迷惑」と行政にタレコミされ
事実上、都市部では設置を回避せざるを得ない現実がある。
それに対して北海道では薪ストーブの匂いに開拓期の郷愁を感じる部分もあるのか、
都市部住宅でも「ウッドデッキ」などが比較的多く装備され
普段からアウトドア自然派的なこういった文化への相互理解が濃厚に存在する。
他人の通りすがりの目線もむしろ好意的だったりする(笑)。
今回はちょうど季節もまだ温暖な時期だったので、
写真のような「臨時キャンプ生活」というようなライフスタイルが
深刻な困難をいなしている、というように感じられます。
サバイバルの基本は、こういうシンプルな対応力ではないでしょうか。
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【Replan北海道122号 「平屋の間取り」 9.28発売】

2018年09月16日 07時09分33秒 | Weblog
平屋って計画すると、間取りということが究極的にテーマになる。
2階建て以上だと、プランは「複式」で考えるので
煮詰まる割合が薄まっていくのに対して、「単式」なので、
その分、逃げ場がなく間取り計画が決定的な要素になっていく。
よくマンションの販売計画でのプランニングの重要性を聞きますが、
戸建て住宅でも平屋では、同じようなプロセスがあると思います。
マンションの場合は万人共通の利便性、いわば最大公約数ですが、
戸建ての場合には、より個性的な「解」が追究されていく。
戸建て住宅の最大のポイント、間取り特集、ぜひご参考に。
写真は、札幌市内の取材事例のドローン撮影です。
本州地域のみなさんには屋根の「シート防水」も珍しいかも。

Replan北海道VOL.122
 2018年9月28日発売
【特集】 平屋の間取り

「平屋に住みたい」「平屋的な暮らしがしたい」
「平屋のかたちが好き」など

平屋には憧れにも似たイメージがつきもののようですが、

それはまったく特別なことではありません。

自分たちの暮らしに
どのくらいの広さが必要で、
家のかたちはどんなものが好みなのか、

将来はどのような暮らしをしたいのか、など
等身大の暮らしをイメージした
間取りの工夫ひとつで、
あなただけの「平屋」は実現します。


普段の暮らしに合う「平屋の間取り」、一緒に探してみませんか?



●エリア特集・十勝で建てるなら、ココ! 2018

●リプランのオフィスリノベーション&DIY
Report
●建築家と地域工務店で創る家

●リノベーションで暮らし、広がる。

●連載 Q1.0住宅デザイン論 〈新住協 代表理事・鎌田 紀彦〉

●連載 いごこちの科学 NEXTハウス15 〈東京大学准教授・前 真之〉

●新築ルポー住まいのカタチー

●北の建築家
 「Moiwashita Hut」 粟野 琢
 「path」 水谷 哲大


9月14日~20日までにご購入された方は28日までに配送致します。
事前予約販売のお申し込みはこちらまで。

Replan北海道版122号の書店発売は、9月28日です。
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【住宅の情報発信 キモは写真表現】

2018年09月15日 07時23分54秒 | Weblog


住宅は動き回らせることはできない、定置的人間活動表現。
この人間活動には、ひとつは経済的活動という絶対的側面があり、
同時にモノとしての表現物であるという側面も持っている。
大体、多くの人にとって人生のなかで1回くらいしか、
建築できる機会は訪れることがない。それもほとんど新築に偏っている。
他の社会、たとえばアメリカの新築戸数とくらべて
人口規模は半分なのに、新築戸数は2倍くらいになっている、という。
〜国交省データでは、人口1,000人あたりの新築住宅着工戸数は
日本が7,6戸に対して、アメリカは3,7戸と倍以上と発表されています。
ちなみに対GDPの投資割合では日本3.3対アメリカ3.8なので、
やはり日本は極端に「新築偏重」というのが実態ですね。〜
で、日本人の生涯年収は、いまおおむね2億円程度というデータがあるようですが、
そのうちのたぶん1/3前後が生涯住宅投資になる。
日本では異常に新築戸建て住宅への投資が旺盛だと思います。
わたしの想像ですが、戦後導入された「個人主義」という価値感が国民性として
個人の「注文戸建て」住宅投資というものに異常に偏って伸張したのかも知れない。
というか、個人主義が全開になったとき、日本人はまず住宅にその果実を
大きく夢見たということであるのかも知れないと。
このことと、戦後の経済成長とはパラレルであったように思われます。

そういう日本社会の中での存在である戸建て住宅。
それも日本的個人主義の「表現物」という側面もある戸建て住宅では
その「依頼者」「建築人」双方の「思い」が表現されたのでしょう。
だから、その表現に込められた「意図」とか思い、に興味が強くなっていった。
そうなると、それをどう「伝えるか」ということが大きなテーマになった。
端的に言って、動かせない対象物として写真という表現が主要に扱うことになった。
わたしたち住宅メディアというのはそういった宿命を背負っている。
その協同者として、写真家という存在があります。
きのう、新住協北海道札幌支部の例会では、
写真家のKEN五島さんを呼んで、写真表現についての講演セミナーを開催。
最近、新住協では若手のみなさんからオモシロい動きが出ていて、
こういった視角の勉強会が開かれることになった。
ということで、時間を見て参加してみました。
上の写真は講演会で五島さんがプレゼンしていた写真です。
五島さんから許諾もいただきましたが、念のためクレジットも入れました。

それこそ毎日、このテーマで住宅建築の現場で話し合いながら
活動しているので、まことに身近な話題テーマ。
五島さんには数回本誌でも作品発表していただいています。
きのうの講演ではややテクニカルに寄りすぎていて、時間の関係で
肝心の「どう撮るか」という対象・住宅との「対話」というテーマが
突っ込み不足になってしまった。
まぁしかし、それこそ毎日格闘しているテーマなので、
お話にはたくさんのヒントが示されていて、わたし的には大いに気付きがありました。
五島さん、ありがとうございました。
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【神社建築デザインが刷り込むニッポン感性】

2018年09月14日 07時57分48秒 | Weblog
ここのところ地震以来、なかなか散歩に出掛けられません。
どうも気持ちにややゆとりが欠けているのかも知れませんね、
すこし反省しています。
・・・と書いたら、今し方午前6時54分ごろ、比較的大きめの余震がありました。
なかなか油断できない。なの無意識に散歩気分が抑えられているのか。
わが家は国道から300〜400mほどの位置で、中学校のグランドに面していて
窓を開けたりしていると国道を行き交う緊急車両の警告音は
比較的に大きく響いてくる立地環境。
こういうことが日常感よりも非日常感を優勢にさせるのかも知れません。

さて神社建築であります。写真は北海道神宮境内にある「開拓神社」。
神社建築(本殿)の特徴としては以下のような点が指摘されている。
・屋根に妻を持つこと
・床を高く張ること
・瓦を用いないこと
・土壁を用いないこと
・装飾の質素なこと
っていうようなことがWikipediaにはまとめられていますが、
わたし的にはそのほかに神域としての背景緑地を持つ、というのが、
きわめて重要な要件であるように思われます。いやむしろ本質では?
この開拓神社は、北海道神宮の壮麗さとは違う、小型でかわいらしい神社ですが、
それでもご覧のように美しい背景の緑をたたえている。
この緑の背景のなかに、白木にシンプルな造形が神社の定番なのだと思う。
そこそこの年齢に達してきて、全国各地の神社を参詣させていただいてきた。
西洋のキリスト教寺院は街中で威圧的な建築外観で
内部にはステンドグラスみたいな文化も取り入れて絢爛豪華系なのに、
ニッポン神社は、まことに自然尊重型で、
伊勢などは、まるで自然そのものが神体であるかのように錯覚される。
鎮守の森、とはよくいったものだと思わされる。
神社はそういう意味で自然崇拝型の「宗教」なのだろうと思います。
高温多雨気候が支配的な列島社会で、宗教心を求めるとき、
環境を統御し支配する広葉樹林的な緑地がごく自然に選択されたように思う。
そういう森の空気感の中で、自然調和的な建築のありようとして
切妻屋根で、妻側がデザイン的に重視された高床が支持されたのだろう。
高床は失われた古代の人類生存圏・スンダランド的な海洋性出自を感じさせる。
こういう切妻のプロポーションに対して拝跪し続けてきたニッポン人。
やっぱりわたしたちの美意識のベースに深く刷り込まれてきているに違いない。
また神社拝跪の日常の毎日に、はやく復帰したいです。
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【地盤崩壊の惨状、人の目線・衛星目線】

2018年09月13日 08時12分24秒 | Weblog


写真は、一昨日に確認した札幌市清田区の地震による地盤液状化の様子と
産経新聞WEBが報じた政府発表の衛星写真での厚真町の写真。
今回地震の被害が集約されていると思います。
まだ全貌は明らかでは無いけれど、
地震・揺れによって建物被害が大きかったというよりも、
やはり地震動によってなんらかの理由で地盤が脆弱だった箇所で
集中的な被害をもたらせたということがいえると思います。
札幌市清田区では、宅地造成のありようがどうであったか、
この点が大きな問題点として浮かび上がってきている。
そういう意味では札幌市内の他の地域でも被害はあるようです。
とりあえず公的機関でハザードマップは参照できるようになっているので、
ユーザー側としては、基本知識として把握しておく必要があるでしょう。
一方、下の衛星写真ですが、震源域に近いこの地域では、
きわめて広域にわたって斜面崩壊のような土砂崩れが起こっている。
現在は交通規制などが行われていて、
一部の報道速報写真などでしか、状況を知ることはできないようです。
札幌からこの地域に行くには、いちばん近距離では高速を千歳で下りて
東方向に走らせて、北となりの「早来町」市街地から
この山地を抜けて厚真町市街に向かうことになりますが、
現状では、当然のように通行が遮断されています。
北海道で地域に密着して住宅雑誌を発行している者として、
通行の安全性が確保された段階で、現地を視察したいと考えています。

どちらにしても、今回地震で露わになったのは、
住宅が建てられる土地の地盤の問題が大きい。
わたしが建築設計に関与した親族の家も、この清田区の近隣にあり、
この現場からクルマで数分ほどに建っています。
直前の台風で自立の風よけ木製塀が倒れましたが、
いまのところ地震による建物の変位は見られていません。
その新築時にはスウェーデン式サウンディング方式での地盤調査を行った。
それに基づいて建築した経緯があります。
やはり建築時点でその土地の地盤調査は必要だと思います。
これまで見ている実感では、屋根が鉄板で軽量でしかも基礎が
「凍結深度」を考慮して、たとえば札幌などでは60cm鉄筋コンクリート基礎が
通常施工されていることで、地震耐力を持っている可能性がある。
まだ広域的な被害状況がまとめられていない段階ですが、
見聞する範囲内では、そう大きな建物被害の様子はみられていない状況です。
引き続き、いろいろな角度から取材していきたいと思います。
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【北海道地震被害、札幌里塚地区の状況】

2018年09月12日 06時39分20秒 | Weblog



きのう出掛ける用事があったので、気になっていた
札幌市清田区里塚の液状地盤地域の被災状況を実地検証。
やはり自分自身も地震後のライフラインの整理整頓、対応が必要なので
こういった「取材活動」にようやく着手できた、ということです。
まず3枚目の写真をごらんいただくと、この地域の全景が見渡せます。
手前側は国道36号線でやや北方から南の方角に視線を見晴らした画像。
国道はやや高台になっている、というか、この地域一帯が
谷地のような元地形であったことが明らかです。
現地でヒアリングした範囲では、画面中央くらいの位置に小高い凸地があったのを
切り崩して整地し、なお水平面確保のために大量の「盛り土」をした、
そういった経緯で区画整理がされた土地のようです。
今回画面中央くらいの場所で水道管が破壊されて大量の水が地上に噴出した。
その濁流が画面奥に向かって泥流となって流れたとされている。

で、この地域一帯を歩いて外周して見た次第。
ちょうど安倍総理もこの地域を視察して、その後ウラジオに向かったと
現地の方からうかがいました。
わたしは節電のこともあって、テレビはつけていないので知らなかった。
1枚目の写真は3枚目の写真左手の緑地のふもとあたりになります。
下水のマンホールが高さ1.5m程度屹立している。
・・・ということはないのであって、これは周辺地盤が大きく変形陥没した様子。
この画面のアスファルト路面の下側地面の状況を推測すると、
地面の液状化、水道水の氾濫による地形変化がどれほどであるか、
災害の恐ろしさに慄然とする思いであります。
こういう地形変形がこの地域一帯で確認することができます。
2枚目の写真も、この住宅地域のほぼ真ん中あたりの状況。
写真に撮ったどの住宅も、ひとつとして水平垂直が維持されていない。
そもそも道路自体が複雑に変形しているので
どのようにしても写真としての天地左右の軸線を見いだせない。
住宅建築に関わりのあるメディアの人間としてやむなく映像を収めるワケですが
大きく被災されたみなさんのことを思うと胸が締め付けられる思いであります。
深くお見舞い申し上げます。

引き続き、住宅について今回の地震について取材をして行きたいと考えています。
しかし、こういう惨状の中でなお、エネルギー問題が追い打ちをかけてくる。
昨日北電さんから、苫東厚真の火力発電所の復旧が遅れる旨、発表された。
11月というメドが示されたわけですが、これ自体も流動的だと思います。
きのうは零下まで朝方の気温が低下した地域が北海道内では出てきている。
逼迫する電力需給状況の中で、暖房による電力需要がさらに加速され
大きくなることは恐怖そのものであります。
経済活動から基本的な生活維持レベルまで、堪えていかなければならないのか?
札幌は北海道内では比較的に温暖な地域ですが、
道北、道東地域などではこの時期からすでに暖房が必須になる地域が多い。
そういうときに、電力2割カットというのは、まさに命に関わってくる。ムリです。
けさの朝日新聞WEBですら、こういった論調で現地ルポ情報が書かれている。
エネルギーの安全保障について、世論がもっと喚起されてほしいと
この地域に住み暮らすもののひとりとして、切に願っている次第です。
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【計画停電回避のため2割節電をどうやるか?】

2018年09月11日 08時05分02秒 | Weblog
さて地震から6日目になり、きのうからは仕事も本格稼働です。
なんですが、あのブラックアウトの余韻がまだまだ強烈です。
電気のありがたさが身に染みたので、この通電状態が継続して欲しい。
北海道電力さんから徐々に情報や「お願い」が発せられてきている。
以下、産経WEBからの引用。

計画停電回避へ2割の節電要請 道と経済産業省が連絡会議
北海道を襲った地震で電力不足に陥っているため、道と経済産業省は
10日、札幌市内で経済や産業などの団体を集め、節電要請の連絡会を開いた。
北海道電力の真弓明彦社長は「なんとしても計画停電を回避したい」として
2割の節電を要請した。
北電によると、北海道は地震で全道約295万戸が停電。9日時点で、
ほぼ電気が通じるようになったが、9月平日の最大需要を
約380万キロワットに想定したところ、本州から電力融通や自家発電などの供給力を
積み増しても10%程度が不足するという。
真弓社長は「お客さまには最大限の節電をお願いする」としたうえで
「セーフティーネットとしての計画停電は準備が整い次第、公表する」とした。
北海道経済連合会の高橋賢友会長は「計画停電は産業活動に大きな影響をあたえる。
節電に向けさまざまな取り組みを行っていきたい」と決意を語った。
北海道医師会の長瀬清会長は「計画停電の場合、病院に対する配慮は
あるのだろうが、今は在宅患者さんもかなりおり、2時間3時間停電すると、
呼吸の管理などで大変なことになってくる」と計画停電への懸念を示した。
北電によると、10日午後0時台の電力需要は地震前に比べ
「14・7%減(速報値)」だった。10、11日の計画停電は実施しない予定。〜引用以上。

というような電力需給の状況が北海道内ではアナウンスされています。
2割の節電、であります。
ではどうやればいいのか? 残念ながらこういう情報までは提供されていない。
自分が行動して努力した節電効果が、わかるようにアナウンスされると
みんなのやる気が引き出されるでしょうね。
そういう方法について、いろいろと検討してみたいと思います。
どうやら、苫東厚真の火力発電所復旧には1週間以上かかりそうな雰囲気。
ちょっと長丁場で節電の工夫をみんなで共有する必要がある。
先日も書きましたが、経済活動に影響しないように、あるいは
経済活性化の方向でエネルギー問題を冷静にみんなで考えたいですね。
とりあえずは、待機電力の削減、コンセントをこまめに抜いておくとか、
9月になって、暖冷房の必要性は少ない時期なので、
そういう面では負荷は大きくはないかも知れません。
ただ、この時期の平均的電気使用量に対して2割削減ということなので、
もっと知恵を絞っていかなければならない。
きのうも印刷屋さんが来ていましたが、停電による被害は大きく出ています。
実際にエネルギー遮断されれば、くらしが成り立たない。
きれいごとや美辞麗句、観念ではない、リアリズムの世界だと思います。
今回のブラックアウトを経験し、まずは常識レベルのことから一歩を始めたい。
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【地震停電時、最新型トイレの流し方】

2018年09月10日 07時02分22秒 | Weblog


きのうの投稿へのコメントが多数寄せられていました。
最新型トイレでの地震災害時の排水方法や、その他設備の対応方法についてです。

わが家ではことし春にリノベーション工事を行って、
2階のトイレについては新型トイレに入れ替えていた。
しかし、生活している1階部分のトイレは間取り変更も無かったので旧タイプ。
なので、停電したけれど水道が通っている状態でなんの問題もなかった。
ライフラインのなかでも、トイレの問題はそれこそ基本になる。
幸いにして今回は札幌では水道が一部を除いて断水などの事態はなく安定していた。
したがってわが家の夫婦2人はそのことでは特段問題はなかった。
しかし地震2日目には数名のスタッフが出社してくれて
そのときにはじめて、2階の新型トイレが流せないことを確認した。
わたしはちょうど他のプロジェクトにかかっていたので、
カミさんたちが対応したが「わかんなかった」ということだった。
その日は数名だけだったので1階のトイレを使用してもらって不都合は無かった。
で、2日目夜7時半頃に電気も復旧したので、
3日目の土曜日の全員出社時点では原因もなくなっていた。
という経過だったが、ブログに書き込んだことで反響があったので
今後同様の事態ための備えとしたいと再度、チェックしてみた。
わが家のタイプはTOTOのTCF972型というヤツ。
ちょうどリノベ工事の設備類マニュアルの類は、ひとまとめにバインディングしてある。
引っ張り出すと、件のマニュアルをすぐに発見。
開いてすぐのページに「停電したとき手動レバーで便器の水を流すことが出来ます」と
大きく図解入りで書かれていました。(2枚目のイラスト図)
実際にその箇所も確認し、理解出来た。
操作方法もきわめて簡易になっているので、今後、慌てずに対応できそう。
表示方法、扱い方どちらも明瞭ですぐに理解出来るようになっている。
あとはこういう方法の「一般常識化」が必要だと。
最近は工務店や住宅メーカーでは設備マニュアル類のワンセット化が標準的ですが、
そのマニュアル類のありかを、家族がきちんと認識しておく必要がある。
通常はリビングなどの収納というケースが多いと思いますが、
こういう地震に遭遇してみると、普段から気がついたときに家族で
一度は確認のために目を通してみることが必要でしょうね。
(って、わが家はやっていませんでした〜反省。)
その他、建築家の藤島喬さんから、「友人宅では、電動シャッターの手動化が難しく、
車を出せなかったそうです。多分じっくりと説明書を読めば手動化が出来ると思うが・・・」
というようなコメントもいただきました。
たしかにわが家の隣家でも困っていたようで、2日目日中は開け放しにされていました。
手動で開けるには開けられたけれど、操作が面倒だったのかも知れません。
いずれにせよ、多機能化が容易で便利な電気の利用。
せっかくガスコンロ設備だけれど、電気で調整するので結局使えなかったとか、
いろいろな「経験知」が今回出てきたと思います。
設備の「停電時使用方法」みたいなまとめ、一度やっておくのは必要な知恵ですね。
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