ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

短くて恐ろしいフィルの時代

2018-09-19 17:17:26 | 読書
ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』




 「国が小さい、というのはよくある話だが、〈内ホーナー国〉の小ささときたら、国民が一度に一人しか入れなくて」

 まるで子どもが落書きをしているような、突拍子もない思いつきが散りばめられた話。

 小口に塗られたオレンジ色が、開いた本の両脇に絶えず見え、話が少しずつ悪意に満ちてくると、その鮮やかな色がだんだん暗い色に感じられてくる。

 表紙を見ると、最初手にしたときに感じた楽しげなオレンジ色が、明らかに変化している。
 中央に描かれた王様も、最初は愉快な人だと思っていたのに、本当は腹黒い人だったのですね、だまされた気分になる。

 装丁は角川書店装丁室の鈴木久美氏。(2012)







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アメリカのパイを買って帰ろう | トップ | 北の無人駅から »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事