渡辺一史『北の無人駅から』
学生の時、夏休みに自転車で北海道を旅したことがある。
人家のまばらな通りを走り続けるので、駅に着くとホッとしたものだった。
水場があり、屋根があり、夕方になると同じような旅行者が集まってきて、待合室や駅前で寝袋を広げた。
いま考えると邪魔だったと思うが、地元の人たちは、二十歳前後の若者たちに親切だった。
鉄道旅行より、駅にはお世話になったかもしれない。
そんな懐かしさが、『北の無人駅から』を読むとよみがえってくる。
しかしそれだけではない。表面をなぞるだけの旅行では見えない部分、小さな町村での生活の大変さが、この本には詰まっている。
旅愁を誘う表紙の写真(並木博夫撮影)と、佐々木正男氏の抑えた装丁がいい。(2012)
学生の時、夏休みに自転車で北海道を旅したことがある。
人家のまばらな通りを走り続けるので、駅に着くとホッとしたものだった。
水場があり、屋根があり、夕方になると同じような旅行者が集まってきて、待合室や駅前で寝袋を広げた。
いま考えると邪魔だったと思うが、地元の人たちは、二十歳前後の若者たちに親切だった。
鉄道旅行より、駅にはお世話になったかもしれない。
そんな懐かしさが、『北の無人駅から』を読むとよみがえってくる。
しかしそれだけではない。表面をなぞるだけの旅行では見えない部分、小さな町村での生活の大変さが、この本には詰まっている。
旅愁を誘う表紙の写真(並木博夫撮影)と、佐々木正男氏の抑えた装丁がいい。(2012)
この本についての文章を書くかたがいることにびっくり、しかし、うれしく読ませていただきました。
わたしがうまく言語化していなかったこともうまく表現されていて、いい文章だと思いました。
コメントありがとうございます。
この本は、たたずまいも内容も好きです。
渡辺氏の真面目な文章も好きで、大切な本です。