ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

ブコウスキーの酔いどれ紀行

2019-07-05 18:30:42 | 読書
チャールズ・ブコウスキー『ブコウスキーの酔いどれ紀行』




 ちくま文庫のブコウスキー、3冊の中の1冊。

 このカバーにも、サヌキナオヤ氏のイラストが入っている。

 でも、3冊ともデザインがちょっと違う。

 イラストの周囲に配置されたタイトル、著者名の位置が異なっている。

 些細なことだが、これが統一された単調さを免れていて、ブコウスキーの反骨心を表しているかのようでもある。


 フランス、ドイツの紀行文。

 朗読会に呼ばれ、テレビ出演をする。ドイツでは、自分の生まれた家を訪れ、叔父と再会する。

 同行したカメラマンのモノクロ写真が多数入っていて、書かれた文章が本当だとわかる。

 ここには、おそらく素のブコウスキーがいる。

 創作に登場するブコウスキーの分身と、かなり似ていて、いつも飲んだくれている。

 嫌いな人間とは喧嘩をする。しかし、好きな人に対しては、「大好き」と言えてしまう素直さがある。

 小説の中で垣間見えていた繊細さが、ここでも時折顔を出す。

 恐い顔をしたブコウスキーを、少し好きになる。


 デザインは加藤賢策氏。(2019)



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