ロビンソン本を読む

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君を失って、言葉が生まれた

2018-11-21 21:55:40 | 読書
藤川幸之助『君を失って、言葉が生まれた』





 この本は、買ってすぐに開いたけれど、読み進められなかった。

 読まないことで、時間を止めてしまいたかった。

 そのまま何年も過ぎてしまった。


 
 癌で妻を亡くした男の言葉。

 そばにいたのに、ちゃんと見ていなかった。

 いつでも言えると思って、優しい言葉をかけてあげなかった。

 そして、いつの間にか別れの日が近づいていた。



 再びページをめくる。

 著者の悔やむ気持ちが押し寄せてくる。

 自分が別れを目の前にしているように感じる。

 本から顔をあげるのだ、周りの人をしっかり見るのだ、愛するのだ。

 別れはふいにやってくるかもしれない。



 表紙を見ているだけで、失ってしまった何かを思い出しそうになる。

 装丁は名久井直子氏、イラストは田雑芳一氏。(2014)









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