http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090816/bks0908160847011-n1.htm
【書評】『わが友・小沢一郎』平野貞夫著
剛腕、壊し屋のイメージがついて回る小沢氏だが、長年の付き合いで「側近中の側近」である著者が「報道されてこなかった真の小沢像」を描いた。話は5月の民主党代表辞任から始まるが、小沢氏は「代表を続投して総理になろうと思えばなれたが、政権交代のためにあえて身を捨てた」という。3月の公設秘書逮捕も、著者は「政権交代をさせないための悪質な検察権の乱用と自公政権の共同作業」と分析。これまで小沢氏が政治活動で受けてきた「誤解」について、秘話を交えつつ「真相」を描いており
、「小沢像」が一変するかもしれない一冊。
今回の衆院選は「小沢氏に政権を任せるかどうか」の選択でもあり、選挙前必読の書といえそうだ。(幻冬舎・1575円)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090815/stt0908150831001-n1.htm
次に小沢氏が5月になって、代表を辞任した理由です。平野氏自身は「小沢代表続投でも政権交代はできる」と考え、党内を続投支持で固めるために動いたそうですが、小沢氏は結局、辞任を決断しました。これについて、平野氏は「政権交代を目の前にして、野党第一党の代表を辞任することは『総理大臣にならない』ことを意味する。小沢氏は総理大臣のポストよりも『政権交代』という政治の大目標を優先した」と説明しています。
私も小沢氏は実際、そう考えて辞任したのではないかと思います。というのは、私が小沢氏を取材してきた経験からいって、「小沢氏は総理大臣になりたいとは考えていない」とみているからです。
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中略
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小沢氏が5月にあっさり代表を辞任したのも「自分は総理大臣になれなくていい。政権交代がより確実になるなら本望だ」と思ったからだと思います。結果として、小沢氏の辞任によって、民主党は支持率を一気に回復、政権交代の可能性が高まりました。小沢氏の戦略はピタリとはまったわけです。小沢氏自身はその後、代表代行に就任し、実質的に衆院選の総指揮をとっていますが、代表時代以上に張り切っているようにみえます。
(下)小沢氏への評価を定めて衆院選投票を
「わが友…」ではこのほか、「小沢氏から側近が離れていく本当の理由」や、「小沢氏が人を信じすぎる性格からだまされ続けてきた話」、「小沢氏ほどカネにきれいな政治家はいない」、「小沢政治が目指すもの」など、「小沢氏の真の人間像」について、マスコミで書かれていない秘話を交えて書かれています。
平野氏は小沢氏の「側近中の側近」ですから、「小沢氏のイメージをよくするために書いたんだろう」と思われる方もいるかもしれませんが、平野氏は同書 の中で「書いたことはすべて真実であることを宣言する」と明言しています。
小沢氏に対しては、その個性の強さもあって、好き嫌いが大きく分かれる傾向があります。私自身も取材経験を通じて、小沢氏は優れた点もあれば、改めるべき点もあると思います。評価は個々人で異なるでしょう。
それを国民が判断するうえではマスコミの報道が重要ですが、小沢氏に関しては自戒を込めていえば、必ずしもその人間像や考え方、政治行動が正確に伝えられているとは思いません。その原因は、記者が小沢氏を直接取材し切れず、間接的な情報で記事を書いているためです。
その意味で、衆院事務局、参院議員時代、現在に至るまで小沢氏と長年の付き合いがあり、恐らく一番知っていると思われる平野氏が書いた「わが友・小沢一郎」は一読の価値があると思います。
とくに政権交代が実現した場合、小沢氏は恐らく中枢で政権・与党を動かすことになると思うので、今回の衆院選は「小沢一郎に政権を任せるかどうか」の選択ともいえます。賛否は分かれると思いますが、
いずれにしても小沢氏に対する評価を定めたうえで、投票されることをお薦めします。
今回はそれほど日本の行方を決める重要な選挙だからです。
貧乏人なら民主党に・・・貧乏人なら民主党