沖縄に行って驚いた まさに戦争と平和の岐路にある /ゲスト・有田芳生さん(ジャーナリスト) 司会 尾形聡彦✖️望月衣塑子
アメリカのポチ――。歴史的に何度となく使われてきた言葉ではあるものの、今更ながら日本の首相なり為政者というのは、どいつもこいつも宗主国アメリカの忠犬に成り下がり、尻尾を振ってすり寄っていくみっともない者ばかりである。プレスリーの物真似をした小泉純一郎しかり、その様は見ていて恥ずかしくなるほどで、染みついた奴隷根性とでもいおうか、顔つきから何からすべてが卑しい雰囲気を感じさせてどうしようもないものがある。媚びへつらうという表現がピッタリなのである。
岸田文雄も御多分に洩れず、アメリカに飛んでいったと思ったらバイデンに防衛費の大幅増額を報告し、米軍需産業から敵基地攻撃能力につながる巡航ミサイル・トマホークを500発購入することを約束するなど、勝手に決めて勝手に約束してくる始末である。大統領が玄関まで出迎えてくれた! 異例の厚遇! といって天にも昇る勢いで感謝感激している有り様で、こうなるともう情けないを通り越して無様ですらある。バイデンが上機嫌になるのも当然で、今後5年間で43兆円も防衛費を増額し、要するに米軍需産業の固定収入を日本が支えるというのだから無理もない。そのために国内で増税をやることから、ワシントンで「国民への説明を徹底する」と記者会見を開くなど、まるで順序が逆である。
昨年末に安全保障関連3文書改定を閣議決定して勝手に「安保政策の大転換」をはかり、国会閉会中に防衛費の大幅増額を決めてそれをバイデンに報告し、なおかつ反撃能力(敵基地攻撃能力)を備えるとして、トマホークの導入にまで身を乗り出す。改憲していないのに既に憲法はあってないものとなり、非戦の誓いなど投げ捨てて攻撃能力を備えるすなわち戦争の当事者として変身するというとんでもない事態が、本来の手続きすら経ずに進んでいる。すべて国会では何らの議論もされず、勝手に決めて勝手に約束してくるという手法で、これでは「法の支配」も何もあったものではない。憲法に背いて勝手に軍事大国化の道を進み始めているのである。
原爆を投げつけられ、全国の都市という都市が空襲に見舞われ、挙げ句に占領統治されて78年。他国の軍隊がいまだに国土に100カ所以上もの基地を配備し、駐留している国など日本をおいて他にはない。占領統治の「成功例」ともいわれる「日本モデル」とは、力に拠る支配と同時に、もう一方の奴隷根性が機能してはじめてなし得るものなのであろう。この支配される側の屈服と隷属がなければ、近年のアフガンやイラクのように他国による占領統治などできるものではなく、激しい抵抗に見舞われて外国軍隊は駐留すら困難になるのが目に見えている。
日本の場合、為政者が外国占領軍隊に屈服し、みずから武装解除して「鬼畜米英」を叫んでいた割には銃声一発すら抵抗なく受け入れて今日に至る。あの大戦で320万人以上もの邦人の生命を犠牲にした戦争指導者や独占資本は、国体護持と引き換えに占領支配に協力し、その代わりに戦後の地位を守られて、岸信介から連なる安倍晋三をはじめ為政者の血統は引き継がれてきた。主権はなきに等しく、一事が万事アメリカ万歳でかしずくことが務めとなり、国益を売り飛ばすことで植民地従属国の権力ポストが与えられてきたにすぎない。要するに右翼ぶったって何したって、性根は売国奴なのである。
大戦から78年が経過した今日、今度は対中戦争の鉄砲玉として駆り出し、「米本土防衛の盾となって死んでこい!」がやられているのに対して、大喜びで軍事大国化の道を選び、「日本列島を狙って来いや!」とイキっている様は、傍から見ても見なくてもバカげている。米軍需産業のカモにされ、終いには戦場にされかねない境遇はウクライナとも重なるものがあり、いざ対中戦争に投げ込まれたなら、逃げ惑わなければならないのは国民である。この売国と亡国の道に待ったをかけることが、国民一人一人にとって未来の生命(いのち)をかけた譲れない課題になっている。武蔵坊五郎
“戦争の準備ではなく、平和の準備を”
評論家 故・加藤周一さんの発言 各界に響く切実感
“戦争の準備ではなく、平和の準備を”―日本共産党の志位和夫委員長が11日の全労連と国民春闘共闘委員会の合同旗開きでのあいさつで紹介した「九条の会」呼びかけ人で評論家の故・加藤周一さんの言葉が反響を呼んでいます。岸田政権による敵基地攻撃能力の保有と大軍拡の動きが急ピッチですすむなか、切実感をもって受け止められています。
加藤さんは2005年11月の「九条の会」の講演会で、「平和を望むなら、戦争を準備せよ」というラテン語のことわざを紹介しつつ、これは「間違っています」と指摘。「戦争の準備をすれば、戦争になる確率が大きい。もし平和を望むなら戦争を準備せよじゃあない。平和を望むならば、平和を準備した方がいい。戦争を準備しないほうがいいです。準備は容易に本当の戦争の方へ近づいていく。非常に早く強く」と語りました。
14年には「九条の会」10周年の講演会で、作家の大江健三郎さんも加藤さんのこの言葉を引用し、「そのとおりです。非常にまじめで、どこか不思議なユーモアのある論理です」と述べました。
戦後出版された大蔵省昭和財政史編集室編『昭和財政史』で経済学者の大内兵衛氏はいいました。「軍拡は必然的に戦争への道を促し、戦争はまたさらに次のより大きな戦争を不可避にするものであることを、事実によって何ものよりも雄弁に示されたという感が深い」。そして戦時国債がいかに軍国主義に利用されたかを説いています。いま多くの識者が「戦争の準備」に警鐘を鳴らす発言をしています。演出家の宮本亞門さんは沖縄県主催のシンポジウムで「戦争は天災ではない、人災だ。人災は止めることができる」「今、私たちは大きな分岐点にきている。私は止めるために動いていきたい」と発言。法政大前総長の田中優子さんが岸田政権の動きをあげて、「日本が戦時体制に入りつつある」「だから、反戦の準備をしよう」(「東京」15日付)と呼びかけました。
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23/01/18 政府目標 2030年までに訪日観光客6000万人にビックリ 知ってました??
ガッカリだろう。5泊7日の欧米歴訪を終え、15日に帰国した岸田首相。5月のG7広島サミットへ向け、外交成果による政権浮揚を期待したが、全くもって振るわなかった。読売新聞が外遊中の13~15日に実施した世論調査では、内閣支持率が39%と前回12月調査から変化なく横ばいだったのだ。
23日からの通常国会を控える中、今後も支持率回復は絶望的。自民党内の“問題3人衆”が、岸田首相の行く手を阻みかねないからだ。筆頭は細田博之衆院議長。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係について、これまで再三説明を求められながら全く応じず、いまだに問題がくすぶったまま。野党は徹底追及の構えを見せている。
「立憲の安住国対委員長は、細田さんについて『頬かむりしたまま何の説明もしてない』『逃げられると思ったら大きな間違い』と語るなど、追及する気満々になっている。旧統一教会の問題は昨年の臨時国会で被害者救済法が成立し、解散命令請求についても文科省が検討を重ねている状態で、下火になりつつある。ところが、細田議長については本人が説明から逃げ回っていて、まだまだ炎上する可能性が高い。春の統一地方選まで引っ張られると、自民は大打撃だろう」(永田町関係者)
岸田批判を展開した菅前首相の思惑
2人目は月刊誌「文藝春秋」(2月号)のインタビューで、異例の岸田批判を展開した菅前首相だ。菅氏に近い自民党関係者はこう言う。
「菅先生は宴席でも軽率なことを言う人ではないので、考えがあって岸田総理に苦言を呈したはず。戦う気になっているのは間違いないだろう」
菅氏は岸田首相がブチ上げた「異次元の少子化対策」の財源について、「消費税増税は国民から理解されない」と発言。防衛増税についても「唐突だ」と批判していた。
折しも16日、防衛費倍増について増税以外の財源確保策を検討する特命委員会(委員長・萩生田政調会長)の役員会が開かれ、19日に初会合を開催することが決まった。今後、岸田首相にとって厄介な「増税反対派」が勢力を拡大させることも考えられる。
最後の問題人物は麻生副総裁だ。15日に講演で、「少子化の最大の原因は晩婚化」と発言し、ツイッターが〈少子化の最大の原因は貧困化だろうがボケ!〉〈自民のせいだろ〉と大炎上。完全に岸田首相の足を引っ張っている。
党内にこれだけの火ダネを抱える岸田首相。どれか1つでもハジケれば、立ち往生しかねない。