イタリアの風に吹かれて ~con te partiro~

前世(かこ)から未来(いま)へと紡がれし時の記憶
あなたと交わした約束の欠片を辿る遥かなる愛しき旅

影絵作家 藤城清治さん -つづき-

2011年06月04日 23時46分08秒 | デザイン画・書画

影絵作家 藤城清治さんを思う つづきです

番組後半では、

『ここがききたい 87歳 藤城清治 僕の24時間』

ということで、藤城さんの1日の

タイムスケジュールについて触れていました。

※こちらも驚きの連続でしたが、ただ驚くだけでなく

藤城さんのタイムスケジュールの中には、

【長生きの秘訣】や【健康的に生きる為のヒント】が

ふんだんに詰まっている様に感じさせられました。

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『藤城さんの1日のタイムスケジュール』

朝5時半起床6時~10時まで散歩(4時間)

藤城さん曰く

【朝の散歩は「生きているぞ」ということであり

仕事が遊びで、むしろ散歩の方が仕事

と言っていいくらい。

一歩一歩、歩く事で アイディアも出る。

影絵をピッと切るのは1つの繋がりであるので、

「今日は大丈夫かな」

「この調子で切れるかな」という感じが分かる】

※このお話を聞いて思いました。

「猫が身体をメンテナンスする為に 毎日何度も

念入りに毛づくろいをするように、

藤城さんは、毎日が車検のように、

ご自分の資本となる肉体という大事な乗り物を

4時間の毎日の散歩の中で

点検なさっている。その長年の繰り返しの

積み重ねが藤城さんの心も体も健やかに整え

見る者達の心をゆさぶる素敵な作品や

豊かなひらめきへと

繋がっていらっしゃるのではないかしら」と。

散歩中の映像も流れましたが キャップを被り

鞄を襷がけにし、ハイソックスから覗く筋肉は逞しく

その足どりは実に軽やかで速く、そして力強く

凄いパワーを感じると共に漲る若さまでも感じられ

こちらの方まで元気のお裾分けを頂きました

散歩から帰宅2時間かけて入浴

(「これは一番長い時には」と、笑って補足されていました)

藤城さん曰く

「年をとっているので、熱めのお風呂だと危ない、

という事で、足湯のように足だけをぬるめの湯で

温める。そして、少しづつお湯を増やしていって

腰湯にし、少しづつお湯の温度をあげていくけれど

胸までは足さないようにする。そして湯船の中の

手摺を持って湯船の中で足が大事だから5000

足をバタバタしている。一杯汗をかきます

※5000回という想定外の数字に、アナウンサー同様、

私もかなり驚き、を見ながら思わず

「エェーッ5000回?」と声に出していました。

「数を数えていらっしゃるんですか?」と驚いた顔で

 聞き返していたアナウンサーの顔も印象的でした

入浴後12時~朝食

13時~15時まで休憩

15時~16時まで昼食とおやつ

  (甘いものがお好きとの事でした)

16時~仕事

20時~21時夕食

※夕食のテーブルには、バランスのとれた

身体がわくわく悦ぶような、沢山のお料理が

所せましと並べられていました

藤城さん曰く

「お肉もお魚もなるべくなら年をとっているので

腹八分目にしたいけれど食べたいし甘い物も

好きなので(笑)昼食は軽めに取りその分

仕事をする夕食は、しっかりととる。

肉が好きだったけれど最近はだいぶんおさえている」

21時~深夜1時仕事

1時就寝(目標)

※昔は朝までお仕事をしていたという事でした。

アナウンサーも「寝る時間がないですね」と

またまた 驚かれていました

藤城さん曰く

「朝の太陽が昇って 夜明けが凄く好きだったので

空が白み始めて明るくなってきたのを見て

仕事をやめる、というのを10年位前まではしてました

どうしても仕事をしていると乗ってくるから、

3時位までやってしまう事が多いので。乗ってくると

どうしても途中でパッとやめちゃう事はできない

※冒頭でも私の主観を通して書かせて頂きましたが

藤城さんのタイムスケジュールには、【長生きの秘訣】や

【健康的に生きる為のヒント】が

沢山詰まっていたよう思いました。

ここにそのタイムスケジュールを纏め載せましたが、

「さぁ、私達も是非明日から真似してみましょう!」の

それではありません。藤城さんのように願わくば

一日をこの様にゆったりと過ごせたら

ステキなのですが、今や文明の利器にどっぷり浸かり、

色んな事に追われながらの現代人が、

実生活において、藤城さんのようなゆったりとした

タイムスケジュールにのっとって動く、というのは中々

ままならないものがありますが、それでも思うのは、

健康に生きる、身体を大事にするという事の大元は

本来こういう事を言うのかもしれない、

と思うと同時に 身体を動かすことの大切さ、

日々の積み重ねの大切さを 私はですが、

また改めて教えて頂いた気がします。

太陽のあたたかさを感じ、

澄んだ朝の空気の中で

流れる景色に目を留め、

大地をしっかりふみしめながらの、

リズムカルな朝の散歩は、

藤城さんの肉体に清らかで清々しいエネルギーが

一杯取り込まれている、そんな気がしました。

藤城さんという方は、【流れ】を深い部分で

熟知していらっしゃるようにも感じさせられました。

心と体のバランスがとれてこそ初めて、

健康な体には健康な魂が宿ることで初めて

多くの人を魅了する、あのような、温かく、優しい、

可憐で美しい作品がうまれるのかもしれないと

僭越ながら、朝のお散歩の映像を拝見しながら、

ふと、そんな事を思っていました。

藤城さんがご自宅アトリエで

作品を造っている映像が流れました

これまた驚く事に

(今回のスタジオパークは終始驚きっぱなしでした)

ペラペラッとした薄いカミソリの刃だけを直接

指に挟んでお持ちになり、実に大胆に鮮やかに

躊躇なくシャッシャッという微かな音を立てて

切っておられました。カミソリの刃を

当てている指先を触らせて貰った女性アナウンサーは

ひとこと「とても固いですね~」と言っていました。

藤城さん曰く

「(指は)足の踵のように固くなってます。

刃を持って切り始めると、

指に1本スーッと線(筋)が出来、その線(筋)に

刃が入る感じでより安定するんです。

作業をしなくなると、その線(筋)は

不思議となくなるので

自分の指ながらも 凄いなぁ~と思います。

カミソリの刃は

反る、しなる、そして捻れるのでいいんです。

カッターなどには柄がついているけれど、

僕の場合には、カミソリが刃で、

自分の腕がその柄のようなものですから、

刃もしなるし、手もしなるし、腕もしなる。」

※「道具になりきる」とは、「一体化する」とは

当に こういう事を言うのだなぁ~」と思いました。

このお話をされた後、新潟の展覧会に出すという

ひと月で仕上げようとしているという作品の下絵を

スタジオにお持ちになられ、ご説明をされました。

藤城さんは

「夜空に花火、そして下には船が勢いにのって

バーッとあり、大漁旗や、新潟なので太鼓でも

叩いたらいいかなと思って。

昨日、佐渡の太鼓を見てきたもんだから。

船の上で太鼓を叩いたら面白いかな、と思って。

下絵を書いていると、毎日毎日ドンドン変わってくる

下絵を鉛筆で書くのがすごく面白い。」

と仰り、続けてまた

【影絵というのは、元々何もない時に焼け跡で

何でもない物でやればいい、というので

始まっているからカミソリなんかもそうだけれど、

道具とか何かを使ってするのではなくて、

自分の身体であるものを使って 何でもやって

光を当てればふぁーっとなるのが 好きだから】

※このお話に私は、

スピリチュアリズムの真髄のようなものを感じ、

この深くて素敵なお話に感動致しました。

そして、表現し続けるにあたって私も

この言葉を胸に 邁進したいと思いました。

『作品にしたくなるものというのはどの様なもので

どの様なものに心動かされますか?の質問に・・・

「元々、メルヘン的な物が好きだったから、

自分の思った心象風景であったりとか、

夢みたいなものをやってたけれど、

最近色ん各地に展覧会なんかで行ったりすると、

建物にしろ、風景にしろ、すごくいから。九州は九州、

四国は四国、東北は東北、東京、オペラもいいし

五重塔もいいし・・・・・」

【僕は人物が得意だとか、動物が得意だとか、

風景が得意だ、とかいうんじゃなく、

地球上の物全てを書きたいというか、

不得意のものとか、得意のものとかではなく、

あらゆるものに面白さがある。

影絵もある意味そうかもしれないけれど

ある意味、自分のスタイルを作っちゃう、

自分の個性を出そうとするけれど、

僕はどっちかというとそうじゃなくて、

富士山なら富士山を描くんだし、軍艦島、

あるいは桜島、そういうものは山の、

あるいは海の美しさを、自分がやるから

どうしても自分流にはなるけれど、

その山の美しさを訴えたいなと思うし、

地球上のものの全部は

色んな無限の面白さがある。

山は山、海は海、花は花、魚は魚、

動物は動物、そういう、

魚もいいし、犬もいいし、猫もいいし、という】

※藤城さんの後半のお話の部分はあえて太字とし、

【 】で くくりました。私は特にこの部分に惹かれ

藤城さんの雄大さを感じました。

最新作は、爆笑問題 太田光さんの

『マボロシの鳥』の影絵(40枚近く)を

ご担当されたそうです

実際の原画サイズは1m位ある大きなものなので

本来なら、1枚につき1週間から10日かかるので、

40枚の影絵だと本来なら1年近くかかるものを

3日に1枚、という驚異的なハイペースで、

3ヵ月で完成させたとお話されました。

※私はこのお話をきいて思いました。

心平らかに集中し 全身全霊を捧げていると、

そのあいだは1日24時間という時間枠でさえも

取り払われたようになり、実際の肉体的の

年齢さえも、飛び越えてしまうようような

何かとてつもない 視えない

大いなるエネルギーにも似た尊い何かの力が働き

サポートしてくれるのではないか、と。

(皆さんもそうかもしれませんが)

私は好きな事に向って集中すると、

1時間位経った感じでいたら

実は10時間近く経っていて、翌朝になっていた、

という事は時々あります。

でも不思議と肉体は全然疲れていないのです。

こういう時、私の中では ある意味

時間が飛んでいるのかもしれない、と思います。

『マボロシの鳥』の影絵を

作成するにあたってのエピソード・・・・・

「送られてきた本を読んだらとても面白く(-略-)

メルヘンと今の時代に

何か訴えたいようなものが凄くある。

何か どっかで繋がっている、全体がテーマ。

僕も天が1つだとか、

何処かで繋がっているというのがある(-略-)

実際の原画のサイズは1m位の大きな物。

影絵というのは、切っていくので、

細かいと 細密画みたいなってしまい、

カッカッカッと切れなくなるので、

僕は切る時は手先じゃなくて身体全体で切るので

どうしても、大きくなってしまう。

本来1つの作品は

どうしても1週間から10日くらいかかるけれど

この作品をやりだしたらのってきたので

3ヵ月で出来た。40枚を1枚の作品のように思って。

影絵というのは手先でなく身体で切るから、

あまり丁寧丁寧に切ったら駄目だから

一気にやっちゃうという、だから一気にやったので

今回は3日で1枚のペースで出来た。

これまでは血圧を計りながらやっていたけれど、

今回は血圧も測らなかった」

好きな色は?(番組視聴者からの質問)

「優しくて温ったかくて甘い感じがするからピンク

理想の女性像は?

「優しくて綺麗で、シャープで、

なおかつ 全体を包んでくれるような

母性像のような、美の象徴みたいな(-略-)

※人魚にも理想の女性像を感じて

いらっしゃるようでした。人魚も好き

よく影絵の作品にも登場するそうです。

猫ちゃんはどんな存在?

「猫は、今や助手のような存在。

夜みんなが寝静まって夜遅く仕事をしていると、

ライトが下から当たっているからあたたかいのか、

猫も起きている。紙なんかが

一杯ちらかっているので、それをしっぽで

パッパッパッっと、切ったゴミなんかを

はらってくれたり、時々乗っかってきて

肩を揉んでくれたりね。皆は影絵は破れやすいから、

猫に「あぁ、危ない 危ない!」と言うけれど

僕はもう、「全然大丈夫」って言って。

そんなにや破らないしね。人間が破ったら怒るけれど

猫だと絶対に怒らない(笑)

※この猫ちゃんとの関係に心が和みました。

更に藤城さんの猫ちゃんに対する深い愛情を感じ

私もとっても嬉しくなりました。

87歳の藤城さんのお話をお聞きしながら、

89歳の今も尚、

お元気に精力的に創作活動を続けていらしゃる、

ゲゲゲの鬼太郎でお馴染みの水木茂さんや

今は亡き榊莫山先生や

岡本太郎さんのお顔がふうっと浮かんできました。

私の主観ですが、

皆さん何処となく雰囲気が似てらして

腹が据わり大物でいらっしゃる事に

変わりがないのですが、皆さん共通して

何処かユーモアがお有りで、

せかせかとせずドーンと ゆったり構えてらして、

まぁるい感じで、大海原を穏やかに

心地良い自分のペースを守りながら

ス~イ、ス~イと優雅に気持ち良さそうに泳ぐ

タイマイが頭をよぎりました。

                     -完-


影絵作家 藤城清治さんのお話に思う

2011年06月04日 07時07分22秒 | 好きな作家

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6.1放送のスタジオパークのゲストは

影絵作家の藤城清治さんでした。

影絵を作り続けて実に65年ということでした。

御年87歳になる現在も

精力的に創作活動を続けていらっしゃいます。

皆さんも一度は、藤城さんの素敵な影絵の世界を

絵本や書籍などでご覧になられた事が

お有りなのではないでしょうか?

今回番組を拝見して私は2度、魂があらわれました。

それはずっとずっと見ていたい美しい影絵の作品も

さることながら、藤城さんがとつとつと時にユーモアを

交えながら、何気なく話される、数々のお話は

スピリチュアリティーに富んでいて、深く魂に響き渡り

1時間にも満たないトーク番組の筈なのに

時間は緩やかに流れ多くの気付きを得ました。

今日は、

私の好きなアーティストのお1人、藤城清治さんの

番組ご出演時のご様子や数々の素敵なお話のご紹介を

私の個人的な感想も織り交ぜながら綴って参ります。

番組でご紹介された影絵の作品は、私なりの捉え方で

ご紹介をさせて頂きますが、宜しければ、皆さんも

藤城さんの影絵の世界を、皆さんの感性のままに

想像力を掻き立て、膨らませながら、読み進め

お付き合い頂けましたら幸いです。

1982年の作品 『木馬と猫』

大きな月に照らされた道の先には一匹の猫と風船。

その大きな月を抱えるように色鮮やかな風船と

回転木馬。その木馬の上には空を飛んでいる

2つのバイオリン。空飛ぶ絨毯を彷彿させるような

バイオリンの上にはそれぞれ1羽づつふくろうが乗り

風船もがなびく。その光景を遠くから

猫が立ってじっと眺めている。

※大きな月と対照的に小さな猫は2本脚で佇み、

空飛ぶバイオリンや回転木馬をジッと見つめる様は

健気で可愛く胸がキュンとしました。

(猫も風船もふくろうもお好きなものなんだそうです)

2005年の作品 『愛よ永遠に』

背景には美しい色の山や木々が広がり、水辺から

現れたような美しい水の精のような髪の長い女性。

その背中には羽根、手には赤い花を持っている。

女性の前には天まで続く真白い階段が・・・・・

※幻想的で繊細で優雅で気品ある、夢や希望に

満ちた美しい作品でした。(階段もお好きだそうです)

メルヘンなこの作品は、藤城さんの心そのものを

表現されているかのようでした。私は子供の頃から

藤城さんの作品に魅せられていました。

2007年の作品 『3台のピアノ ノスタルジア』

大きな作品でした。鮮やかに広がる芝生は

ドロップのように艶やかな黄緑色で、その上には

白、黒、赤茶のグランドピアノ。ピアノの蓋にも

お城などが描かれ、藤城さんの分身とも言える

(と、ご本人が仰っていました)小人達は、

実に楽しそうな様子でピアノや色んな楽器を

奏でています。芝生の向こう側には豊かな水を

たたえた穏やかな川、そこには数羽の水鳥、

更には中世を思わせるような、眼鏡橋が幾つにも

横に連なったような石の橋が架かり、橋の奥には

お城と山がそびえたなんとも素敵な作品でした。

※影絵だという事をすっかり忘れてしまう位、

様々な美しい色が見事に調和され楽し気な様子の

小人達の演奏に、調和された音色が想像できました。

(藤城さんはグランドピアノもお好きとの事でした。

この作品にかかった日数は下絵や切り出しも含めて

2週間位と仰り更に驚きました)

ご本人談・・・・・

「幼少の頃は無口で黙って絵ばかりを描いていた為

母親が心配し、先生に相談したことがある。

中学の時には、先生の似顔絵をよく描いていた。

学生時代、

学校の学園祭で上演されていた人形劇に感動し、

児童文化研究会に入に人形劇を始めた。

人形もその服も背景も手作りするのは本当に楽しく

様々な場所で上演もした。

大学に時代には、人形劇と油絵に出逢った。

油絵においては、周囲から上手い上手いと言われ為

展覧会に出すと、どの展覧会に出しても入賞し、

「天才少年現る」と騒がれた。大学では影絵とも出逢う。

人形劇から影絵に夢中になった理由は、その後

戦争がおこり、終戦後 海軍から帰って来てからは

もう一度学生に戻ったが、人形劇をやりたくても

焼け野原で人形も殆どなくなってしまい、新しく人形を

作る事も出来ないというそんな時、焼け野原で何か

出来ないか?と思った時、影絵ならそこらにある物を

拾ってくれば、色を塗る必要もないしただ切り抜いて

蝋燭の灯りを当てれば結構面白い、という事で

影絵になった。初めは黒と白で全然色は

ついていなかったが学生達で教会でもやったりした

藤城さん曰く、

【影絵というのは人形劇よりも 

もっと 原始的な感じで面白い】

アナウンサーによる藤城さんのご紹介から・・・

大学卒業後は、映画会社に入り働く傍ら、

アマチュアの人形劇と影絵の劇団を旗揚げ、

27歳でフリーとなり、本格的に創作活動を始め、

様々な作品を世に産み出してきたがその中で特に

注目が集まった1つがで昭和41年に放送された

人形劇『ケロヨン』

ケロヨンのキャラクターデザイン脚本、演出も担当。

ケロヨンの「バハハーイ」という台詞も流行となり、

大変な人気となった。

※放送当時、私はこの世に生れてはおりませんが

何故か?ケロヨンの存在は知っていました。

ピンポンパンのカッパのカータンのような大きさの、

濃い緑が印象的だった 当時のケロヨンの

パネル写真を見て、とても懐かしく心がほころび

自然に笑顔が溢れました。(ケロヨンかわいい

昭和23年創刊の女性向け生活情報誌、

『暮らしの手帖』 は創刊当時から連載し、

表紙の油絵も藤城さんが担当していた頃もあり、

影絵も連載されていた。この雑誌の連載が、

藤城さんが広く知られる1つのきっかけになった。

創刊号は人形で、2号からは影絵となった。

連載は50年近く続いた。

ご本人談として、「途中ケロヨン時代忙しくなり

間があいてしまった事もあったが、ケロのあと雑誌が

カラーになり、また連載を始めた」 )

多くの絵本も手掛ける。

宮沢賢治の物語 『銀河鉄道の夜』 は、

国内でも、世界的にもかなり高く評価され、

多くの賞を受賞した。

※一口に50年連載を続けると簡単に言う事は出来ても

真似の出来る人はそういないと思います。

改めてすごいことだな~、と思います。

『暮らしの手帖』の表紙に描かれた美しい女性は

涼やかで、モダンでキラキラしてステキでした。

60年以上の藤城さんの作品を振り返る展覧会が

現在、東京目黒にある藤城さんの自宅スタジオで

(ご自宅兼アトリエ)で行われています

番組進行の男性アナウンサーが訪れた所、平日にも拘わらず

多くの方がいらしていたと伝えていました。

60年以上前の初期のモクロ作品から最新作まで

100点以上の作品が展示されているそうです。

番組の中でも、

現在行われている展示会の作品の一部を

紹介してくれました。

2001年の作品 『風の中の白いピアノ』

とても横に長い作品でした。

藤城さん曰く

「作品の手前には水がはられ両側が鏡なので

覗き込むと影絵の世界がずーっと奥まで続いて

いるように見える」ということでした。

※藤城さんという方は、想像するに純粋な方で

ご自身の素晴らしい作品を見に来てくれた

多くの人達を喜ばせてあげたい、

美しい夢の世界へと誘ってあげたい、

普段からそんな風に思っていらっしゃり

その思いが、斬新的で素敵な発想へと

自然に繋がり、影絵の美しさも際立つ、

来た方々もうっとりする、見事な演出が

実現するのではないかしら?と思いました。

ご自宅のアトリエだからこそ叶う

サプライズだったのでしょうか?

2005年の作品 『美しくも哀しい平和への遺産』

広島の原爆ドームをモチーフにした作品で、

沢山の折り鶴が原爆ドームの上を飛んでいました。

※一斉にまっすぐ、天に向って飛び立つ折り鶴は

私には力強く見えました。

番組アナウンサーがアトリエを訪れた際、

玄関で先ず出迎えてくれたのが、

ふくろうとワライカワセミ だったそうで、

それだけでもかなり驚いた様子が

言葉の端々から伝わってきましたが、他にも

犬や猫、ライオンの剥製なども出迎えてくれたようで

とても驚いたようでした。

藤城さん曰く

「動物がすごく好きだから。玄関にふくろうがいて、

カワセミかいて、そこから迷路の中に入って

影絵が見えるという」

と、少しはにかんだ表情と共に、身ぶり手ぶりで

アナウンサーにご説明されていました。更に、

【美術館でも展示はしているけれど 自宅だと

自分の温もりというか、自分のそこで造っている、

そこで寝泊まりしている、そこで子供の頃から

ずっと育ったという所で、全体の雰囲気・・・・

影絵というのは裏から光をあてるから

光が見ている人の顔に当たり、

赤だったら赤い顔になったり、

部屋全体が1つの作品であり、それが自宅だという、

生活というか 僕が生きている、呼吸している、

影絵も呼吸しているし、会場全体が

人間だけじゃなくて、動物もいる、鳥もいる、

魚もいる、猫もいる・・・・それがみんな呼吸して

影絵の光の中で、この地球上で生きているんだ

という 生きている喜び楽しさ、夢の世界。

美術館は豪華なので、わぁ、素晴らしい とは

思うけれど、ここで 本当に生きているんだ、とか

生活しているんだという温かさを感じる と言うか、

呼吸しているような絵を描きたい。

絵を見たらドキドキドキドキと心臓の鼓動が

聞こえてくるような絵を描きたい。

だから自宅だとそういうのが

より出るような気がするんですよ】

※私は、このお話を聞いて

藤城さんは 【光】 【呼吸】 【ぬくもり】 を

本当に大切にしていらっしゃる方なんだな~

と思いました。

当初の予定では展覧会は

4月17日~5月29日までだったようですが、

嬉しい事に、6月12日まで延長されたそうです 

私も期間中、是非足を運ばせて頂こうと思っています。

実際に藤城さんの素晴らしい作品を

この目で触れさせて頂き 心で感じて、

魂でふるわせて 初めて藤城さんの作品の

醍醐味に近づけるような気がしています。

『マボロシの鳥』の絵本はその内容も、

そして番組内で少し見せてくれた影絵の雰囲気も

とてもステキだったので近々購入しようと思います。

                     ~つづく~