毎年 あたたかな春を
誰よりも待ちわびているのは
厳しい冬の顔をよく知っている、
寒い地域に住まう方々のように思います。
我慢強く、自分よりもまず
相手のことを慮(おもんぱか)ろうとする優しい心根は
東北関東大震災の避難場所において
極限の状態であるにもかかわらず、
現地入りしている各テレビ局のスタッフから
「何かお困りの事はないですか?」と
カメラを向けられるとご自身の大変な状況を憂う前に
先ず口をついて出てくるのは、届けられる支援物資や
炊き出しをしてくれているボランティアのスタッフに向けての
「有難うございます」 「充分に足りています」と、
仰る方々がとても多かったのが印象的でした。
今朝 被災地ではるな愛さんが ご自身の経営される
飲食店のスタッフと共に調理器具、食材、支援物資を
持ちこみ、今回2度目になるという炊き出しをする姿と
本物の笑顔を添えて お1人お1人の元へ
あたたかい声をかけてまわり握手をし、
快く写真撮影に応じている姿に神を見た気がしました。
愛さんにお願いをして
今回の炊き出しに同行させて貰ったという
テレビ局のスタッフが愛さんにカメラを向けると彼女は、
「 あるお父さんがね、私の所でずっと泣いててね
(略) で、そのお父さんが私にね、
みんなを思い切り泣かせてやってくれよ、
みんな ほんとは泣きたいんだよ。
俺達はちゃんと泣いてからじゃないと
新しいスタートを切れないんだよ 」
と言うような事を伝えていました。
私は画面を通し 間接的にでしかありませんが
被災地で過ごされている方の胸の内を
愛さんを通して改めて知り思いました。
「 泣くことは恥でも、いけない事でもありません。
どうぞ、悲しい思いにフタをして涙をこらえずに、
じっと我慢なさらずに思い切り泣いて下さい。
そばに居て下さる心あるスタッフの方々や
誰か心を開けそうな方にお話しして下さい 」
東北出身の友人がいます。
彼女と友情を紡いでいると確かに
東北の人のあたたかさ や ひたむきさを
ところどころに感じさせられます。
みなさんは 決して1人ではありません