「北青山で、秘密の花園を、見つけたの! そこは取り壊しになるアパート群で、
かつての住人に愛されていた花檀の花々が、伸びたいように、野にあるように咲き乱れているのよ。
もう、来年には存在しないの」
友人からの突然の電話。
「興味があったら、ご案内します」って。
「行きますとも!今日、これからでもいい?」
(3月28日のこと。書いたまま出しそびれていましたが、ここでアップしておきましょう。)
表参道駅から5分ぐらいのところ。おしゃれな店が並び、通りを歩く人も晴れやか。
一つ横道に入ると、のびのびと普通の呼吸が蘇ってきたーー
茂り放題の垣根の向こうに、かつて人々の愛したアパート群が薄汚れた壁をあらわにした。
お手入れされている庭と、奔放な花々の庭と。
ベランダに洗濯物がかかっている家もあって、まだ住んでいらっしゃる方もおられます。
来年にはすべて取り壊されるという。
「若い頃から、この先の眼鏡屋さんには来ていたのに、昨日は花に誘われ、ふと迷い込んでしまったの」
時代に置き去りにされた古いアパートと秘密の花園。
花々は、自由に殖えていきいきと。最後の春だなんて誰も思っていはしない。
バイモユリも気持ちがいいくらいにのびのび。
「こぶし」とプレートがついていましたが、どう見ても「モクレン」ですよね。更紗木蓮ではないかと。。。
ヤマブキももう咲いていて、黄金色のメダルを。
淡い夢色のネモフィラ。
ツクシもつくつく。もうすこし早い時期にきていればーーとMさん。
ツバキを剪定している方がいたので、挿し木しようといただいてきました。
うまくつくといいのですが。
みんなみんな憶えておくよ。ものみな嬉しき春の日に。