2週間ほど前のことになってしまいましたが、
家人が、上野の東京国立博物館で「神護寺展」の
夜間開館があるから、行ってみたいと言います。
神護寺と言えば京都の高尾にある有名な寺院。
ネットをみると、この特別展が夜間開館で観覧でき、
同時に「縁日」が楽しめる、とでています。
題して「東博縁日」。
ちょっとお堅いネーミングですが、国も粋なことをー。
面白そうです。
上野公園は久しぶりです。
降り立った駅舎はかつての駅舎とは違います。
様変わりして随分とモダン。
上野駅(公園口)に着いたのが平日の夕方5時半。
たぶん美術館や博物館などから帰る人たちなので
しょう、逆に駅へ向う人が多くなっています。
しかもまばらになってきています。
駅に向かう人を避けるように国立博物館へと歩いて
いくのは、開閉時間を間違えていると思われや
しないか。何となく落ち着きません。
夜間開館の入場は、正門ではなく、正門の左手にある
「黒門」でした。平日は閉じられています。
この門は、かつての鳥取藩池田家の上屋敷の正門で、
明治時代は東宮御所の正門だったそうです。
国の重要文化財です。
入場時間の午後6時には、いつのまにか黒門前に
人が集まってきていました。
国立博物館の「縁日」。ライトアップされた
博物館の建物も見られます。
私たちだけでなく、行ってみたい人が結構いる
みたいです。
夕方6時、一斉に入場していきます。
早速に縁日の店を見ている人もいますが、
「神護寺展」を見てから店を覗くことにしました。
今回、有名な「伝源頼朝像」の肖像画をはじめ、
国宝や重要文化財の寺宝の数々が展示されて
いました。が、ほぼすべて撮影禁止。
人が少ない分じっくり鑑賞できるわけですが、
そもそも、仏教の歴史に疎いですし、
空海や真言密教についての知識も薄いです。
“ふむふむ、そうか”とうなずきながら、
あっという間に出口へ。
まるで子どものように、“さあいくぞ縁日の店に”、
となりました。
少しづつ店を覗きながら本館のほうに戻りました。
飲食物の店は、ずらっと並んではいませんでしたが、
さすがにジュウジュウ・パタパタの屋台店でなく、
スマートなキッチンカー。
会場が博物館という場所だからなんでしょうね。
館内の掲示に、縁日のイベントとして、太鼓の
演奏が掲示されていました。本館前の特設ステージ
です。開始時間まで時間があります。
そこでキッチンカー前のテーブルに座り、
飲み物とたこ焼き・焼きそばです。
日本の歴史や文化財より「縁日」です。
やがて太鼓の演奏が始まりました。
本館前の玄関の特設ステージです。
六人編成のグループです。名前は忘れました。
大きな石造り?の本館の玄関前です。
ちょっと寂しくはないか。そんな心配は無用でした。
太鼓の響きが、それはそれは凄いんです。
博物館の静寂を打ち破るような演奏。
日本で最高峰の博物館に“こだま”します。
鳴り響くは、ドンドン、ドドン、ドドド。
激しく打ち鳴らされる太鼓の音。
博物館と太鼓演奏。素晴らしいコラボ。
展示されている仏像も何事かとびっくりのはず。
厄を払い、幸運をもたらす獅子舞。
見物客の間を、ステージを降りた獅子が、
大きな口で見物客を「噛んで」回ります。
まさに縁日です。
あっという間に閉館の午後9時になりました。
博物館に静けさが戻りました。
博物館前の噴水も終了です。
夏の小さな縁日を楽しんだひと時でした。
それにしてもお堅い国の博物館主催の祭り。
こんな「遊び心」の催しもあったんですね。
柔らかい催しもの、ウエルカムです
私は京都の神護寺には何度か行ったことがあります。
人物鳥獣戯画を所蔵しているところです。展示されていたのは複製でした。本物はどこかで厳重に保管されているのでしょう。
神護寺は行ったことがありませんが、
1200年以上の歴史をもつ名刹ですね。
国宝や重要文化財級の文化財を実際に
見ると、やはり感動しますね。